思考と読書【お金・健康・人間関係 編】

お金、健康、人間関係に関する本の書評と説明 ビジネス書や自己啓発が多くなると思います なるべく毎週投稿できるように頑張ります

■教養としての投資 を読んで

 

 

書名:教養としての投資

著者:奥野一成

 


●本書を読んだきっかけ

新宿紀伊國屋書店で大々的にセール

ママゾンでも人気書籍だったので

買ってみる

 

 

 

●読者の想定

本書で労働者1.0と書かれている

今の職場に不満があり文句ばっかり

言って、仕事をやらされ感がある

会社員。

本書は具体的な処方として

将来の自分に向けた投資とか

企業に投資することを勧めている

著者の歩んできた会社員時代の

生き方など

具体的な手法が書かれているので

新卒の社員とか就活生にも

お勧めである

 


●本書の説明

はじめに

私は「農林中金バリューインベストメンツ

株式会社(NVIC)」という会社でCIO

を務めています

事業が成長すればいずれ株価も値上がり

することを、かれこれ20数年に及ぶ

投資家人生の経験を通じて知っています

投資で成功するために重要なのは

「総合力」です総合力とはバラバラに

なっているものを一つにまとめあげる

力のことです

自分なりの主張を持つことがビジネスでは

極めて重要です、世界中の日にネスエリート

は自分なりの仮説構築・検証という

思考癖を当然のように持っている

幅広い知識を身につけるのと同時に

それを上手に組み合わせて自分なりの

仮説を導くことができれば投資でも

ビジネスでも成功する可能性が高まる

我々が生きているのは資本主義です

資本主義の仕組みをよく理解した人が

資本主義で成功するのは当たり前の

ことです

 


1時限目 投資家の思想が人生を成功に導く

・「あの上司、ふざけんなよ」などと

愚痴を言いながら苦い酒を飲んで

いる人は典型的な労働者1.0です

労働者のマインドセットしかなく

「指示待ち」です

資本家は他人の才能と時間を使う立場

であるということです、そして

資本家にただひたすらこき使われるのが

労働者1.0というわけです

労働者1.0の「他人に働かされている」

というマインドセット

「自分が働いている」に切り替えて

ください

・他人を働かせるという考えは

英国サッチャー首相の指導のもと

1980年代半ばに行われた

「金融ビックバン」にも顕著に

現れています

・永守さんを部下にしたいと思ったら

日本電産の株式に投資すれば

いいのです

私は就活中の学生にアドバイスする

ときは

「自分が入社したいと思っている

会社の20〜30年間の長期チャート

は必ず見なさい」という

・ある会社が業界内でどういう位置にいて

どのような課題を抱えているのか

どうすれば業界内の優位性を出せるのか

その上で自分のところと取引する

メリットをそのまま営業で伝えれば

良いのです

・資本主義は、時に乱暴とも思える

ような飽くなきイノベーション

担い手を求めている

・「時間」「能力」「お金」という

資産、リソースは概ね交換可能

である

・若くて時間があるビジネスパーソン

がまずやらなければいけない

やり続けなければならないこと

それは「自分への投資」です

・世界のビジネスエリートは

「自分の言葉で語れる」ことが

不可欠です、それには様々な

ビジネス経験、人生の経験を

自分ごととして捉える主体性が

最も重要です、それが20代で

やっておく投資です

・人間が持っている時間は1日24時間で

「時間管理術」みたいな本が人気

を集めるわけですが

結局、無駄を省き動きを効率化

することによって隙間時間を捻出し

そこから新しい何かにチャレンジして

付加価値をあげるという話でしかない

・企業の本質的な存在意義は

「社会に付加価値をつけるため」

「利己」を追求するところに「利他」

が生まれるという考え

競争による効率化という根本部分を

壊してしまっては元も子もなくなる

・自分が頑張ってもなんともできない

自分が影響をできることの間に

「主体性」を切り口とした線は

引けないが、この境界線を意識すると

気持ちよく生きていくために重要

・Circle  of  Competence(有能の境界)

