思考と読書【お金・健康・人間関係 編】

お金、健康、人間関係に関する本の書評と説明 ビジネス書や自己啓発が多くなると思います なるべく毎週投稿できるように頑張ります

■エンジェル投資家とは何か を読んで

 

エンジェル投資家とは何か (新潮新書)

エンジェル投資家とは何か (新潮新書)

  • 作者:小川 悠介
  • 発売日: 2019/12/13
  • メディア: 新書
 

 

書名:エンジェル投資家とは何か

著者:小川悠介

 


●本書を読んだきっかけ

今の日本国民の資産を見れば

年輩の方々がお金を貯め込み

貯金しているという現状

死んで、お金を持っていくことは

できないし

今の若い世代に資金を託し

日本の未来を良くするのもアリ

と思い本書を購入

 


●読者の想定

起業で資金調達を考えている人

頑張っている若者に資金を渡し

世界を変えてみたいと思ってる人

 


●本書の説明

はじめに

ワールドカップ(W杯)ロシア大会

2018年5月、サッカーの日本代表の

エース本田圭佑が一時帰国して向かった

先は東京の下町、入谷にある築30年超

アパートの一室

本田は2016年6月にスタートアップ

企業に支援をはじめ、すでに50社

以上に投資した国内では代表的な

エンジェル投資家の一人

 


第1章 誕生

エンジェル投資家は長期保有が前提

イグジットのシナリオとなるIPO

場合、会社を設立して3〜4年で

新興市場マザーズに上場するケース

もあるが、その多くは10年以上の年月

を要する

・日本の起業家兼エンジェル投資家

有安信宏は2013年マネーフォワード

に投資し大当たり

エンジェル投資家はリスクも高く

会社の新規設立数を分母に

IPOに辿り着けるの90社

M&Aの案件も含め「千三つ」

資産運用の一部をスタートアップ

企業への投資に割り当てている

エンジェル投資家の総額は年間

300億ドル規模(米国)

・影の大統領ピーター・ティー

ペイパルの共同創業者で

イーベイに売却5500万ドルを

手にした

その後、フェイスブックに投資し

数十億ドルのリターンを得た

「ゼロ・トゥ・ワン」の著者

孫正義の恩人

佐々木正氏は「小型電卓生みの親」

で、元シャープの副社長

「目の輝きが異様に鋭く、これは

ただものではないと感じた」

若き日の孫氏に大金を出した

・日本でエンジェル投資が活発化

しなかった理由の一つに

起業経験をもつ富裕層が少なかった

ことが挙げられる

SNSは重要な出会いのツール

プロfヒールや交友関係を把握

できる

・ピッチと呼ばれる対面面接では

「ジジネスモデル」「自社の優位性」

「事業戦略」などまとめた会社資料

にそって説明を聞く投資家もいれば

「面接の大半が雑談で終わる」投資家

もいる

スタートアップ企業は成長投資を

優先させるため赤字経営で資金繰り

を迫られるケースが多い

一度の資金供給でゴールまで

たどり着く企業は稀である

・エンジェル投資検討の優先順位

①人

②アイデア

③マーケット

の順番

・マーケット選びには

「今は小さくても急成長する市場を狙う

必要がある」

「こんまり」の片づけビジネスは

「前例がないビジネスで判断が難しい」

と悩んだが米国有数のベンチャーキャピタル

から出資を受け大成功

古いパラダイムを詳しく知りすぎて

いるため優秀な投資家が後に大成功

する企業への投資を何度も見送っている

裏を返せば、大勢の投資家から

程々に愛される企業ではなく

少数の投資家から深く愛される

企業からユニコーンは生まれやすい

・最近では六本木の高級クラブを

飲み歩く若手経営者の数も減った

かつてと今の起業家のお金の使い方は

異なる

・イグジットした直後は会社を

手放した喪失感や変化する生活環境

に悩むケースが多い

 


