思考と読書【お金・健康・人間関係 編】

お金、健康、人間関係に関する本の書評と説明 ビジネス書や自己啓発が多くなると思います なるべく毎週投稿できるように頑張ります

■カバード・コールを読んで

 

週末投資家のためのカバード・コール (Modern Alchemists Series)

週末投資家のためのカバード・コール (Modern Alchemists Series)

 

  

書名:カバード・コール

著者:KAPPA

 


●本書を読んだきっかけ

ズバリ知りたい事である

「カバード・コール」が

タイトルになっていたから

 


●読者の想定

株価の予測、業績の予測は不可能

なことがわかっている人

毎日の株価の動きに一喜一憂したくない人

できるだけ毎月、プラスのキャッシュフロー

を得たい人

より低いリスクでより高いリターンを

得たい人

 


●本書の説明

株式投資において最も重要なことは

自分を「特別な人」思うことではなく

「愚衆の一人」に過ぎないという事を

自覚することである、本書を読み

バードコールの良さが理解できたら

まずは米国の証券口座に口座を開いて

バードコールを始めてみましょう


第1章オプションの概要

米国には証券オプションと先物オプション

の2つがあり、証券オプション取引所には

CBOE、ISE、NYSENASDAQなどがあり

先物オプション取引所にはCME、ICEがある

証券オプションには

①株式オプション

ETFオプション

③指数オプション

などがある


第2章オプションの基礎

高度に情報化された現代はミスプライス

により利益を得ることは困難

コールの売り手が権利を行使されると

株式を保有していれば強制的に

売られ、保有してなければショート

ポジションを保有する事になる

プットの売り手は権利行使されると

売る権利を買った相手に応じて

株を買う義務が生じる

アメリカのオプションの満期日は

毎月第3金曜日である

満期日までは時間価値があり

ATMのオプションが最大となる

実際の取引では

差金決済・反対売買73.1%

権利行使・義務履行6.8%

権利放棄20.1%

ITMは流動性が低くoffer(売値)と

bid(買値)の差が開きがち

理論的に株価から権利行使価格

を引いた値にならない場合は

転売をやめすぐに権利行使した方が

得をする場合がある

それ以外に配当や金利の面も感がえ

権利行使するかどうかを考える

ATMの方がOTMよりITMになる

確率が高い事から時間価値は

最大になる

将来値上がりするかもしれない

という期待に対してプレミアムを

支払う

プレミアム=本質的価値+時間価値

重要)時間価値はATMが最大

・オプションの理論価格は将来の

ボラティリティをどう推定するかに

かかっている

デルタ(δ)

=プレミアムの変化額÷原資産価格(株価)の変化額

デルタが0.5なら株価が1ドル変化

すればプレミアムは0.5ドル変化する

またデルタには重要な特性があり

それは「デルタ=オプションが満期日までに

ITMになるかどうかの確率」である

時間価値からのリターンは

時間価値を権利行使価格で割った

ものになる

セータ(θ)はタイムディケイにより

1日ごとに失われる価値

セータ(θ)=プレミアム減少額/残存日数の減少

理論的にはプレミアムは残存期間の

平方根での割合で減っていく

残存日数がn日のオプションの

プレミアムは残存期間が1日の

プレミアムをpドルとした場合

√n×pドルになる

これより1日あたりのプレミアムは

(√n×p)÷n=p÷√n となり

nが小さい残存期間が短いほど

高くなる

インプライドボラティリティ

1つではないがATMに近い権利行使価格

のものを選ぶべきという考えや

出来高から加重平均する方法が

一般的である

インプライドボラティリティ

オプション価格の前日の終値から

算出される

無リスク金利が上昇すると

コールのプレミアムも高くなる

配当利回りが高くなると

コールのプレミアムは低下する


第3章カバード・コール(CCW)について

バードコールは「時は金なり」で

実際に時間をキャッシュに換える

錬金術とも言える

日本の国内には225オプションしか

なく、225オプションは差金決済で

ありカバードコールの魅力はない

バードコールh株式の保有

コールの売り建の組み合わせである

①原資産を買う

②原資産のコールを売り建てる

通常は1ヶ月か2ヶ月先の限月を選ぶ

③カバードコール完成

④決済

ボラティリティが大きい時は

コールを売ることにより大きな

利益が得られるがトレードオフ

として権利行使されやすくなる

買い戻しを頻繁に行うと損失に

なるときもある

・満期日に権利行使された場合のリターン

Raw RIE=(受取コールプレミアム+株式潜在利益)