X軸:過去↔︎将来、Y軸:他人↔︎自分

Ⅰ象限:自分の将来の出来事

Ⅱ象限:自分の過去の出来事

Ⅲ象限:他人/自分以外の過去の出来事

Ⅳ象限:他人/自分以外の将来の出来事

「自分の将来の出来事」こそが

自らの才能・時間・お金という資源を

集中投下するべきところである

自分のコントロールできない範囲に

関心を広げることが問題なのです

・2つの投資(自己投資と長期事業投資)

は相乗効果を持っていて

自らの能力を増大させると同時に

他の企業を選ぶ能力も増大させます

私はそのような人生を歩んでいます

 


2時限目 私の投資家人生

・どのサービスに力を入れれば

新しいサービスを消費者に提示できるか

モノを言うだけで金を出さないような

コンサルタントの話を有難がって

聞く経営者なんているはずない

カネを出した上でモノを言うから

人は話を聞いてくれるんだ

俺がいる銀行はまさにそれをやっている

長銀時代の筆者)

10年先輩が集まるような勉強会に

新人の頃、潜り込み勉強させて

もらった

銀行の世界では「出向」は

「片道キップ」とか言われ良い

イメージではなかったが

子会社の長銀証券に出向

配属されたのは債券部で

債券のディーリングを行う部署

顧客売買に対して値付けをし

ポジションをとって収益化する

のが仕事で、まさにやりたい仕事だった

「絶対儲かる」方法などいうものは

なくてアドバイスどうりすれば

収益が安定するというものではない

安定した会社なんてもはや幻想です

ウォーレン・バフェットの書物

を読み漁った

・農中の国内向け融資は2割程度

日本国内には貸出先がない

ヘッジファンドへの偏見はなく

投資したら5〜6年は持つという

ヘッジファンドも多い

彼らは徹底的に企業評価を行い

自らの人生のリスクをとってくる

社内ベンチャー「NVIC」

「構造に強靭な企業®︎」

「日本のバークシャ・ハサウェイを目指して」

それはまさに売り買いせずにリターンを

上げる

自己資金運用だけでなく

企業年金ソブリン・ウエルス・ファンド

(SWF:政府系ファンド)の資金も

運用しファンドの規模を大きく

しようと考えた

いくつかのプロ機関投資家に支援

されながら現在3000億円まで増えた

会社を永続するためには

企業哲学を表す設立趣意書が必要

P85 農林中金バリューインベストメンツ

設立趣意書

 


3時限目 日本人はなぜ投資が苦手なのか?

