思考と読書【お金・健康・人間関係 編】

お金、健康、人間関係に関する本の書評と説明 ビジネス書や自己啓発が多くなると思います なるべく毎週投稿できるように頑張ります

■ChatGPT「超」勉強法 を読んで

 

ChatGPT「超」勉強法

ChatGPT「超」勉強法

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書名:ChatGPT「超」勉強法
著者:野口悠紀雄

●本書を読んだきっかけ
書店で平積みになっていたし
他の、稼ぐだの儲けるだの
書いてあるChatGPT本は内容が
薄かったので本書を買う
*ChatGPTの使い方はChatGPT
に聞くことができる

●読者の想定
ChatGPTで世の中の何が変わるのか?
といった疑問を抱えている人

●本書の説明
はじめに
ChatGPT時代にはどの様な勉強法
が必要になるのか?
本書の目的ははこの問いに答え
を与える。
ChatGPTが極めて有能なのは、
言葉の勉強、特に英語など外国語
の勉強。
・科目別ChatGPTの役割
【外国語】非常に得意、特に文書
を書くこと、人間の教師は必要
なくなるかも
【数学】独自のカリキュラム作成
人間の教師はどうしても必要
【国語】適切な表現を求める
人間の教師は必要
【社会科】正しい情報が得られれば
非常に有効
ハルネーションを克服できれば
人間の教師不要
【理科】正しい情報が得られれば
非常に有効
ハルネーションを克服できれば
実験など除いて人間教師不要
・ChatGPTは言葉(あるいは数字)
と言葉(あるいは数字)の関係と
とらえる。
数学的推論能力が低い基本的な
原因で「シンボル・グラウンディング問題」
と呼ばれる難問
・言葉は文化でもあので、外国語を
勉強する必要性はなくならない

第一部    理想的な家庭教師の登場
第1章    「超」勉強法が求めていた手段が出現
・「超」勉強法の原則の一つは
全体を捉えることによって部分を
理解すること、そして、そのために
できるだけ早く先に進むこと
「超」勉強法では、「数学の問題を
自分で考えて解くのではなく、解き方
を暗記して、様々な問題に当てはめる」
・AIに関する難問「フレーム問題」
問題解決のため必要な検討事項を
どの程度に設定するかという問題
・これまでの情報源は教科書にしても
参考書にしても、著者が読者に
伝えたいと思うこと。それが
読者の観点と一致している保証
はない。
・「情報のプッシュを受ける」とは
押し出されてくる情報を受け止める
こと、それを理解したり記憶したり
する。それに対して、自分が知りたい
情報を引き出すことを「情報をプルする」
・理科は自然科学、社会科は
人間が行っているものに関するもの
という違いはあるが、どちらも
様々な疑問を解明しようとしている
・初等・中等教育には、集団生活
を経験し、人格を形成していく
という重要な役割がある。
これはChatGPTにはできない。

第2章    ハルシネーションという大問題を克服する
・「ハルシネーション」
時々間違った答えを生成AIが出力
する現象
・9割近くの学生や親が、人間の
家庭教師よりもChatGPTのほうが
優れていると答えている。
大阪府の高齢者向け事業と
して提供しているChatGPTサービス
「大ちゃん」は
大阪万博は中止になってしもた」
と答えた。
独自のデータベースにAPI接続して
もなお、ハルシネーションを防げない
・ChatGPTは、他分野よりも
むしろ数学において間違える
事が多い。
・LLMは「エンコーダー」と「デコーダー」
からなる。エンコーダーは大量の
文献を学習し。様々な言葉や
概念をベクトルで表して。
言葉の意味を他の言葉との関係で
理解する。そしてデコーダーが
利用者の質問や要求に応じて
答えを作成する。その際、
エンコーダーが作ったデータを
用いて、ある意味の次に来る言葉
の確立を計算している。
・「シンボル・グラウンディング問題」
人間やAIがシンボル(言葉・数字・画像)
を実世界の具体的な対象や概念に
どのように結び付けているかという
問題である。
人間は生まれた時から様々な実体験
を通じて言葉や概念の意味を理解
している。ところが、AIは身体
を持たないため、このような
理解をすることができない。
AI理解とは言葉と言葉の関係を
理解するというものである。
・人間の理解は実体験に基づく
ものであり、身体的な感覚を
通じて理解しているものだと
いう事実を勉強法に活用する。
・曖昧な事や忘れたことの確認に用いる
ハルシネーションがあることを
前提にした安全な使い方。
ある程度知っていることについて
曖昧な部分を確認する。
・間違っても問題が生じない用途
に使う。
・得た情報を書籍やウェブ記事など
で確認する。
ChatGPTの答えに間違いがないか
ChatGPTが教えてくれた言葉を
検索語として検索してみる。
・事前に何の情報も与えずに質問
することを
「ゼロ・ショットプロンプティング」
という。
ハルシネーションは
「フューショット・プロンプティング」
である程度改善される
・自分の考えや理解を文章にし
それをChatGPTに見せて
「この理解は正しいか?」と質問
することができる。
自分の理解を書き、それを確かめて
もらうという方法は非常に有効
・LLM「エンコーダー
事前学習で大量の文書をよみ
それによって様々な言葉の意味や
事実や関係を理解している
・ChatGPTのプラグイン【著者使用】
①Wolfram
②WebPilot
③LinkReader

