書名:株式投資の学校
著者:ファイナンシャルアカデミー
●本書を読んだきっかけ
株式投資初心者向けの
読書会を開く目的で購入
●読者の想定
本書は幅広い知識の触りの部分を
取り上げており、全くの株式投資初心者
でも理解できる内容だと思う
●本書の説明
はじめに
株を学ぶメリットは
「世の中を俯瞰して見ることができる」
「会社の経営に参加できる」
「2本目の収入源を作れる」
プロローグ まずは株式投資のスタンスを決めよう
・投資スタンスが明確になっていれば
「売るのはもう少し利益がのってから」
「損失を確定するラインまではまだ我慢」
と心に余裕を持って構えられる
投資スタンスとは
投資期間:中期トレード
分析手法:ファンダメンタル&テクニカルの組み合わせ
投資金額:1銘柄は投資金額の1/5以下で分散投資
投資対象:小型株(時価総額300億未満)
・金利が上昇すると企業はお金が
借りにくくなり設備投資がやりにくく
成長が止まるという影響が出てしまう
・上昇トレンドの背景
①好調なビジネス
②好業績
③割安さ
3つが揃うと上昇トレンドになりやすい
・上昇しやすい銘柄は
①業績が良く
②PERが低く
③チャートの形が良い
「もみ合い(横ばい)」がしばらく
続いている状態で、そこから
ピョンと跳ね上がる「揉み合いからの
上放れ」
第1章 基本的なデータの見方と用語
・上場企業が増加したことで
小型株は業種に関係なく
2000〜4000番台が割り当てられている
・四季報の数値は基本的に
企業が発表する「決算短信」の
実績に基づいている
・個人投資家が強みを発揮できるのは
時価総額300億円くらいの小型株
・ウェブサイトでIR情報から決算短信
をチェックする
①ブロック1
終了した2期分の業績
②ブロック2
貸借対照表のポイント
自己資本比率に注目
③ブロック3
キャッシュフローの数値
営業CFは経常利益の0.6〜1.2倍
程度に収まるのが普通
④ブロック4
今期(または新年度)の業績予想
・税引き前利益
経常利益から特別利益や特別損失
を加減したもの
・純資産
≒自己資本≒株主資本≒株主持分
第2章 数字に表れない企業の強みを分析しよう
・その企業に成長の可能性があるか
「企業独自の強みはあるか?」
「売り上げの拡大余地はあるか?」
を分析する
・参入障壁
①高付加価値化
②コスト競争力
③ブランド力
④スイッチングコスト
⑥規模のメリット
・市場の開拓のほかに、顧客層に
よって成長余地を見出すケースも
あり、たとえば子供だけを対象と
していた製品・サービスを若者
大人、年配者へ展開したり
または男性から女性へ広がったり
する可能性があるかどうか考える
・過去の経営者の発言を調べれば
「どれくらい有言実行できているか」
は事実としてチェックできる
経営者の話を聞くときは以下の点に
気をつける
①株価を釣り上げるため無根拠で
大風呂敷を広げてないか
②リスク要因などをきちんと説明
しているか
③会社の独自の強みを活かして
本業に集中している姿勢はあるか
(強みに基づかない本業以外の事業拡大
はしていないか)
・景気に敏感な「シリカル株」
景気に左右されにくい「ディフェンシブ株」
の値動きの傾向を知る
景気好転の動きを察知して市場に
先駆けて株価が上がることがある
ディフェンシブ株は素直な動きをする
業績やPERを見ながらの売買判断が
しやすく個人投資家向け
・日常製品の中で身の回りで流行
している商品、人気があるサービス
などに気を配る。気になったら
実際買ってみたり、知っている人に
聞いてみたりする
・企業を知るための参考情報
①企業
②インターネット
③新聞
④雑誌
⑤テレビ番組
・投資対象としての良さ
=会社の良さ×自分の理解度
第3章 業績データによる銘柄選別法
・銘柄選びの手順
①業績は順調か
②自己資本比率は低すぎないか?
有利子負債は多すぎないか?
時価総額は?