÷最初に株式に投資した金額

=(受取コールプレミアム+権利行使価格

–最初の株価)÷最初に株式に投資した金額

例)

権利行使価格32

プレミアム0.4

株価31

{0.4+(32–31)}÷31

=1.4÷31=4.52%

年率RIE

=Raw RIE÷30×365日

=4.52÷30×365=54.9%

バードコールは原資産の価格

が先行きあまり変動しないか

わずかに上昇すると予想される

時に有効な戦略である

Raw RU

=受取プレミアム÷最初に株式に投資した金額

=0.4÷31=1.29%

年率RU

=RawRU÷30×365日

=1.29÷30×365=15.7%

機械的選択法

過去のデータから有効性がある指標

を組み合わせてリターンが良いものを

探ります(レトロスペクティブ)

・満期日翌月のコールを売り建てる

のが基本

・オプションの買い手の権利行使

による売り手への受け渡し割当は

Options Clearing Corporation(OCO)

を通じてランダムに行われる

ポジションを閉じる時はITMかOTM

かに注意する、それによりコールの

値段は大きく異なる

・Rolling

当初のコールを買い戻し新たな

コールを売り建てる2つの売買

なるべく同時に行うかスプレッド

オーダーでおこなう

・Rolling Up

今後、大幅に株価が上昇する場合

コールの買い戻し、満期日が同じの

権利行使価格が高いコールを売り建てる

・Rolling Down

株価が下がった場合

コールの買い戻し、満期日が同じの

権利行使価格の低いコールを売り建てる

・Rolling Out

コールの買い戻し、満期日が翌月の

権利行使価格が同じコールを売り建て

今後、株価が下がると予想できる場合

・Rolling Up and Out

コールの買い戻し、満期日が翌月以降の

権利行使価格が高いコールを売り建てる

通常長くても3〜4ヶ月先までの

コールにする

今後、株価が上昇すると予想する場合

Rolling Outよりこちらの戦略が有利

・値上がり局面ではカバードコール

リターンはあまり良くない

・Leveraged ETF の原資産は

長期保有しないようにする

バードコールの中でも

ダウンサイドリスクの少ない

ITMカバードコールが適している


第4章現金確保プット売り(CSP)について

CSP(Cash Secured Put Writing)は

プットの売りが権利行使された場合

株式を買う現金を確保した上で

プットを売り建てる戦略

①この値段なら買ってもいいという

価格を決め事前に必要な現金を用意

②①で決めた値段でプットを売り

プレミアムを受け取る

③権利行使された場合は株式

を買う

・カバードコールと現金確保プット売り

は本質的には同じ戦略である


第5章カバード・コールと現金確保プット売り

エビデンス及び追加的な事項

・現金を確保する場合、現金を

3ヶ月物短期国債を装填しておく

権利行使されずにプレミアムを

受け取った場合は同じく現金は

短期国債で運用する

・Russel 2000ETFではOTM2%

のカバードコールは単なる

バイアンドホールドより優れている

・Yangは200日EMAと50日EMA

ゴールデンクロスした時に

バードコールを仕掛けデッドクロス

でカバードコールをやめ短期国債

で運用した

・著者はテクニカル分析を無効と見る

毎月月初めに権利行使価格を

①株価の3%上(OTM)

②株価と同じ(ATM)

③株価の3%下(ITM)

の残存1ヶ月のコールを売り建て

同時に時価でDow Jones EURO STOXX

50 Index を買った結果

シャープレシオ0.09

①のOTMが一番パフォーマンスが良かった

・加重平均には2つある

①金額加重収益率

100×(1+r)^n+

C(1+r)^(nー1)+…+C(1+r)

r:リターン

C:キャッシュの出入

②時間加重平均率

(1+r)^4

・投資家やファンドマネージャー

評価期間中のファンドへのCF増減

をコントロールできる場合は

金額加重収益率を、コントロール

できない場合は時間加重平均収益率

が用いられる

シャープレシオは複数資産から

なるポートフォリオの評価に適して

いる

一部の投資家を除き負担すべき

リスク(ベータ)の水準を事前に設定

されていない場合は

事後的に求められたベータの値

をリスクとして用いた

トレイナーレシオは適切ではない

標準偏差をリスクとした

シャープレシオレシオが実務上

多く用いられる


第6章LEAPSダイゴナル・スプレッド(LDS)について

米国ではLEAPSは通常1年以上先

に満期日のオプションで長い物で

3年先の物もある

800程の株式がLEAPSがあり

主要な株式やETFにはほとんど

LEAPSがある、しかし流動性

高いLEAPSはそれ程多くない

・LEAPSダイアゴナル・スプレッド(LDS)