第3章    ChatGPTは知りたいことに辿り着くためのガイド
・名前がわからない対象を検索
するにはどうすればよいか
「八艘飛び検索法」、これは
何か一つのきっかけを掴み
そこを出発点として共通集合を
つぎつぎに渡り歩くことにより
目的の名前が入っている集合を
見出そうというもの
・検索語を教えてくれるという意味で
ChatGPTは非常に大きな役割を果たす
勉強する人が自分の知りたいことを
プルするのが容易になる
・日本の書籍は索引がないものが
多い
・ChatGPTでは質問が必要
質問しなければ何も答えてくれない
どのような質問ができるかは
その人がどの程度の知識を持って
いるかによる。
より多くの知識を持っている人が
ChatGPTからより多くの答えを
引き出すことができる。
対話からどれだけの成果が得られる
かは人によって異なる。
ChatGPTにおいては、その差が
非常に大きくなる、良い質問
をするために勉強することは
これまでより増した。
・質問力が最も重要
勉強の成果を決めるの質問する
力である。

第二部    ChatGPTで勉強力が大躍進
第4章    外国語の勉強が根底から変わる
・外国語においてハルシネーション
が全くないわけではないが
ほとんどない、著者の使った
限りでは、これまでなかった
・企業がマーケティングにChatGPT
を使う場合は企業のデータシステム
をそれに合わせて構築しなおす。
・外国語の勉強は依然として
必要だが、人間の教師は不要
になる。
・具体的な対話のやり方
①丸暗記に使う文章をChatGPT
に教えてもらう
②英文の翻訳や要約をしてもらい
それによって意味を捉えてから
英文を丸暗記する。
③自分の専門分野について英語で
文章を書きそれをChatGPTに
直してもらい、より適切な表現を
教えてもらう。
・単語の意味を、個々の単語ごとに
記憶しようとするのではなく、
一つの文書の中で捉えよ、そのため
文章を丸暗記する。
ChatGPTが使えるようになっても
丸暗記法の有用性が高まった。
・全体を把握してから英文を読む
意味が分かっている英文を読む
のである。
・どこが主要な部分か、われわれは
日本語の文章を読むとき無意識に
そうした読み方をしている。
・「分解法だから英語が上達しない」
単語の意味を単語帳で覚え
それを組み立てていくという方法
では、言葉は上達しない。
・日本人のなかには英語を聞く
練習を忘れて、ただ
「英語を流暢に話したい」と
考えている人が多い。
・Theの使い方が難しいのは
明確なルールがないから。
・「eのx乗は何というのか」
ということさえ学校では教えていない
*e to the power of x
・オンライン英会話でフィリピンの
若い人たちといくらおしゃべり
したところで、仕事に役立つ
英語を学ぶことなどできない。
・草を刈るのをmowと表現できる
日本人は滅多にいない。
・世界人材ランキング
日本は世界64ヵ国中43位
上級管理職の国際経験
最下位の64位
語学力は60位
*スイスビジネススクールIMD調
・英語能力ランキングEF EPI
2023年、日本は113か国中87位
アジア23ヵ国中15位
・著者のアンケートでChatGPTの利用法
「外国文献の翻訳と要約」が多い
・外国語を勉強する必要性
①人間同士の直接のコミニケーション
が望ましい
②文化的多様性の維持
・ChatGPTに翻訳させても
その文章が本当に適切なものか
どうかの判断は人間が行う必要が
ある、不適切なら人間が修正
する必要がある。
・ChatGPTが外国語を勉強する
必要性を減少させることは否定
できないが、
「ChatGPTがあるから、それを
使って外国語を勉強しよう」
と人々が考えるようになる事を
望む。
・とくにジョークについては
字幕では理解できない。
・勉強そのものに意味がある
勉強は、何らかの手段として
必要というだけでなく、勉強
すること自体が楽しく、意味が
あることだ、人間が外国語を
理解し、使える必要性が低下
したとしても、なおかつ外国語
を勉強することが望ましい。
言葉は文化であり、異質な文化
を知るには、その国の言葉を
知る必要がある。

