思考と読書【お金・健康・人間関係 編】

お金、健康、人間関係に関する本の書評と説明 ビジネス書や自己啓発が多くなると思います なるべく毎週投稿できるように頑張ります

■知的生活の方法を読んで

 

知的生活の方法 (講談社現代新書)

知的生活の方法 (講談社現代新書)

 

 

書名:知的生活の方法

著者:渡辺昇一

 


●本書を読んだきっかけ

一度、著者の講演を聞いたことがあり

その時に買った本を再読

 


●読者の想定

読書がもっと好きになりたい人

 


●本書の説明

知的生活の喜びは「自己に忠実」であること

によってもたらされる

英語で言うところの「知的正直」

【インテレクチュアル・オネスティ】

(わからないのにわかったふりをしないこと)

を貫くことが大切

本当に面白いと思わないものを面白いなどと

いうふりをしてはいけない

自己の実感を偽ることは向上の放棄に

他ならない


著者はは『マジョリー・モーニングスター』という

500 万部も売れた英字の本を読んだ

そうすると引き入れられるように面白くて

終わりに近づいてきたら身震いがしてきた

登場人物に、いつの間にか感情移入した


「老齢は怖くないぞ」

時間も空腹も忘れることのできる歓びの

源泉を発見したから

定年後の人生がむしろ待ち遠しい


古典が形成される秘密は「繰り返す」

しかも「時間の間隔を置いて繰り返す」

ということにある

この繰り返しに耐える本や作者に巡り合ったら

相当に大きな幸福と言ってもよい

英国人はシェイクスピアを繰り返し読んできた

それは時代を経ても繰り返し読む価値が

あったから

2、3年前に読んで面白かったものを片っ端

から読み直すとよい

そして面白かったら、それをまた来年か再来年に

読み返す

そうし続ければあなたの古典ができ、いつの間

にか読書趣味が鋭敏になっており本物の読書家の

仲間に入っている

自分の周囲を身銭を切った本で徐々に取り囲む

ように心がけてゆくことは知的生活者の第一歩

である

現代のように本の多い時代に生きながらも

読んでよかったと思う本に出合うことは

めったにない

それを予知するカンを養う一番良い方法は

「読んでよかった」と思った本を自分の周囲に

置くこと、そして時々、それをパラパラ読み返す

その修練ができていれば書店で立ち読みした

だけでピーンと来るようになる

時間をうまく使うには「タイム・リミット」を設ける

例えば、『万葉集』を読む場合、どんな難しい

短歌でも5分以上かけない、というようにすると

比較的短時間に通読できる

知の向上への努力は、しばしば休息

心理学で言う「退行現象」につながる

心理学者のエイブラハム・マズロー

正常な退行現象を「コウスティング(coasting)」

と名付けた

これは

「知的な努力をやめて、しばらく無努力の状態に戻ること」

例えば、哲学者のカントは毎晩、毛布を体に巻き

繭まゆにくるまった蚕かいこのような格好で寝た

この眠り方は胎内退行の型である

生物学者ダーウィンは、夜は妻に小説を読んで

もらった

これは母親に童話を読んでもらう幼児体験への

退行である

人によりコウスティングの仕方は様々だが

誰にとっても有効なのは安らかな睡眠だ

 


●本書から得られた新しい知識

小説家の安岡章太郎氏は、漱石でも鷗外でも

繰り返し読むという

こうした大作家を繰り返し読んだから

自分も文章の達人になったのだろう

繰り返して読むということは

筋を追うのとは違って読む側の脳細胞を

微妙に変えるらしい

つまり趣味が形成されてくるらしい

文体の質や文章の背後にある理念のような

ものを感じ取れるようになるには

どうしても再読・三読・四読・五読・六読

する必要がある

 


●本書に出てくる格言

最後に、最も大切なる訓

己おのれに対して忠実なれ、さすれば夜の昼に

継ぐが如ごとく他人に対しても忠実ならん

借手にもなるな貸手にもなるな

借金は倹約の刃鋒を鈍くし貸金は動

ややもすればその元も金とを失い

またその友をも失う

ーウイリアムシェイクスピア

その答えは簡単に言って、私が余暇のほとんど全てをその仕事に捧ささげたこと(中略)につきましょう。毎日、同じテーマについて何時間も着実に仕事をし、しかも1年中ほとんど毎日それを繰り返すならば、いかに多くの仕事をなしうるかは、まことに驚くべきものがあります

ーW・W・スキートー

 


●本書で得られた気づき

繰り返し読むことが重要

速読より重読み、確かに歴史的

偉業を成し遂げた人が速読を

アピールしているのを聞いたことがない

ただし、この一冊と言った本は

持っている

 


●今までの自分の考えと違ったところ

漱石や鴎外の様な人でも重読みを

していたこと

 


●本書の内容で実行してみたい事

マイ本棚に繰り返し読みたい本を整理して置く

 

 

知的生活の方法 (講談社現代新書)

知的生活の方法 (講談社現代新書)