・1995年時点での米国の個人資産

2343兆円、それから2019年

9855兆円に実に4.2倍

1年につき13.3%も伸びていった

日本の個人年金資産は現預金が

53.3%と半分以上に対し米国は

たったの12.9%

投資信託:日本3.9%、米国12%

株式:日本10.0%、米国34.3%

日本に資本主義の考えが入ってきたのは

明治時代のことです

2021年の大河ドラマの主人公は

渋沢栄一、今度の1万円札

明治時代の創業した頃の日本人は

リスクを取っていました

日本は第二次世界大戦で敗戦し

次の世代に向けて資産家マインドが

定着する機会を失った

第一は財閥解体、これによって

資産家としての成功体験が完全に

失われた、今も脈々と続いていれば

日本にも資本家マインドが定着した

第二のポイントは焦土化した日本で

生きるため労働者として働かざるを

えなかった全員が労働者1.0になって

しまった

新型コロナウイルスで米株は急落

しましたが、いずれ再び上昇し

最高値を更新していくだろう

・モノづくりは尊いのは

顧客の課題を解決するから

顧客や社会に対して価値を提供

するからなのです

モノづくりは価値づくりの一つの手段

に過ぎない

第二次世界大戦に敗れた劣等感

とそれをひっくり返した成功体験

「モノづくり信仰」のもと戦後の

教育では投資の重要性について

教えられることはなかった

松下幸之助本田宗一郎

経営者として知られていますが

同時に「投資家」でもあった

・短期的に楽して儲けることができる

と心から信じている人は少ないが

なぜか、お金が絡む儲け話は

簡単に儲かると思ってしまうのが

不思議なことです

頭を使った労働(投資)であろうが

体を使った労働だろうが

自分以外の誰かのために提供した

価値の対価こそが「収益」「給料」

である

・テレビは万人にとってわかる内容

を目指しますから、その人が

本当に学びたいものではない

可能性が高い

・いつまでも発展途上国の労働1.0

でいるのではなく資本主義の仕組

みを通じて文明を進歩させる

世の中を少しづつ良くする力を

持って行使するのが先進国の

国民の義務である

 


4時限目 「投資」と「投機」は違う

・農地を買う場合

投資:その土地からどれだけの作物が

取れるか

投機:その土地がいくらで売れるか

・「この会社の事業内容について

どこが魅力なのか、他社との差別

要因は何なのかを教えてください」

というような話はなく

「この会社の株買ったら儲かるの」

という話が多い

尻尾がついた動物に例えるなら

利益は胴体であり、株かは尻尾と

考えることもできる

・1993年にナイキの株を買い

何もせずに25年放置すれば

50倍になった

でも、日本株の場合は細かく売り買いが

繰り返される投機的なもので

あり続ける恐れがある

なぜなら米国に比べて利益が増え

続ける企業が圧倒的に少ない

最大の理由は多くの日本企業が

発展途上国型のビジネスモデル

から脱却できていない

利益が長期的に増えるという期待感

がないと、ちょっと株価が安くなった

ところで買い、ちょっと高くなったら

売って利益を確定させる短期売買

を繰り返す傾向が強まる

アメリカは単純な製造業として

残っているのではなく

サービスも含めた総合力で顧客の

課題を解決する「先進国型のビジネスモデル」

に脱皮している

いつまでも単純な「モノづくり」

とその成功体験にこだわっていては

歴史の渦に飲み込まれる

・ビジネスモデルを考える上で

一番肝心なことは、いかに自分達の

ビジネスの周りに高い参入壁を

築くかということに尽きます

そこを疎かにしたのが日本企業が

利益を伸ばし続けれなかった

原因だ

・外国証拠金取引は投資ではなく

投機に分類される

コモディティの金、プラチナ

石油、エネルギー、アルミ、ゴム

豚肉、大豆なども投機である

・不動産は建物を建てることにより

収益を生み出しますが

その収益を持続的に増やすことは

できません、そこが不動産投資の

限界店と言って良いでしょう

株式投資にとって一番大切なのは

会社の利益であり、その利益を

守り増やしていくための参入障壁

がどれだけ高いのか

・利益とは売上高から「売上原価」

と「販売費及び一般管理費」コスト

を差し引いた残りが営業利益

利益が上がり続けるのは人々が

抱えている課題をどんどん発見し

解決しているからであって「儲けすぎ」

という批判とは全く違う話

・50ドルの原価で作った製品

だから100ドルでいいだろうという

日本人経営者の発想は顧客を全く

見ていない発想です製品が顧客に

1000ドル分の課題解決を提供して

いるのであれば、それに見合った

対価を付ければ良い

このスタンスこそ「顧客本位」の

あり方です

 


5時限目 売らない株を買えばいい

農林中金バリューインベストメント

は「長期厳選型自己運用ファンド」

の運用をスタートさせたところ

から始まりました

世界の人口は増えていて2050年に

97億人、2100年に110億になると

いう見通しがある

者者は「構造的に強靭な企業®︎」

に投資しようと言っている

・「構造的に強靭な企業®︎」の条件

①付加価値の高い産業

本当に世の中にとって必要か?