第2章 争奪

・本田は知人の投資家からの紹介

で起業家と直接出会う

面談日当日に出資を決める

投資判断は起業家のビジョン

「世界の発展にインパクトを与える

ような起業家に投資する」

投資先にはイグジットに成功した

例もあり「マクアケ」はマザーズ

上場し本田の保有株は100倍に

膨らんみそうだ(実際もっと膨らむ)

本田は日本市場を対象とした

ベンチャーキャピタルの設立も

水面下で進めている

・スポーツ関連企業に投資することで

選手のセカンドキャリア問題

の解決にも貢献できる

・ザーシードキャピタルでは

優秀な学生を見つけ起業前の段階から

アプローチする

P73 ベンチャーキャピタル会社の推移

パナソニックトヨタ自動車

東京電力などもCVCを設立した

・エンジェル投資家、VC、CVC

にとって同業者は競争相手でもあり

仲間でもある「スカウトファンド」

と呼ばれるVCに代わって投資案件を

紹介する動きもある

 


第3章 革命

・ファンディーノはサイトで

利用者登録をしたら成長が期待でき

そうなスタートアップ企業を見つけて

出資する登録者数は19000人を突破

30〜40代が7割

「オールオアナッシング」制を採用

目標金額に1円でも届かなければ

案件自体が不成立

株式型CFは企業が資金調達した

資金の15〜20%程度を手数料

として受けとる

・P110 クラウドファンディング分類

ベンチャーキャピタルの知り合い同士

協調投資で法令の上限の1億円

を上まわる資金調達にも対応

・2019年CF最大手のキャンプファイアが

DNAベンチャーキャピタルを買収

・日本クラウドキャピタルでは

公認会計士や弁護士を中心とした

専門チームでリスクを洗い出し

入念に登録審査を実施

審査を通過するには全員が認めた場合

9割以上の企業が脱落する

運営会社の審査体制の強化は

必須だ、ただでさえ「詐欺の温床」

と言ったイメージがある

・米国は上場している会社と

未公開株は三角形で

日本の場合は逆三角形の構造

P122 図

日本株式業協会は未公開株を

取引する「株式コミニティー制度」

を創設した

・起業家出身のエンジェル投資家は

起業家が自社を売り込む

「ピッチイベント」などで出会える

・CFは資金調達の他に

「市場調査」「本業集中」「ファン獲得」

を同時に狙えるスタートアップ企業に

とって一石四鳥の資金調達手段

・都内のスタートアップ企業は

相場の水準が高すぎるという

理由から地方企業に関心を寄せる

兆しが出ている

各地では支援の輪が広がっている

 


第4章 狂宴

・アジアのシリコンバレー

さすらいの中国人エンジニアは

日本が経済規模に比べて起業家の

数が少なく生存競争が緩いことに

目をつけた

日本のスタートアップ業界は村社会

だが中国はまさに生きるか死ぬかの

戦国時代

東京は起業家にとって天国

アジアのシリコンバレーだと語る

上海や深圳の大都市に比べれば

東京の方がずっと賃料が安いし

優秀な人材も簡単に集められる

日本の起業家は恵まれている

中国ではスタートアップ企業の

数が多すぎて投資家からサポート

を受けるのは難しい

五反田は創業間もないスタートアップ

企業に適したオフィスの数も豊富

今では100社以上が五反田エリアに

集結する

・起業コストが安くなり

かつて資本金1000万円必要だったが

今は数十万で済む

東大生の起業件数は体感的に5年前の

2倍程度に

・近年は弁護士の起業が相次ぐ

投資銀行のOBの起業も一気に増えた

・スタートアップ企業1社あたりの

資金調達中央値は2010年1500万

だったが2018年は1億の大台を

初めて突破した

・DMMは現金化アプリ「CASH」

を買収したが失敗、わずか1年で

売却

投資家は資金を出すだけではなく

経営を監督する役割も期待される

個人投資家は運用期間に定め

がないためイグジットまで気長に

待てるのが強み

・総合起業活動指数

成人人口100人に対する起業準備

起業3年未満の人口は日本5.3人

まだ米国や中国の半分である

・日本にはユニコーン企業5社ほど

米国は200社を超える

ユニコーン(10億ドル超え未上場)

