思考と読書【お金・健康・人間関係 編】

お金、健康、人間関係に関する本の書評と説明 ビジネス書や自己啓発が多くなると思います なるべく毎週投稿できるように頑張ります

■システムトレード&スプレッド投資法 を読んで

 

 

書名:システムトレード&スプレッド投資法

著者:津島朋憲

 

●本書を読んだきっかけ

久しぶりにオプション取引

実施するにあたって、解説本

を探していたところ近所の図書館で

 

●読者の想定

オプション取引中級者向け

用語の解説はあるけれども

初心者だと分かりにくいかも

しれない。

それから本書は2010年4月ごろ

書かれたもので改訂とかは

されていないため、自分で再度

検証が必要だと思う。

 

●本書の説明

まえがき

私の主戦場は日経225オプション取引

です。

多くの方が真似できることだけを書いた

つもりです。

 

第1章 あなたの日経225に対する投資

リスクは適正ですか?

・経験の蓄積こそがトレーダーを成長

させる

システムトレードの最大の利点は

リスク管理」である。

・トレード一回のリスクは2%以内

に収める

・無限リスクのあるスプレッドでは

撤退ラインを決める。

 

第2章 オプション取引とシステム

トレードの基本

・証拠金は口座残高の30〜50%まで

・スプレッドの組み方で証拠金変動は

激減する。

・ショート・ストラングルは初心者には

お勧めできない

・OTMのオプションは権利確定日に

向かう最後の20〜40日程度の

期間に急激に価格を下げる、なので

20〜40日の中期で見て原資産の

価格トレンドを計測する

・20〜60日程度のトレンドを

ストレートに計測してそのトレンドに

乗っていく「順張り」の方が、シグナル

の発見も容易く自然な投資行動

・カプランのリスクリターンレシオは

1:4以上で仕掛けるべきだと述べて

いる。

リターンが40万なら10万までの

コストで仕掛ける。

・寄付きは比較的高く、大引け

比較的安いというオプションの性質

を使えば、優位性をさらに有利にする

ことができる。

 

第3章 「システムトレード」でトレンド

や値動きを計測する

プロフィットファクター(PF)

システムの獲得した純利益(利益の合計)

÷システムの失った総損失の絶対値

・ピボットは前日の株価から当日の

「サポート」と呼ばれる支持水準と

レジスタンス」という抵抗水準を

予測する、一般的に短期向け指標と

言われている。

ピボット=

(前日高値+前日安値+前日終値)÷3

本書では20日間で計算

ピボット=

20日間最安値+20日間最高値+終値)÷3

上限(S1)=ピボット×2ー20日間最安値

下限(B1)=ピボット×2ー20日間最高値

・IVは「市場がつけた価格からオプション

の論理価格モデルを使って逆算した、

市場が感じている未来の変動率の予測」

・10日と50日のHVを計算し

デッドクロスで「売り」といった

手法もある。

・GSVシグナル(R・ウイリアムズ)

陽線引けで終わった日数分の安値から

始値を引いたものの平均値を取り

「今日の寄り付きからがこの平均値の

数倍を超えて下げたら売り」

・11日前の終値が今日の終値よりも

高いとき今日を含まない過去4日間

における真の値幅(高安値幅)の

単純平均を計算。

この数値を3倍して今日の始値

足したものが今日の高値より安い

とき、つまり今日の方が大きく

動いているときに、明日の始値

今日の高値より高ければ「売り」

先物で考える場合は4日程度で

決済してしまった方がいい

システムトレード現象学とは

いえ科学です。こうした一定の

再現性がある実証科学では、

少なくとも信仰よりも統計を信頼

するのが当たり前。

・騰落レシオ平均線

その日の株取引で上がった銘柄と

下がった銘柄の比率から求められます

この騰落レシオを20日間で平均して

さらにこの15日と30日の移動平均線

を計算し、この2本からゴールデンクロス

デッドクロスを観測。

ゴールデンクロスなら買い

デッドクロスなら売り

ADXを使えがゴールデンクロスにも

意味がある。

・オリジナル指標「イレブン」

①昨日の安値より今日の終値の方が安い

②昨日の時点で真の値幅の3日平均よりも

今日の値幅の方が小さい

③3日のストキャスティクスが10%以下

④翌日の寄付きが今日の高値より安い

以上の条件を満たしたとき

今日の高値を超えたところで「買い」

①昨日の高値より今日の終値の方が高い

②昨日の時点での真の値幅の3日平均

よりも、今日の値幅の方が小さい

③3日のストキャスティクスが90%以上

④翌日の寄付きが今日の安値より高い

以上の条件を満たしたとき

今日の安値を超えたところで「売り」

・SQ近くになると急に原資価格が

極端に動いて、OTMだったオプションが

急にITMに入るような事もある

 