②圧倒的な競争優位性

高い参入障壁

③長期的な潮流

不可逆であると言えるもの

例えば「人口動態」など

「長期的な潮流」があっても

高い付加価値と高い参入障壁が

ないと長期に利益を獲得し続ける

ことはできません

・「閣下財政は悪化する」というのも

長期潮流の一つ民主主義国家で

ある以上、皆いつかは国家財政が

悪化します

・カーテル治療や内視鏡治療の

「低侵襲医療」は国家財政の面で

非常に有益、このように

「長生きしたい」「国家財政は悪化する」

という長期潮流を掛け合わせると

低侵襲医療が導き出されます

・「参入障壁」ここは絶対に外せない

大事なポイントです

経営力もありますが一番大事なのは

投資です「経営力=投資」と言った

方が良いでしょう

中央銀行通貨発行権という

巨大な権利を奪われたくないため

「リブラ」の反対の姿勢を取っている

世界の30億がリブラを使えば

世界の基軸通貨、米ドルの地位が

揺らぐ恐れがある

もしフェスブックが暗号通貨を

発行するところまで行きつけば

大きな参入障壁になる

・日本の家電メーカーの経営者が

参入障壁の重要さに気づいていれば

今ごろは、もっと違う戦い方ができた

・日本の人口がピークをつけたのが

2015年1億2709万人

2053年には9924万人

2100年には5971万人になります

・海外でも通用するような

参入障壁による強靭な構造に支えられた

企業であれば日本企業でも未来は

あります、では、そういう日本企業が

どのくらいあるか?

著者の実感だと3702社(2020年2月)

のうち200社あるかないかです

少なくともTOPIXのような市場全体

を買うようなインデックス投資

日本株に関していえば全く無意味です

・「長期」に定義があるわけではないが

企業会計の観点から言えば

「短期」は1年以内「中期」は1年

を越えて3〜5年まで「長期」は

5年以上で10〜20年まで

長期国債の償還までの期間が10年以上

政府債務の世界では10年が「長期」

・資金調達をする会社側からすれば

一般に企業が発行する債権には

5年とか10年とか返済年月があり

その利率も決まっている

返済義務も株式に比べて優先される

より安全であるけれど、企業が

どれだけ利益を拡大したとしても

アップサイドはない

株式は償還期限のない「永久債」

に投資するイメージ

参入障壁がある限りは保有し続け

参入障壁が無くなったと判断したら

その時が売るタイミングです

 


