思考と読書【お金・健康・人間関係 編】

お金、健康、人間関係に関する本の書評と説明 ビジネス書や自己啓発が多くなると思います なるべく毎週投稿できるように頑張ります

■「学力」の経済学を読んで

 

「学力」の経済学

「学力」の経済学

 

 

書名:「学力」の経済学

著者:中室牧子

 

 

●本書を読んだきっかけ

何年か前のビジネス書大賞ランキング

だったため再読

 


●読者の想定

これから結婚、最近子供が生まれた

すでに子供が10歳以上になっている場合は

効果が薄いかもしれない

最初の方に書かれたベリー幼稚園の

実験結果は幼児教育の重要性について

再認識させられる

 


●本書の説明

本書はデータ”に基づき経済学的な手法で

分析する教育経済学の視点から、教育の

効果を説明している


子どもの頃に勉強しておくことは、将来の

収入を高めることにつながる

教育投資への収益率は、株や債券などの

金融資産への投資と比べても高いことが

多くの研究で示されている


人には目先の利益が大きく見えてしまう

性質があり、それゆえ遠い将来のことなら

冷静に考えて賢い選択ができても

近い将来のことだと、小さくともすぐ

得られる満足を大切にする


ハーバード大学のフライヤー教授は

2つの実験を行った

1つは「アウトプット」、すなわち学力テスト

や通知表の成績などをよくすることに褒美を与える

というものだ。

「テストでよい点を取ればご褒美をあげます」は

こちらに該当する。

もう1つは「インプット」、すなわち本を読む

宿題を終えるなどのことに褒美を与える

というものだ。

「本を1冊読んだらご褒美をあげます」は

こちらに該当する。

この2種類の実験で、学力テストの結果が

よくなったのは、インプットに褒美を与えられた

子どもたちだった。

アウトプットに褒美を与えられた子ども

たちの学力は改善しなかった。

インプットに褒美が与えられた場合

子どもにとって何をすべきかは明確だ。

本を読み、宿題を終えればよい。

一方、アウトプットに褒美が与えられた場合

何をすべきか具体的な方法は示されていない

褒美は「テストの点数」などのアウトプット

ではなく「本を読む」「宿題をする」などの

インプットに対して与えるべきだ


子どもの自尊心を高めるような取り組みは

学力を押し上げないばかりか、時に学力を

押し下げる効果を持つ、と警鐘を鳴らした

「あなたはやればできるのよ」などと

むやみやたらに子どもをほめると、実力の

伴わないナルシストを育てることに

なりかねない


子どもたちを2つのグループに分け

IQテストを受けさせた

1つのグループに対しては、テストの結果

がよかった時は「あなたは頭がいいのね」と

子どものもともとの能力を称賛する言葉を

伝えた

もう1つのグループに対しては

「あなたはよく頑張ったね」と、努力を

称賛する言葉を伝えた

その後、同じ子どもたちに、より難しい

IQテストを受けさせた。

さらにその後、最初に受けたのと同程度の

IQテストを受けさせ結果の推移を調べた

すると、もともとの能力をほめられた

子どもたちは成績を落としたのに対し

努力をほめられた子どもたちは成績を

伸ばしたのだ。


「非認知能力」と呼ばれるものがある。

これは、IQや学力テストで計測される認知能力

とは違い「忍耐力がある」「社会性がある」

「意欲的である」といった人間の気質や性格的な

特徴のようなものを指す

一般に「生きる力」といわれるようなものである

非認知能力は、心理学的な方法を使って数値化

できる

そして、その数値を分析した結果、非認知能力は

認知能力の形成にも一役買っているだけでなく

学歴や将来の年収などにも大きく影響すること

が明らかになった

誠実さ、忍耐強さ、社交性、好奇心の強さ

といった非認知能力は「人から学び、獲得するものである」

という

おそらく、学校とは単に勉強をする場所ではなく

先生や同級生から多くのことを学び「非認知能力」

を培う場所でもあるということなのだろう

このやり抜く力を

「非常に遠い先にあるゴールに向けて

興味を失わず、努力し続けることができる気質」

と定義した

このやり抜く力もまた、数値化できる

陸軍士官学校の訓練に耐え抜くことができる

候補生は誰か英単語の全国スペリングコンテスト

で最終ラウンドまで残る子どもは誰か

それぞれまったく異なる状況で

求められる能力は違うようにも思えるが

「成功する人」を事前にかなり高い精度で

予測できる


「自制心」は、筋肉のように鍛えるとよい

といわれている

筋肉を鍛える時に重要なのは、継続と反復だ

腹筋や腕立て伏せのように、自制心も何かを

繰り返し継続的に行うことで向上する

この力を伸ばすためには「心の持ちよう」が

大切である

最近では、非認知能力を鍛える手段として

部活動や課外活動にも注目が集まっている

 


●本書から得られた新しい知識

子どもにマシュマロを1つ差し出す

次に、「いつ食べてもいいけれども

大人が部屋に戻ってくるまで我慢できれば

マシュマロを2つ食べられますよ」と伝えて

大人は部屋を出る

15分後に戻ってくる

この結果、186人のうち約3分の1は15分間

我慢して2つのマシュマロを手に入れたが

残りの3分の2は我慢できずに食べてしまった

 


●本書に出てくる格言


●本書で得られた気づき

凡人×非認知能力なしだと最悪の状況

だと思うけれど実社会においては

このパターンが多いような気もする

 


●今までの自分の考えと違ったところ

マシュマロテストでは

目先の利益を優先する子供が全体の3分の2

だということ

 


●本書の内容で実行してみたい事

自制心を鍛えるためには反復に耐える

しかない

 

 

「学力」の経済学

「学力」の経済学