第4章 シグナル開発の実際

・寄り付きで売り大引けで買い戻し

寄り付きで買って大引けで売る

のでは売り方(最初)の方に

わずかな分がある。

・オーバーナイトは買い優勢

であることが分かっている

「基本的には夜間は上昇する傾向が

あるが、ある日が陽線日の夜は別」

・日中に陰線を引いた時こそ

(そういう日が多い)夜間に反転上昇

しやすい傾向がある。

・市場が開いている時間の価格変動は

市場が閉じている時間の価格変動より

はるかに大きい。

全体としては1時間あたり2.4倍ぐらい

の価格変動量があったと記憶している

・パラメーターの数が少ないほど

安定した成績を出せる。

・シグナル開発そのものより

実際の運用で使うシグナルの

組み合わせを設計する方がずっと

難しい。

・著者はパラメータの少なさと

トレード回数の多い方を採用

⭐️リスク管理

・2日続けて陽線だった時

翌日の寄り付きで売り、大引け

買い戻す

トレード回数:530

平均利益:0.13%

偏差:1.04

維持日数:1

勝率:53.8%

プロフィットファクター:1.42

上記のトレードの場合

0.13%ー0.02%(手数料)=0.11%

10000円×0.11%×1000倍=11000円

530回÷127ヶ月(検証期間)=4.17回(月)

11000円×4.17回=約46000円

46000円×12ヶ月=約55万円

①各シグナルの標準偏差から

トレードの損益結果の分布を

予想して、全体の98%のトレード

の損失が資金の2%以内に収まる

ようなリスク管理をする

②各シグナルごとの過去の最大

ドローダウンを算出し、その

ドローダウンを受けても資金の

20%までしか損失しないようにする

リスク管理

リスク管理は利益側は扱わないため

マイナス側のー1.95より外の損失が

トレード全体の2.28%(100%ー95.44%)

530回×2.28%=12.08回になるはず

実際は−1.95%を超える負け12回

+2.21%を超える勝ちトレードは20回

このトレードは正規分布より

プラス側に偏っていることがわかる

・安定した利益を稼ぐのであれば

複雑で脆弱なシグナルを開発追求

するのではなく複数のシグナル、

複数の時間枠、複数の市場、

複数の銘柄に分散して行う方が自然

・トレーその損失は資金の2%以内

に収める。

・単純なシステムほど最適化を

許さず信頼性が高い。

標準偏差からトレードの損失結果の

分布を予測して全体の約98%の

トレードが資金の2%以内に収まる

ようなリスク管理をする

・最大のドローダウンを受けても

資金の20%以内に収める

・検証結果から投資成績を計算

採用するシグナルを決定

 

第5章 自分でリスクを調整できる

オプションの「スプレッド」活用法

・レシオ・スプレッド

初心者にお勧め、あるオプションを

買うと同時に同限月のオプションを

売る、レシオは「比率」を意味する

利益を上げるためには買い1に対し

2枚以上を売る必要がある

近い限月でレシオ・スプレッドを

作ろうとすると1:3、1:4に

なってしまう

・練習するときはレシオ・コール

スプレッドから始める。

著者はレシオ・プット・スプレッド

を、もう組んでいない。

・応用レシオ・スプレッド

売り2枚に対して買い1枚は

レシオスプレッドと同じであるが

売る方の権利行使価格を変える

1枚は、もう少し外側を売る

コールオプションの場合ATMの

価格に近い方が価格の上昇幅は

大きくなる。

・プット側の応用レシオスプレッドは

レシオスプレッド共にお勧めできない

・一般的に想定最大利益の8割程度

利食いできている場合は決済して

しまうことが推奨されている

・クレジット・スプレッド

支払側をメインとしたスプレッド

買いポジションは売りのリスクを

抑えるために建てる。

クレジット・スプレッドは早めの

損切りを心掛ける。

・想定利益に到達したり、ある程度

納得いく利益が生まれたら、SQ日を

待たずにそこで決済してしまう方が

良いタイプのスプレッド。

・デビット・スプレッド

日経平均に近い方を買い、遠い方を

売るのが鉄則。売りと買いは1:1

デビッド・コール・スプレッドは

コールのデビットスプレッド

・上昇下降トレンドに沿って

仕掛けなければ利益は生まれない

カプランはITMのスプレッドを

勧めているが著者は勧めない

(日経225オプションで)