に対しデカコーン(100億ドル超え未上場)

・日本資本主義の父として知られる

渋沢栄一が新札に採用された

渋沢は「第一国立銀行」(現みずほ)

を開業、東京海上自動火災保険

キリンビールなどの企業の設立に

携わった

 


おわりに

ジャーナリスト出身の投資家

セコイヤキャピタルを率いた

マイケル・モリッツ

記者時代に培った好奇心と

洞察力でYahoo、Google

Oracleの初期投資に成功

 


故・瀧本哲史史のご冥福を

お祈り申し上げ、筆を置く。

 


●本書から得られた新しい知識

サンマイクロシステムズの

共同創業者のアンディ・ベクトルシャイム

は上場前のGoogleに10万ドル

の小切手を切った(1998年)

2004年、3億ドルを超えた

・約280万社が活動する日本で

毎年10万社が開業し、約1500社が

投資家からの出資を受ける

・マーケットアプローチ

投資対象のスタートアップ企業の

現在の事業規模や今後の成長性

などを考慮してIPOが実現した

時の利益を予想する

次に、その数値に上場済みの類似企業

のPERをかけ合わせて将来の

時価総額を求める

最後に期待利回り(IRR=内部収益率)

で割り戻して現在の価値を計算

する。さらに発行済み株数で

割れば一株当たりの株価が算出

できる

・DJIはドローン市場の7割シェア

を握っている

楽天が上場までに調達した資金は

5億円

・数十兆円規模の企業買収ファンド

プライベート・エクイティーファンド)

もスタートアップ投資に参入

し始めた

2010年まではスタートアップの

資金調達は難しかったが現在では

改善されつつある

・中小企業の消失がもたらす影響は

甚大で国は2025年までに累計で

約650万人の雇用と約22兆円の

GDPが失われる

IPOで70万円だったYahooの株価は

2000年には1億円大台を突破

・スタートアップ企業に就職した

人の平均年収710万超え(2019)

上場企業より100万多く2013年

と比べて2割増えた

特にAIやビックデータに詳しい

デジタル人材はストックオプション

を組み合わせて手厚く迎えられる

JACリクルート」調べ)

▼エンジェル投資家

・赤坂優

「ペアーズ」のエウレカの創業者

家入一真

キャンプファイヤー社長

・中川綾太郎

MERYの創業者

・堀井翔太

フリルの創業者、「本を読むか

仕事をしている時が幸せ」

タバコも酒も飲まない

・今田孝哉

アソビカ社長

・岡田祥吾

プログリット社長

・田村淳(ロンドンブーツ)

芸能界きってのエンジェル投資家

ベイスに投資

武井壮

市川海老蔵

山田孝之(共同起業)

千葉功太郎

「千葉道場」の起業支援塾主催

・有安信宏

▼用語

ベーブ・ルース効果

1000万を10社に投資しても

9社が倒産し1社が100倍になれば

9億円のプラス

三振しても一発ホームランを出す

死の谷

先行投資がかさみ資金が尽きて

倒産が多発する時期

・キュレーションメディア

ネット上に氾濫する様々な情報を

特定のテーマごとにまとめた

記事を掲載するサービス

・ミレニアル世代

1980年代〜2000年前後

ものを買わない世代

体験を重視した「コト消費」に

お金を使う

・ペイフォワード

自分が受けた善意を次代に回して

いくという意味

ベンチャーキャピタル

スタートアップ起業への投資を

専門とするプロフェッショナル集団

・コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)

事業会社系は大企業が自己資金で

設立した一種のベンチャーキャピタル

ベンチャービジネス

和製英語、元法政大学総長の

清成忠夫が考案

アクセラレイター

支援機能付きベンチャーキャピタル

・ピンクシート

米国の証券取引所で情報開示が

不要で簡単に登録できる企業

8000銘柄以上の未公開株がある

・STO(セキュリティートークン・オファリング)