6時限目 ファンドマネージャー株式投資で成功するコツ

・その会社がどの程度の利益を

稼ぎ続けてくれるのか、という

将来の見通しこそが大事なのです

テクニカル分析も過去の値動きしか

見ていないので未来の株価を

分析することは絶対できない

チャートの使い方としては

ロスカットをしたり利益確定

するポイントとして認識する

ぐらいです

投資対象を選別する上で一番大事

なのは仮説を立てることです

様々な数値を用いて現状を確認しつつ

仮説を組み立てていくのです

会社訪問では相手が誰であっても

同じです、こちらからの質問は

「御社のビジネスは参入障壁があるのですか?」

「競争力を決める要因はなんですか?」

と聞く、一通り話を聞いたら

川上の会社と競合会社(A社)まで

出かけていき

「会社Aがどのような参入障壁を持って

いると考えられるのか」と聞いてきます

また利益率の推移や競合会社の

利益率の差といった材料を持って

行って、それを見ながら質問

すると相手もピンとくる

・仮説の立て方

米国イリノイ州ディア・アンド・カンパニー

は世界最大の農業機械メーカー

売上はクボタの2倍

利益率が高いところに目をつける

今後、人口増加に伴い食糧不足が

生じることになる、その課題を

解決できる会社は世界中の人々にとって

絶対必要な会社、つまり農業の

生産性を上げる技術が注目される

解決法として二つ考えられ

一つは種の改良、遺伝子組み換え

もう一つは農業機械を改造して

作業効率を上げ収穫を増やす

そうなった時に圧倒的に強い

と考えられるのがディア・アンド・カンパニー

であると考えます

次に競合となるアグコ・コーポレーション

CNHインダストリアル、クボタ

などの工場を見学させてもらい

経営者の話を聞く

ディア・アンド・カンパニーは

「精密農業」というどの間隔で種を

植えると収穫が一番良い状態になるか

AIで分析している、なぜ分析できるか

というと農地に関する膨大なデータが

インプットされていてGoogle

AIの分野で開発を頑張っても

最後の情報が集められなければ

何の役にも立たない

ディアは米国の大型農機の50%の

推定シェアを取っていて農地の50%

について様々なデータを集められる

カルフォルニア州パロアルトの

バリアンメディカルシステムは

癌の放射線治療機器を製造して

いる医療機器メーカーです

放射線治療器で世界シェア50%

・Informationは生の一次情報

Inteligenceは意思決定を下すため

に分析加工した情報

考えることの総量は流れている

情報の総量に反比例する

最近世の中の人の考え方が短絡的

になってきているのは膨大な情報

のおかげで自分の頭では何も考え

なくなってきている

・ホンモノのPERの使い方

まず一株当たり純利益が出し続けれるか

どうかが重要、それができない企業は

PERが低くても長期投資に向かない

PER=株価÷一株当たり純利益

倍率の逆数「株式益利回り」

の方が手触り感がある

一株当たり純利益÷株価

・世の中には利回りが確定している

証券がある、国債である

クーポン(利礼)を確定して発行する

証券で発行している国が債務不履行(デフォルト)

にならない限り確実に投資した金が

かえってくる

・PBRは計算根拠となる帳簿に

記載された金額で資産が売却

できるかという問題がある

特に土地などは注意である

はたして簿価のとうり売れるのか?

現実には全ての資産をBSに記載されている

金額で売れるケースはほとんどない

精算価値には根拠がない

・インターネットがない時代だと

単純に対象企業の時価と簿価の

差を収益化することができたかも

しれませんベンジャミン・グレアム

も、この手法で成功を収めた

しかし今や財務諸表は誰にでも

手軽にできるようになった

・2〜3年の時間があれば

2、3回決算が発表されるので

仮説の検証ができる

そこで大事なのは高くなったから

買わないのではなく

「高くても少しだけ買っておく」

どんなポジションを取る時も

外すときも強制的に分散して

複数回に分けることが後悔しない

コツです、相場が底をつけて

上昇局面に入り天井を打って

下落局面に移行して再び底を

つけるまでをワンサイクルと考える

・相対的に競争優位にある会社は

それが損なわれないのであれば

経済環境が悪くなって沈むのは

競合相手で、経済環境が正常化

した時は生き残った投資先は

さらに強くなっている

中長期的に倒産しないだけの

強い自己資本を持っている

負債が少ないということも

重要です(財務レバレッジが低い)

ちゃんと参入障壁を持っている会社は

経済環境が一時的なショックから

立ち直った時、利益も改善され

それに伴い株価も前回の高値を

抜いて上昇していく

・人間は長い歴史のうちで

ウイルスと常に戦ってきたが

これまで1勝9敗と人の負け

買ったのは1977年以来発病者が

出ていない天然痘とポリオぐらい

(「感染症の世界史」)

コロナウイルスは新型であるが

決して特殊なことではない

ことが分かります

倒産する企業は相当な数になる

新型コロナ自体を過小評価する

べきではありませんが

人間そのものの生活が長期的に

変わると過大視するのも危険です

保有株式売却の判断基準

①見立てが間違っていることに

投資した後で気づいた時

②より面白い投資機会が出てきた時

③株価がフェアバリュー対比で

上がりすぎた場合

④売却せざる得ない例では

他の企業に買収される時

・投資事例

①ユナイテッドテクノロジー

エレベーターで世界的信頼

信越工業化学

シリコンウエハース世界シェア33%

③ナイキ

マーケティングにかけられる費用が大きい

自分は一流だと思っている選手は

ナイキのエンドステートメント

受けたがる

レキットベンキーザー

「薬用石鹸ミューズ」

 