③PERはどうか
④業務内容、コメント
・投資候補銘柄はYahooファイナンスや
証券会社に登録する
・異常値になる原因
–特別損失が加減されている
–繰越損があり税金の支払いが
一時的に減っている
・1株益の異常値の修正方法
①「経常利益→純利益」の通常の比率を
過去の業績比率から確認
②経常利益×①で求めた比率=真の純利益
③真の純利益÷実際の純利益×1株益=修正1株益
・決算発表は「本決算」「中間決算」
「四半期(決算)」に分かれる
・その期の初めから半年間の業績を
まとめたものが第2四半期決算です
・「前年同期と比べて伸びており」
「業績予想と比べて伸びており」
さらに「通期の業績予想を上方修正している」
ものがよい
・日経新聞の「投資・財務」面には
決算発表の数値のほかに企業の
決算に関する記事が掲載されている
この欄には必ず目を通す
記事が出てからでも小型株の場合に
限っては反応が鈍いことも多い
・マネックス、株ドットコム
大和証券、岡三證券で口座を
開くとアナリストレポートを無料で
見ることができる
・相場全体の状況によっては
「上方修正には反応しづらく、
下方修正には反応しやすい」
場合があり、その逆もある
・サプライズなのか織り込み済みなのか
考えて株価を見る
・3月決算企業の大まかなスケジュール
①5月半ば本決算(4Q)
3月に終わった1年間の業績が確定
新年度の通年と2Qの予想が発表
②8月半ば第1四半期決算(1Q)
1Qの成績は前年比でどうか
2Qの予想、通年予想に変化は
③11月半ば第2四半期決算(2Q)
2Qの成績は予想と比べてどうか
通年予想に変化は
④2月半ば第3四半期決算(3Q)
3Qの成績は前年比と比べてどうか
通年予想に変化は
⑤5月半ば本決算(4Q)
通年の成績は予想と比べてどうだったか
新しい年度の予想は
・各企業の決算スケジュール確認
Yahooファイナンスの「株式」
→「決算スケジュール」
・ある程度自信があるならば
あえて決算発表を乗り越えて
ホールドする
本決算の発表前には本決算発表
での「新年度予想」を意識しながら
投資判断をする
第4章 PERの使い方を磨く
・市場の平均PERは10〜20倍で
推移している
年率30%を超えるような成長が
3年以上続くと考えられる成長株は
PER20倍くらいまでなら割安
・株価は1株益とPERの掛け合わせで
決まる。この両方が上昇すれば
株価は爆発的に上がるし
利益だけ上昇してもPERが低下
すれば株価上昇は物足りない
1株益の増加率に注意する
・30%減益で株価が15分の1になる
ような場合は
1株益 0.7倍(30%↓)×
PER 0.1倍(120倍→12倍)
=株価 0.07倍(約15分の1)
第5章 株価チャートの分析法
・それまでのトレンドやリズムを
崩すような違和感を覚える動き
があったら、それには何か大きな
意味が隠されているのかもしれない
・もみあいから上放れすると
その方向に上昇トレンドが
上昇トレンドが発生した可能性が高い
・三角持ち合いからの上放れも
買いサイン
・上昇トレンドの押し目買い
①株価が上昇トレンドであることを
確認すること
②押し目のメドを考える
・投資スタンス別、最適移動平均線
1〜10分足の5MA、25MA
5日MA、25日MA
③中期投資
13週MA、26週MA
④長期投資
52週MA、120ヶ月MA
・13週MA、26週MA
①13週MA
買える可能性が高いが
失敗した場合の損失が大きい
②26週MA
安く買えるが買えないまま
上昇してしまうこともある
・上昇転換の4段階のサイン
①株価が13週MAを上回る
②13週MAが上向きに転じる
③株価が26週MAを上回る
④26週MAが上向きに転じる
・下降転換の4段階のサイン
①株価が13週MAを下回る
②13週MAが下向きに転じる
③株価が26週MAを下回る
④26週MAが下向きに転じる
・4段階のいくつにサインがつくか
①13週MAに対する株価の位置
②13週MAの向き
③26週MAに対する株価の位置
④26週MAの向き
・出来高がほとんどなくなり
値動きもなくなった場合は
次に動くエネルギーを蓄えている
・上昇トレンドに乗りたいが
ピッチが早いと感じる場合は
時間の短い移動平均線に変える
・トレンドが崩れたと判断したら
いったん手仕舞い、修復したと
判断したところで買い直す
・120ヶ月移動平均線は過去10年
に相当する
「この株なら長期的に見れば必ず
復活しそうだ」という株があれば
120ヶ月線をメドに買ってみる
・ファンダメンタルズも考え合わせ
ながらチャートの意味を考える
・底確認パターン
①下降トレンドからの急騰
投資家たちの認識を変える出来事には
–大胆なリストラの発表
–買収され凄腕の経営者が乗り込む
–業績を一変させる新規事業の好調さ
②セリングクライマックス
③急騰→押し目→高値更新
④Wボトムとトリプルボトム
⑤ソーサボトムと鍋底
・天井確認パターン
①スパイク
②Wトップとトリプルトップ
③急落→反落→安値更新
・25日移動平均線乖離率では