・デビッド・スプレッドは売りと

買いを1枚づつ同時に行っているので

リスクが相殺され、証拠金が

かからない。

・デビッドスプレッドに追加で

売りを追加することで追加利益

を得る事もできる。

・カバード・プット、カバード・コール

先物を買ったときはコールを売り

先物を売った時はプットを売る

日経平均が上昇トレンドの時は

カバード・コール

日経平均が下降トレンドの時は

カバード・プット

日経平均そのものが急騰急落した

直後で、IVが高騰していたりする

ときなど、相場が荒れている時に

組みやすいスプレッド。

・急激に日経平均が下がった時に

保険としてプットを買うという

選択肢もある

・時間差でオプションのカバーを

かけるのは先物で利益が出ている

時になる。

先物で損失になっているときは

このスプレッドは推奨できない

先物+売り+買いヘッジ

先物買い+プット買い+コール売り

の組み合わせなど

利益がプラスになる範囲は

マイナスになる範囲より広くなる

・デビッド・スプレッドはSQまで

待ったところで最大の利益を生む

・合成先物ポジション

反対の立場にあるオプションを

同枚数ずつ組み合わせる方法

お互いのセータを相殺し合うことに

よって先物1枚を売ったことと

似たような意味合いを持つ

・フリートレードは上手くいかない

必要なのが日経平均の急落で

場合が多い、700円近く日経が

押し目を作らないとできない

経験上、数日から1週間ぐらいの

スパンで日経平均が大幅な下落を

見せた時に運良くプットオプション

買いをしていた場合に限られる。

・デビッドスプレッドから

応用スプレッドへの移行

・実質的価値がないプットを

新たに買いたい人は多くなく

買わざるを得ない人が買っている

から価格が急騰する。

日経平均が急落しているときは

コールのIVも一緒にインフレを

起こす。その後に価格が回復

しない場合は、レシオコール系

のスプレッドは仕掛けどき。

・時間差で生成するスプレッドでは

すでに利益が出ている先物

ポジションを背景にしてであれ、

IVが高騰しているであろうプット

を新たに売ることができるから

かなりの利得である

 