第5章    ChatGPTは国語の勉強の強力な助け
・文書を読んでその内容を理解する
これに関してChatGPTが直接に寄与
するところは少ない。
・表現したいことの内容は頭の中
にあるのだが、それをどのように
表現したらいいのかわからない。
英語には「類語辞書」が昔から
あった。有名な物に「ロジェ」が
ある、日本語にもあるが「ロジェ」
に匹敵する水準のものはない。
・語彙不足の人はChatGPTに
助けてもらうことができる。
・商品名なども、日常的な
感覚にグラウンディングしている
と意味が分かる。
・このような表現をしたいのだが
この例として何か適切なものは
ないか?と、ChatGPTに聞いてみる
・敬語の使い方が大変重要になった
相手は敬語の使い方によって
送信者の一般的な能力を判断する
ことになる。またその人が
属している組織全体が評価を受ける
・謙譲語と尊敬語を混同して
いる人が多い。
「敬語の指針」はかなり詳しい
指針で、敬語を用いる場合の
参考になる。
ChatGPTにこの報告書に沿った
形で答えてほしいと頼むこと
ができる。
・ChatGPTが書く日本語の文章は
あまり質が高くない。
・英語の場合は形容詞の付け方
に関して一定の順序がある。
①数量・数
②品質意見
③サイズ
④形・年齢
⑤色
⑥国籍・出身地
⑦材料
⑧目的・用途
この順序はネイティブスピーカーに
とっては直感的である。
・口語体から文語体に変換を
ChatGPTに頼むとかなり良好な
結果を出す。
ChatGPTは「文語体」を「古文の文章」
と解釈する。
・ChatGPTは「逆は必ずしも真ならず」
は理解して正しく推論する
・逆命題と対偶命題を混同
命題A「語彙が豊富な人は大量の読書
をした人である」
この命題Aが正しいものとして
つぎの命題Bは正しいか?
命題B「大量の読書をしていない人は
語彙がとぼしい」
ChatGPTは対偶問題を逆命題と捉えた
・文語体と口語体の変換は
日本語に特有のものであり
厄介な問題だ。
ChatGPTはこれを自動的に処理できる
初めての手段となった、しかし
動作は完全ではない。

第6章    ChatGPTは数学に弱い
・ChatGPTの数学の能力はかなり
低い、計算でも、証明でも
定理の応用でも頻繁に間違える
数学的推論だけでなく、形式理論
も間違える。
ピタゴラスの定理の証明で
間違えるのは生成AIの基本的
なメカニズムによるもの
(確率判断による出力生成)
・数学の法則は、仮に原理を
理解できなくても受け入れて
暗記し、練習問題を解く方が
よい。(数学は暗記だ)
・ChatGPTに「線形代数はどのような
使い途があるのですか」と
聞いてみる。
・大規模言語のモデルの論文を
読めばベクトルという概念と
その演算が必ず出てくる
これらを理解できなければ、
大規模言語モデルの仕組みを
理解することはできない。
・英語も数学も国語も
何かのための道具として使う
という側面が強い。
それを勉強するとどのような
効用があるのか知ることが重要
統計学は多くの人が学生時代に
十分勉強していない、ところが
実務につくと重要になる事がある。
・ChatGPTに質問し数学のある
分野を勉強することが、どんな
意味を持っているのか知る
事ができる。また、目的水準
に達するためにはどの程度の
勉強が必要か、今勉強している
のがどの段階であるかを認識し
より高度の学習と関連付けて
理解することなどに利用できる。

第7章    世界は不思議で一杯
興味が尽きない歴史と物理の勉強
・歴史上の特定のテーマについて
ChatGPTに聞きながら物語を
組み立てていくと楽しくて
やみつきになってしまう。
・ChatGPTが出す数字は、まず
信用できない
途中の理論を間違えて、最後だけ
所定の結論にするということを
よくやる。
・条件が変化した場合にどのような
事がおきるか「推論」
キャリートレードについて
ChatGPTはまったくデタラメな
結論を出した。
・ChatGPTの理解は表面的な
ものにすぎない。
・検索語が明らかな場合には
ChatGPTの優位性は低い、
こうした場合、最初から検索
するほうがよい。
・方角についてはシンボルグラウンディング
によって自分の経験と結び付け
るのではなく、地図を頭の中に
思い浮かべ抽象的な概念として
西とか東というように理解すべき
である。
・科学を進歩させた原動力は
日常体験を離れた発想から
生まれていたことがわかる。
虚数の導入は数学を大きく
発展させた、数学のみならず
物理学、工学、その他の科学
においても理論的な洞察と
実用的な応用を大きく進展
させた。
ガリレオニュートン
実体験に縛られた考えから
抜け出したために物理学を
発展させた。
・AIはシンボル・グラウンディング
ができないために普通の人間とは
異なる形での創造ができる。
・「マテリアルズ・インフォマティックス(MI)」
AIによって無限ともいえる
パタンの組み合わせを試み、
それらに偶然の変化を与え
その中で有望なものをピックアップ
するという方法。
・面白いと感じたり、驚きや
感動などの感情を持っていたり
しなければ、小説は書けない。
・AIは実体験によって物事を
理解していない。
芸術分野での創造能力は
限定的だ。