補講 資産形成で失敗しないために

・長期投資ができる仕組みを作る

まず自分のフローとストック

を見直すフローの中でどの程度

投資に回せるのか見えてくる

資産形成に回すお金は隔離します

毎月20万の手取りから2万を外し

18万で生活するなど

公的年金は破綻しません

そういう仕組みだからです

日本の公的年金は「賦課方式」

といって現役世代が保険料を払い

その保険料で高齢者が年金を

賄われる形になって

2065年には1.3人の現役世代で

一人の高齢者を支えることになる

株主優待目当てで投資するのは

完全に間違っています

結局のところ会社の価値を切り売り

してるだけにすぎない

身の丈以上の高配当を出す会社も同じ

できれば証券アナリスト試験の

1次を通る程度の知識を持っていた

方がいい

・債券の場合クーポンと額面は

切り離されており償還時に

その債権の発行体に何もなければ

(倒産など)額面元本が戻って

きます、株式の場合は配当が

支払われると株価は下がります

(配当落)

高配当企業の平均リターンは

市場平均より高いという研究結果も

あるが理論的にはアノマリー(例外)

として処理されます

アノマリーの代表例として

「小型株効果」「低PER効果」「1月効果」

などです

大事なことは「配当の原資をでもある

利益を出し続けられるほど強いのか」

ということに尽きます

・この30年間、日本株のインデックス

に投資し保有し続けていたとしても

全く利益が得られていないのです

S&P500は指数そのものが

アクティブファンドと考えられる

ことができます世界最大最強の

アクティブファンドマネージャー

であるとも言えます

アクティブファンドはコストが高い

と言われますが、そもそも本気で

銘柄を選びに行ってはいない

例えば日本株のアクティブファンドなら

銀行のように何の価値も生み出して

いないような業種は最初から

ポートフォリオから外すべきです

インデックスとほぼ同じ業種構成比率

ではアクティブとは言えない

・定期的に行われる報告会

などの機会を利用しできるだけ

ファンドの中身に何が入っているのか

理解するようにしましょう

セールスマンには

「あなたが勧める投資信託

あなた自身は買っていますか?」

と聞いてみる

・何を選ぼうと為替リスクは

常にある為替レートは通貨の交換

レートでしかない先進国同士なら

どちらか一方に大きく動くこと

にはならないと考える

・特定の国や地域が成長するから

株価が上がるというのも幻想です

一国の成長とその国に上場している

企業が生み出す利益は必ずしも

連動しません

アジアの成長を最も享受できる

企業は例えばディズニーです

「東京」「上海」「香港」に

テーマパークを運営していて

豊かになった人々が訪れるからです

テーマパークの運営でディズニー

を超えられる会社はないでしょう

国際分散投資ありきという考え方は

根本的に間違っているのです

 


おわりに

一つ言っておきたいことは

「楽して短期的に儲けようと思うな」

ということです

コツコツと投資することで

あなたの資産も長期投資の複利

効果を活用しながら時間の経過と共に

累乗的に増大していきます

長期投資とビジネスはまさに完璧な

相乗効果を発揮する美しい

組み合わせなのです

 


●本書から得られた新しい知識

村上世彰は小学校3年の時に

父親から大学までの小遣いとして

100万円渡された、大学を卒業する時

には、それを1億円にした

・昭和38年の100歳以上

男性20人、女性133人、計153人

総人口9615万人、100歳以上比率0.0001%

令和元年の100歳以上

男性8463人、女性62775人、計71238人

総人口1億2616万7000人、比率0.05%

・筆者の在籍していた京都大学には

長銀のコネクションがあった

日本長期信用銀行は経営破綻し

1998年に国有化された

・日本の1980年代GDP250兆6362億

2019年が539兆2282億1000万

同じ期間で米国GDPが10倍に

なったのに日本は僅か2倍

・日米のアンケートで、ある商品を

製造するのにかかったコストが50ドル

に対し、購入した顧客は追加的な1000ドル

の価値を享受できる場合

原価50ドルの商品をいくらに値段を

設定するか

欧米は「500ドル」日本は「10ドル」

・自動車の稼働率は5%

95%は駐車場に止められている

だからカーシェアリングが注目される

Facebookにはネットワークエフェクト

があるからそれが一番の参入障壁

・2018年にドイツのバイエルに

モンサントは買収された

・年齢別平均的金融資産保有額(中央値)