有価証券など実物資産の裏付け

が必要な資金調達の仕組み

・ゴルトンの雄牛

食品見本市で枝肉の重さを

当てるくじを実施したところ

日帰り旅行者の方が肉屋より

正確に言い当てた

「少数の専門家より群衆の声は

正確で正しい」

オルタナティブ(非伝統的)資産

利回りが高く拡大傾向にある

・カヤバレー

茅場町シリコンバレー

平和不動産が「フィンゲート」

・にしなかバレー

大阪市内のシリコンバレー

ビットバレー

渋谷のシリコンバレー

ビター(渋)バレー→ビットバレー

Bダッシュキャンプ

ビジネスコンテスト

▼スタートアップ

・ミラティブ

中川綾太郎氏が投資

・アジット

自家用車の相乗りサービス

・タイミー

単発アルバイトマッチング

小川嶺氏が創業

・ノモック

無料タクシー

広告動画を車内で放映し広告収入で

運賃の一部を賄う

・ワンファイナンシャル

レシート買取1枚10円

アプリ「ONE」

山内奏人が高校時に創業

・グラフィット

モビリティー開発

4〜5時間の充電で40キロ走行

ファンディーノで資金調達

・インターステラテクノロ

北海道のロケット会社

稲川貴大が社長

・TNK

東京大学の起業サークル

毎年200名以上の応募があり

35人が採用、倍率6倍

宮本晴太が代表を務める

・起業家養成講座

早稲田大学が開催

・メドレー

旧アイリス

AI診断、沖山翔が起業

・MCアルムナイ

スタートアップ経営者の集い

▼エンジェル投資関連

・トウキョウ・ファウンダーズ・ファンド(TFF)

小林清隆が発起人で2015年設立

・KSKサミット

本田圭佑主催のビジネスコンテスト

・KSKファンド

本田圭佑の個人投資会社

創業初期段階の企業を対象に

500万〜1000万程度を投資する

・ファンディーノ

https://fundinno.com

株式型CF(クラウドファンディング)大手

・レディーフォー

https://readyfor.jp

米良はるかが創業の株式型CF

クラウドキューブ

https://www.rs-online.com/designspark/crowd-cube-jp

・エンジェルポート

https://angl.jp

起業家とエンジェル投資家マッチング

投資家には審査がある

・スタートアップリスト

投資家と起業家のマッチング

・ケイレツフォーラム

エンジェル投資家ネットワーク

・藤田ファンド

サイバーエージェント

・ビジョンファンド

スラックなどに投資

運用規模10兆円、孫正義

ベンチャーキャピタル

・京都エンタープライズディベロップメント

1972年、日本初のVC、現在解散

・ザシードキャピタル

・プライマルキャピタル

・TLM

・エフベンチャーズ

イースベンチャーズ

・日本クラウドキャピタル

https://www.cloud-capital.co.jp

・ストライブ

堤達生が創業

▼日本のユニコーン

プリファード

リキッドグループ

スマートニュース

 


●本書に出てくる格言

成功する起業家はコンプレックスや

社会に対する怒りが重要

家入一真

起業家が成功するには頭の良さと

勇気を兼ね揃えている必要がある

ーベン・ホロウィッツー

音楽がなっているうちは

踊り続けなければならない

ーチャック・プリンスー

若い経営者は感情的にもろい場合も

多い。そこで私たちが説得と

動機付けを行い合理的な助言を与え

短期的ではなく長期的な展望へと

導いていく

マイケル・モリッツ

 


●本書で得られた気づき

こんまりが米国のVCから資金調達

したという話

こんまり自体のビジネスも聞いたときは

んなアホな、と思ったが

少数の熱烈なファンがいるビジネスの

凄さを思い知った

 


●今までの自分の考えと違ったところ

今の若者は頑張っている

特にZ世代には大いに期待

したいと思った

 


●本書の内容で実行してみたい事

ペイフォワードの精神で

Z世代に投資する

 

エンジェル投資家とは何か(新潮新書)

エンジェル投資家とは何か(新潮新書)