第三部    教育制度に突き付けられた大問題
第8章    ChatGPTは教育制度の基本を変える
・学ぶべき本当に重要なことが
何であるかは教師が教えることだ。
どの科目においても
「何をどのように学ぶか」という
カリキュラムは教師が作る
必要がある。
・使い方そのものをChatGPTに
教えてもらうことができる
ChatGPTの使い方を教えるのは
教師の役割だ。
・楽だからという理由でChatGPT
を使う学生は確実にいる
そしてAIが生成したエッセイや
小説を自分のものとして提出
するだろう。
・ChatGPTの助けを借りることで
簡単に解決できる問題を出す
こと自体が間違っている。
・学生時代に最も力を入れた
ことは1にも3にも「勉強」
でしかありえない。
大学は専門的な知識を学ぶ場
である。
・日本は大学は入学出来たら
卒業できるところだと考え
られている。
・統計的なデータを用いて
問題を考えるという態度が
求められている。

第9章    生成AIが知の独占を破壊する
ー大学は生き延びられるか?
・「トランスフォーマー」という
LLMの原理の論文が公開されていて
そのアイデアを用いてLLMを
作る際に特許料を支払う必要
はない。OpenAIはそれを行って
成功した。
・ギルドの本質は、知識を一部
のメンバーだけで独占し、
それによって独占的な収益を
確保することだった。
・百科事典の登場は「百科全書」
知りたいことを直接に知ること
を可能にした。大きな革新だった
・大学の存在意義
①基礎研究
②学生の成績の評価
・ChatGPTは専門家が果たしている
仕事を代替し専門家の育成も
受け持つことにより、知の
ギルドの崩壊をさらに進める。

第10章    社会生活の訓練が学校の最終的役割
・社会的な共同生活を行う
訓練の場として、学校は重要な
役割を果たしている。
・学校が果たす役割
①異なる背景や価値観を持つ
生徒たちの交流の場
コミニケーションや協調性を
養う
②社会の基本的な価値観や
倫理観、そして公共の福祉
に対する意識を養う
③異なる文化や背景をもつ
生徒との交流を通じて多様性
を尊重する態度をはぐくむ
④自分自身の興味や能力を
理解し、それを表現する方法
を学ぶ。
⑤学校のルールや規範を守る
ことによって社会全体のルール
や規範に従うことの重要性を理解
パブリックスクールには
イートン、ハロウ、ウィンチェスター
ラグビーなどが有名
アメリカには「プレップスクール
という学校がある
・一緒に勉強するという過程は
人間社会でどうしても必要な
ことである。
・何歳になっても挑戦が可能だ
・学齢期を過ぎたあとも勉強が必要
リカレント教育」と呼ばれていた
最近では「リスキング」(時代に
即したスキルを身に付ける事)と
いう言葉が頻繁に使われる。
・自分が本当にやりたいことは何か?
まず、勉強のテーマを決める
方向性をはっきりと決めること
が重要である。
この勉強をすれば収入は?
というような事を考えるかも
こうした考慮は必要だが、
それより自分が本当にやりたいと
思うことをはっきりさせること
のほうがもっと大事だ。
そうでなければリスキリング
の意味がない。

●本書から得られた新しい知識
・実際の金利が自然利子率より
高ければ、金融政策が経済に
抑圧的に動いていることを意味する
逆に、低い場合は経済を加熱させる
危険がある。
・検索語が明らかな場合には
ChatGPTの優位性は低い、
こうした場合、最初から検索
するほうがよい。
・時計についてはデジタル型は
あまり普及しなかった。
ガクチカ
学生時代に最も力を入れたこと
エントリーシート
SONYが1991年に初めて導入

●本書に出てくる格言
College is a place a professor's
notes go straight to the
students'lecturenote,
without passing through the 
brains of either.
ーマークトゥウェインー

●本書で得られた気づき
・学ぶべき本当に重要なことが
何であるかは教師が教えることだ。
どの科目においても
「何をどのように学ぶか」という
カリキュラムは教師が作る
必要がある。

●今までの自分の考えと違ったところ

●本書の内容で実行してみたい事
リスキリングとして自分は
AI機械学習を再学習しようと
思う、本書はきっかけを
後押ししてくれたと思う。

 

ChatGPT「超」勉強法

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