15%ぐらいのところまで来ると
株価はいったんピークになっている
25日線にくっついたら買い
乖離率15%になったら売る
という投資戦略が考えられる
・RSIは80%を超えたら上昇が過熱
20%を下回れば下落の動きが過熱
・一目均衡表の5本線
①転換線
過去9日間の高値と安値の中間値を結んだ線
②基準線
過去26日間の高値と安値の中間値を結んだ線
③先行スパン1
転換線と基準線の中間値を結んだ線を
26日先にずらしたもの
④先行スパン2
過去52日間の高値と安値の中間値の線を
26日先にずらしたもの
⑤遅行スパン
本日の終値を26日先にずらした点を
結んだ線
・トレンドが雲の上にあれば
上昇トレンドで雲そのものが
押し目買いのメド
26日前の株価より上に入っていれば
上昇トレンドが継続しているとみる
・一目均衡表の4つのサイン
①基準線の向き
②基準線の転換線に対する位置
③雲に対する株価の位置
④遅行スパンの位置
・一目均衡表買いシグナル
①基準線が上向き
②転換線が基準線の上
③雲よりも株価が上
④遅行スパンが26日前の株価より上
・一目均衡表売りシグナル
①基準線が下向き
②転換線が基準線の下
③雲よりも株価が下
④遅行スパンが26日前の株価より下
第6章 配当と優待
・配当として支払われなかった
お金は「利益余剰金」として
企業に蓄えられる
・権利取りのため上昇した銘柄を
権利落ち後に株価が急落した時に買う
第7章 景気や相場全体の状況をチェックする
・景気には「景気拡大→景気の山
→景気後退→景気の谷」という
サイクルがある
株価は3.5年のチキンサイクルと
概ね連動しながら上昇トレンド
下降トレンドのサイクルを繰り返す
・GDPは1年ごとの確報値の他
3ヶ月ごとの速報値が内閣府に
よって発表される
・景気を先取りする指標
①景気ウォッチャー調査「先行き判断DI」
②非農業部門雇用者数
③ISM製造業景気指数
④製造業購買担当者指数(PMI)
・現在では金融政策の目標を
短期金利からマネタリーベースに
変更している
・アメリカ経済に引っ張られて
景気が良くなっている時期はドル高
日本経済そのものが成長している場合は
・多くの投資家は目先の勢いや雰囲気で
投資してしまい結果的に
「成功した場合の利益は1万円程度が見込め
失敗した場合の損失は5万円ぐらいの
リスクのある」ものに投資を
してしまっている
・買いの理由がはっきりしていないと
「末弟ラバいつかは上がる」と
下がり続ける株を持ち続ける
・買い理由のチェックリスト
①将来性
独自の強みは健在か
成長余地は少なくなってないか
強いライバルが出現してないか
②業績
下方修正などしてないか
新年度予想が悪化してないか
弱気のアナリスト予想など出てないか
③チャート
根拠にしている移動平均線を下回ってないか
その他チャートの警戒サインが出てないか
・失敗と判断した場合は速やかに損切り
様子見に徹する
・投資家を感情的にさせる大二要因
「儲けたい」という欲望
「損したくない」という恐怖心
・自分の感情をコントロールするには
①売買理由をはっきりさせる
②投資金額を適切な金額にする
・成功する人の共通点
①自分の投資スタンスは何かを
明確に意識して、それぞれの
スタンスに徹し基本的に忠実に
投資やトレードを行なっている
②常にゆったり楽しみながら投資
③決めた作業をコツコツ続ける
・続けるべき作業
3ヶ月ごとに会社四季報チェック
週末に株価チャートチェック
週末にポートフォリを点検、投資戦略を考える
毎朝業績ニュースをチェック
・まめに記録をとる
投資アイデア、売買理由
売買記録をノートに記したり
ブログなどで投資日記をつける
第9章 口座開設と株の売買
・株式にかかる税金には
「譲渡益課税」「配当課税」がある
・無期限信用取引ではほとんどの
証券会社が「買い」からしか
取引できない
・優待目当てで株を保有していて
権利落ち日に現渡しする方法がある
・IPOといえどもあくまで中身重視で
価値ある株だけに参加申し込みをする
●本書から得られた新しい知識
海外での出店数を大きく伸ばしている
・5つの競走要因
①業界内での競争状況
②買い手の交渉力
③売り手の交渉力
④新規参入の脅威
⑤代替品の脅威
口座を開いていれば無料で見れる
・現渡し
現物株式で売り建て玉を返済
▼式
・14日RSI
=14日間の値上がり日上がり幅合計
÷14日間の値上がり日上がり幅合計
+14日間値下がり日下り幅合計
・配当性向(%)
=1株当たり配当金÷1株利益×100
▼四季報略号
会:会社発表の業績予想
連:連結決算
単:単独決算
中:第2四半期決算(中間決算)
四:第1・第3四半期決算
特:特別配当
記:記念配当
●本書に出てくる格言
●本書で得られた気づき
日経新聞の投資・財務情報をもとに
投資をする場合、小型株は遅れて
反応する場合もあると本書には
書いており、実際にそういった
事象を確認した
●今までの自分の考えと違ったところ
●本書の内容で実行してみたい事
本書の内容を復習する意味も兼ねて
本書を題材にした読書会などを
開こうと思う