第6章 シグナルとオプションの実践例

システムトレードに最も影響

するのは「運用者の性格」

・10日後のSQに向けてどう買う

ピボット価格で上限、下限の

ブレイクアウトポイントを

ブレイクした時に時間差で先物

オプションスプレッドを仕掛ける

方法がある。

「(P、C)単純買い」

「片側ITMでのITMデビットスプレッド」

「完全なOTMでのデビッドスプレッド」

裁量トレーダーなら勘に頼る

ITMデビッドスプレッドは3つの

選択肢で最もデルタが大きく

価格変動そのものの影響を受けやすい

ITMのオプションでは、ATMから

数本ITMに入るとδ1.0をわずかに

下回る数字になり先物とほとんど

動きが変わらなくなる。

・オプションのIVとその後の

価格変動にはほとんど相関がない

・ITMデビッドスプレッドから

レシオスプレッドに組み替える

事もできる。

システムトレードなら20日

30日後などとパラメーターを

変えて当てはめればその後どう

動くかを大まかに把握できるため

レシオの組み直しの参考にできる

・SQ近くならOTMデビッドスプレッド

は少ない資金で組める。

・積極的な仕掛けは、単純買い

ITMデビッド・スプレッド

OTMデビッド・スプレッドの3つ

・著者はトレンドフォローで

コールの片側しかネイキッド売り

をやらないことにしている。

・ショートストラドル、ショート

ストラングルは「リスクの把握、

基本的に売り増しのみによる

ポジション組み直し技術、大資金」

の三拍子揃っているプロ向け手法

・5月のSQはGW明けに来るので

営業日が少なく持ち堪えやすい

・裸売りはトレンド確認されてから

日経平均、プレミアム両方に損切り

ラインを予定する

日経平均の急落は命取りになるので

プット売りは注意する

・自由にスプレッドを組むには

300万円の資金は欲しい

・損失があるなら一旦心を決め

そこで決済し改めて別の仕掛け

どころを探すのが賢明な選択。

損切りしない理由があるとすれば

「新しくスプレッドやポジションを

組む積極的理由があるとき」に

限られる。

・短期シグナルについてはセータ

下落分と一緒に利益を狙い

長期はあくまでも価格変動から

だけ利益を狙う形にする。

日経平均オプションは基本的に

プットの方がコールよりIVは高い

先物損益のサポートとして

合成ポジションは有効

先物に受取型の「掛け捨て保険」が

かけられる

・大儲け後のドテン売買は

ビギナーズラックの後で一気に

破産に至る代表例。

・500円幅のデビッドスプレッド

を紹介してきたが250円幅だと

大利益にないそうだと感じられる

時は250円幅にすればよい

・仕掛けを複雑にしすぎると

損切りのタイミングを逃しやすい

ので要注意

・オプションの買いトレードは

損する時は小さく利益を得る時は

大きく得られるという特徴がある

・価格が思惑と逆の方向に動いた

時は価格の反応そのものが鈍く

なっているので値動きを原因とする

損失が少なくなる。

・短期シグナルによるスプレッド

生成はSQ日近くや時間差で使える

・短期シグナルの売買サインに

よって時間差で生成するデビッド

スプレッドは、まず買いから入る

のが鉄則

・オプション用短期システム開発

主眼はPFではなく勝率に向けられる

勝算があればオプション買いを

実行してみる価値はある。

単純買いはポジション維持期間が

伸びるとセータによる値落ちで

かなりのマイナスを食らう。

・RSIは数日程度の短期での利用

を前提に仕掛ける

・オプション短期トレードはセータ

の影響を受けづらい

・検証結果によっては連続のシグナル

で決済を延長する。

・プットに価値が出たとしても

実際に売ろうとして売れない場合

があある。というのもITMに

入っているオプションは、それ自体

の取引がかなり少なくなってしまう

買い手がないため、売ろうとしても

思い通りに捌けない。

 

第7章 オプショントレードでのリスク

の取り方

・デビッドスプレッドがSQ日に

ITMに入っていなければ、ただの

マイナストレードの量産になる

・価格が逆行した時は、レシオ化を

考えデビッドスプレッドを切らない

方法もあるため著者は簡単には

切らない。

ショートストラングルの組み方

を実践的に書いた日本語の本を

見たことがない、結局、多くの人

にとって「絵に描いた餅」

・IV60オーバーは株式を持っている

トレーダーが「掛け捨て保険」で

プットを買っていることから

生じていると予想される。

・IVは金曜日の午後になると

朝から夕方にかけて下がっていく

というのも金曜日に市場が終わる

と土日を挟むため

・スプレッドを組むときは

朝に売りから入るのが得策

普通は場が開いた時にIVが高く

30分〜1時間ぐらいかけて

落ちていく。

・統計的に株価指数は金曜日に

陰線を引くことが多い傾向がある

日本だけでなくアメリカも同じ

日経平均が2000〜3,000円

も一気に下げることはあまりない

が、昨年も一昨年も当たって

しまった。

日経平均の動きに対して

経過損益の変化が緩いデビッド

スプレッドの場合でも、少なく

とも最大損失を念頭に置きながら

決済かレシオ化かを検討する

・最初から決済をするボーダ

ラインをノートに書き記して

おいた方がいい

損切りポイントは「最大損失」と

「評価損失」の兼ね合い

損切りパターンは2つ程度用意

しておく。

・トレード計画を公表し損切り

を決断せざるを得ない状況を

つくるのも手

 

最後に

・戦略計画性こそがシステムトレード

の最大の利点なのです

 

●本書から得られた新しい知識

・投資家ラリー・ウイリアムズは

売買システムを色々開発したが

本人はシステムトレーダーでは

ないと言い切っている。

 

▼トレード凡例(PF)

MACDADXフィルター

DI(14)、ADX(14)、短期線(12)

長期線(26)、MACD(10)

10日後決済

トレード回数:41

平均利益:1.99%

偏差:5.71

維持日数:10

勝率:63.4%

プロフィットファクター:3.08

・ピボット20期間S1、B1を

ブレイクしたら翌日の寄り付きで

エントリー40日後の寄り付き決済

40日後決済

トレード回数:21

平均利益:2.81%

偏差:10.19

維持日数:40

勝率:66.7%

プロフィットファクター:2.11

・10日RSIが80以上で売り20以下

で買い翌日始値でエントリー

2日後寄り付き決済

トレード回数:40

平均利益:0.64%

偏差:3.36

維持日数:2

勝率:52.5%

プロフィットファクター:2.11

・2日続けて陽線だった時

翌日の寄り付きで売り、大引け

買い戻す

トレード回数:530

平均利益:0.13%

偏差:1.04

維持日数:1

勝率:53.8%

プロフィットファクター:1.42

 

●本書に出てくる格言

騰げは売り方が、下げは買い方がつくる

ー相場の格言ー

 

●本書で得られた気づき

・ITMのオプションはうまく

捌けない場合がある。

・ショートストラドルや

ショートストラングル

実践的な手法を書いた日本語

書籍はないため「絵に描いた餅」

 

●今までの自分の考えと違ったところ

 

●本書の内容で実行してみたい事

本書の内容はアイデアとして

実際にプログラミングで検証

してみたいと思う。