CCWで原資産を持つ代わりに

ITMのLEAPSコールをロング

ポジション(ロングアーム)で

持ち、通常のコールをショートポジション

(ショートアーム)で持つ戦略

原資産を買うより少ない資産で

始められる

株価が狭いレンジで動く時に

有利な戦略となる

急落、急騰した場合はポジション

を解消する

300日後の株価がほとんど変化

しない時はdeep ITMのLEAPS

の方が良い

株価の高騰時はdeep ITMの

LEAPSを保有していた方が良い

nearly ATMのLEAPSでは損失

が大きくなる

株式を現物保有していた場合

に比べてLDSの損失は少なくなる

・LDSのフォローアップ

①何もしない

②ポジションを閉じる

③Rollingする

売り建コールの乗り換えはなるべく

同時かスプレッドオーダーで行う

a.Rolling up

ショートアーム買戻し

限月の権利行使価格の高い

コール売り建て

b.Rolling up and out

ショートアーム買戻し

期先の高い権利行使価格の

コールを売り建て

3〜4ヶ月先の限月にする

c.Rolling out

ショートアーム買戻し

翌月以降の同権利行使価格の

コール売り建て

d.Rolling down

株価が下がった場合

ショートアームを買戻し

権利行使価格を下げ新たに

売り建てる

・株価上昇の局面では一般的に

Rolling outかRolling up and out

をするが正解はない

SPY(deep ITM)とSPY(slightly ITM)

の検証ではSPY(deep ITM)の

パフォーマンスが良い

SPYが135ドルの時

deep ITM  権利行使価格100ドル

slightly ITM 権利行使価格130ドル

ロングアームのLEAPSはやはり

deep ITMが良い

一般的には25〜30%のdeep ITM

ロングアームを持つとバランスが良い


第7章まとめ〜3本の柱、その補強と修理〜

第1の柱

CCW、CSP、LDSを第1の柱に

原資産はETFが望ましいが

確信があるなら個別株でも良い

この戦略は相場があまり動かない時

にリターンが良くなる事を

忘れずに

第2の柱

インデックスETFを持つ或いは

機械的銘柄選択方

超長期的には人口増加と経済の拡大

により株式は上昇する

第2の柱を持つことにより

第1の柱も利益が出やすくなる

第3の柱

個別銘柄、自分のファンダメンタルズ

分析で選ぶ、ただし趣味程度に考える

柱の補強

・LEAPSコール買い

OTMのLEAPSコールを買う

・LEAPSプット売り

OTMのプットを売る

柱の修復

買った株が下げて含み損を持った

現在の株価のITMのLEAPSコール

を持ち株と同じコントラクトサイズ

買う

それに対応する2倍のサイズの

OTMのコールを売る

実例)30ドルで500株買った株が

18.5ドルになった

残存日数535日の18コールを

5単位買う、それに応じて

24コールを10単位売る

通常のナンピンよりは良い戦略

であるがボラティリティが低い場合は

損失が出る


エピローグ

投資の世界では偏差値がないため

多くの人は自分の実力を知らない

そして自分の実力以上に想定されて

いる本を読みますピーターリンチや

ウォーレン・バフェットの本が

まさにそうです

良いことがたくさん書かれている

のですが表面的な理解に留まり

本当の実力はつかない

自信過剰バイアスが増強されるだけ

しかし時間が必ず減衰するという

事実は永遠の真理です

 


●本書から得られた新しい知識

・バリュー株のリターンは長い目で見れば

グロース株のリターンを上回る

・ダウンサイドプロテクション

=プレミアム÷権利行使価格×100%

株価が何%下落した時に

バードコールの損益がゼロに

なるかを示す

▼式

・所得期間収益率

HPR=(I+E–B)÷B

HRP=所得期間収益率

I=配当

E=最終価格

B=最初の価格

シャープレシオ

S=(Rp–Rf)/Sp

・トレイナーレシオ

T=(Rp–Rf)/Bp

Rp:ポートフォリオの収益率

Rf:リスクフリーレート(長期国債金利

Sp:ポートフォリオ収益率の標準偏差

Bp:ポートフォリオのベータ

▼ティッカー

–S&P500(SPX)

–S&P100(OEX)