20代:220万(165万)

30代:640万(355万)

40代:880万(550万)

50代:1574万(1000万)

60代:2203万(1200万)

70代:1978万(1100万)

▼企業

ディア・アンド・カンパニ(大型農耕機器)

バリアン(放射線治療機器)

ソノバ(補聴器製造のトップ)

LVHM(モネ・ヘネシー・ルイヴィトン)

ユナイテッドテクノロジーズ(エレベータ)

信越工業化学(シリコンウエハース)

ナイキ(スポーツ用品)

レキットベンキンザー(ヘルスケア)

▼用語

・労働者1.0

–他人に働かされている

–「対応」する力

–自分の職場のみ

–自分の時間を売る

–投資しない

・労働者2.0

–自分で働いている

–「行動」する力

–自社全体、顧客、業界

–自分の才能を売る

–自己投資から長期投資へ

・資本家

–他人を働かせる

–「構想」する力

–社会全体、コミニティー

–他人の才能や時間を利用する

–長期投資

・ALM(Asset Liability Management)

企業が持っている資産と負債を

総合的に管理する財務戦略

オルタナティブ投資

代替投資」と訳されることが多く

伝統的投資(株・債券)など以外の投資

具体的には「プライベートエクイティー」

ヘッジファンド」「不動産」など

プライベートエクイティー:

未公開企業の株式に投資する

場合によっては経営上のアドバイス

をしたりする

世界的有名なファンドとして

「KKR」「カーライル」などがある

日本では「アドバンテージパートナーズ」

ユニゾン・キャピタル」などのファンド会社

ヘッジファンド

先物取引、オプションなど

ありとあらゆるモノを投資対象にして

リターンを目指す

農林中金

農林中央金庫のことで「農中」とも

呼ばれる農家の方を対象とした

貯金を取り扱い、様々な運用を行う

・ネットワークエフェクト:

使う人が増えるほど便益が増えて

ネットワークの価値が高まる効果

・利付債:あらかじめ利率と

償還までの期間が決められている

・HFT(高頻度取引):

非常に短い時間で大量の売買を

繰り返し利鞘を稼ぐ取引

 


●本書に出てくる格言

・私は投資家であるゆえにより良い

事業ができる

・私は投資した翌日から5年間は

市場が閉鎖されると想定して

投資判断をする

ウォーレン・バフェット

・株価は長期で見れば秤のようなものだ

・株式市場は短期的には人気投票の

場に過ぎないが、長期的に見れば

「価値」の計測機として機能する

ベンジャミン・グレアム

・今、君がバイトで得られるものは

1時間あたり1000円だろうが

その1時間を英検1級を取ることに

費やしクリアしたなら君のバイト料

は3倍以上に跳ね上がるよ

ー著者ー

真面目なる技術者の技能を

最高度に発揮せしめむべき

自由闊達にして愉快なる理想工場

の設立

井深大

 


●本書で得られた気づき

多くの日本企業は労働1.0時代の

発展途上国型のビジネスモデルから

抜け出ていない、したがって

長期的な利益を出し続ける期待感がない

ため短期売買が中心になる

 


●今までの自分の考えと違ったところ

 


●本書の内容で実行してみたい事

楽をしようとせず頭を使って

困難を切り抜けること

特に情報の量をほどほどに制限し

自分の頭で考える様にする

絶対に情報の発信側に操作され

ないと誓う

投資のアイデアも自分の頭で

考えることにこだわる