–ミニNASDAQ100(NDX)

–Russel 2000 米国小型株(2000銘柄)

–Leveraged ETF 基準インデックスの

2倍の変動をする設定のETF

・Rollingの章

–NYL(Annaly Capital Management)

–SSO(Pro Shares Ultra S&P500)

・リスク志向HV高めETF

–UNG(United States National Gas Fund,LP)

–IWM(iShares Russel 2000 Index)

–IYR(iShares Dow Jones US Real Estate)

–EEM(iShares MSCI Emerging Markets Index)

–FXI(iShares FTSE China 25 Index)

–EWZ(iShares MSCI Brazil Index)

エビデンスの章

–BXY(COBE S&P500 OTM BuyWrite Index)

–BXM(COBE S&P500 BuyWrite Index)

–SPTR(S&P500 Total Return Index)

・3つの柱

–VTI(Vangerd total stock Market ETF

米国の大型株から小型株をカバー

・小型バリュー株のETF

VBR(Vanguard Small Cap Value ETF

–EES(WisdomTree SmallCap Earnings)

–DES(WisdomTree SmallCap Dividend)

DGS(WisdomTree Emerging Mets SmallCap Div)

新興国小型バリュー

VB(Vangurd Small Cap ETF

グロース株含む小型株

・生活必需品会社ETF

–KXI(iShares S&P Global Consumer Staples)

▼オプション

CCW(カバードコール

・CSP(現金確保プット売り)

・LDS(LEAPSダイアゴナルスプレッド)

・LEAPS(Long term Equity Anticipation Securities)

満期までの期間の長いオプション

・Nearly ATM ATMのすぐ近く

・slightly ITM

・deep ITM

▼用語

・米国証券取引所

–シカゴオプション取引所(CBOE

–インターナショナルセキュリティーズ取引所(ISE)

–ニューヨーク証券取引書(NYSE

NASDAQ証券取引

・米国先物

–シカゴマーカンタイル取引所(CME)

インターコンチネンタル取引所(ICE)

・オプション用語

–Buy to open(BTO)買いでポジションを取る

–Buy to close 売りポジション決済買い

–Sell to open(STO)売りのポジション建

–Sell to close 買いポジションの決済売り

–Hold オプションを保有

–Write ショートポジションを取る事

–Long 買い建てオプションの保有

–Short 売り建オプションの保有

–Exercise 権利行使する

–Expire 権利消滅

–Assignment 権利行使して買うか

権利行使されてWriterが買う事

–RIE(Return if exercised)満期日に

権利行使された場合のリターン

–RU(Return unchanged)満期日に

株価が変動しなかった

・カバードコールの種類

–Partial Writing

所有している株式全てにコールを

売り建てずに一部だけ目標価格より

低い権利行使価格で売り建てる

株価の上昇があれば通常のCCW

より利益が出る

–Mixed Writing

複数の権利行使価格や限月

のコールを売り建てる

–Ratio Writing

保有している株式以上のコールを

売り建てる、通常1.5〜2倍の

コールを売り建てる

▼IB証券

口座開設後3ヶ月は維持費無料

8–WENの書類を記入して送ら

ないと米国現地で課税される

「キャッシュ口座」

「レッグティマージン口座」

引用取引する時に必要

4倍まで取引できる

ポートフォリオマージン口座」

10万ドル以上残高が必要

証拠金の15%相当金額まで信用取引

できる

バードコールを実施するのにあたり

証拠金は不要

ドル円の変換はIBに円送金し

IB証券内で両替した方が得

送金時には4000円〜2000円の

出金手数料が国内銀行で取られる

新生銀行は無料

出勤指示後はIB証券に連絡する

詳細ルールは証券会社の日本語対応

窓口に相談する

 


●本書に出てくる格言

予想はよそう

ーKAPPAー

五十而知天命

孔子

 


●本書で得られた気づき

バードコールは相場が横ばい

ないし緩やかな上昇に向いていて

今のところ海外証券口座がなければ

行うことができない

 


●今までの自分の考えと違ったところ

CCWの売り建コールが自分が想像

してた以上にATMに近かい

LDSの手法が現物株のCCWに比べ

低資金でできる割にリスクも低い

 


●本書の内容で実行してみたい事

既にIB証券で取引したが

本書で紹介する手法を試すために

追加で送金してCSPを試す

 

 

週末投資家のためのカバード・コール (Modern Alchemists Series)

週末投資家のためのカバード・コール (Modern Alchemists Series)