思考と読書【お金・健康・人間関係 編】

お金、健康、人間関係に関する本の書評と説明 ビジネス書や自己啓発が多くなると思います なるべく毎週投稿できるように頑張ります

■君のお金は誰のため を読んで

 

 

書名:君のお金は誰のため
著者:田内 学

●本書を読んだきっかけ
以前、読んだ「お金のむこうに人がいる」
が面白かったので、小説版も
読んでみた

●読者の想定
小中学生でも読める内容で
良書と思う。

●本書の説明
プロローグ
社会も愛も知らない子供たち
・多くの人がお金のために働き
お金に感謝する、年収が高ければ
偉いと思い、貯金が多ければ幸せと
感じる。生活を支えるのはお金やと
勘違いして、いつしかお金の奴隷に
なり下がる。
①お金自体には価値がない
②お金で解決できる問題はない
③みんなでお金を貯めても意味がない

第1章    お金自体には価値がない
・使っているうちに紙幣は汚れたり
破れたりする。5年も使うと
ボロボロにになるから、古いのを
捨てて新しい紙幣を使う。
本当に紙幣自体に価値があるなら
古い紙幣を捨てる理由はない
・焼却される紙幣は毎年30兆円ほど
・一人ひとりにとっては価値があるが
全体では価値が消える。
過剰流動性という言葉を覚えれば
理解した気になる、知恵の実を
食べても賢くなれない、知恵は
育てるもの、重要なのは
自分で調べて、自分の言葉で
深く考える事。
・江戸時代はずっと銅銭や小判を
使ったが明治時代になって急に
紙幣が流通した。
円の紙幣が国立銀行によって
はじめて発行されたのは1873年
(地租改正)
・地租改正で税は米ではなく
紙幣を納めるようになった
そのためには紙幣が必要で
みんなが紙幣に対しておなかを
すかした。
・金と交換できたのは補助輪みたいなもの
いきなり紙幣を使えと言われ
実際に新制度についていけずに
土地を失った農家は多い、
金と交換できる安心の補助輪が
必要で本体の車輪は税金を納める
ことだった。
日本銀行は日本国債と呼ばれる
借用書を大量に持っている。
・給料が支払われる仕事を提供
すれば、後は自然とお金が循環する
仕事を与えて給料を支払う
これは、政府が公務員に給料を
支払っているのと同じ
・税を導入することで個人目線での
価値が生まれて、お金が回り始める
みんながお互いのために働く
社会に変わった
・外国のお金を見せられても
それが縁と交換できないのなら
働こうとは思わない。
【まとめ】
# 税金の導入によって、お金(貨幣)
が必要になる
# 集めた税金を政府が使うことによって
お金が循環する
# お金は、個人にとっては価値があるが
全体では価値がない
# お金によって、人々が支えあう社会
が実現している。

第2章    お金で解決できる問題はない
・どんな問題もおかねでは解決できない
ドーナツと100円、問題を解決できるのは
どっち?
・お金を使う時、受け取ってくれる
人がいる。その人が働いてくれるから
問題が解決する。誰も働いて
くれない無人島にお金をもっていく
人はいない。
・お金を使うということを深く考える
人の存在に気づかんとあかん。
・お金を払ったからドーナツが
できるのではない
お金を受け取ってドーナツを
作っている。
お金が解決しているわけではない
・今は労働が見えないことがほとんど
お金を払う限りは誰かに問題解決
をお願いしている。
・お金を払うことで自分では
できない問題を他人にパスしている
僕らはお金を払うことで解決
出来た気になってしまう。
だから、偉そうなお客さんが
現れるし、勉強できるのは両親の
おかげだと考える。
・お金を払う側と受け取る側の関係は
まさに監督と選手みたいなもの
監督が息巻いても、実行するのは選手
・お金を配っても災害とかで国民に
物資が行き渡らない、みんなが
お金を払おうとすると物価が上がって
問題は解決しない
・「経世済民」(けいせいさいみん)
世をおさめて民を救う
経済はみんなが協力して働いて
みんなが幸せになる事
・世の中が豊かになっても
生活できない人が増えるなら
一部の人が得をしているという状態
・社会は一人ひとりが協力して
形作っていくもの、行動が変われば
社会は変わる。
【まとめ】
# 問題を解決しているのはお金自体ではなく
お金を受け取る人
# お金が商品に変わるのではなく、
自然資源に無限の労働が結びついて
商品が生産される
# お金の力は選ぶ力
解決してくれる人を選ぶことしかできない
# 無駄な仕事を減らすことで、
経済は発展している
# 成果を分かち合うことができなければ
無駄な仕事が必要になる。
# 一人一人が社会を形作っている

第3章    みんなでお金を貯めても意味がない
・お金は奪い合うことしかできないが
未来は共有できる。
・正月になれば商店街のみんなが休む
コンビニ店員も含め全員が休むなら
お金を用意しても意味がない。
・個人の視点ではパンにありつくためには
お金を貯めることに意味がある。
全体で考えると、みんなで
お金を貯めても何の解決にもならない
1億2000万もいると誰かをはじき出して
いる事に気づかない、お金を貯めさえ
すればいいと思っている。
お金を増やせるのは個人の視点
全体でみるとお金は増えない。
・利息もお金の移動、利息は
銀行が儲けたお金を預金者に
払っている、金利の分だけ
お金がふえるというのはよくある
誤解である。
ほとんどの人が自分の財布だけ見て
お金は増えるものだと考える
・世界中から服が送られてくるおかげで
特に西アフリカでは高いお金を
払って服を買う人がほとんどいない
現地で服を作っても売れないから
産業が発展しない。
私たちがアフリカに寄付するだけでは
長期的な解決につながらない
彼らが自身で生産できるように
ならなければ、、、
・食べ物を食べて手に入れるのは
幸せ、それが価値。
・みんなが便利だと思う土地は
みんなが欲しがるから結果的に
値段が上がる。
しかし、その逆は成り立たない
土地の値段だけ上がっても便利に
ならないし、下がったからと言って
不便になるわけではない。
・家族の中ではお金は取らない
家族全体の幸せのためには
高く売る事より、おいしいモノを
作ることが大切。
・土地が日本にとってうれしいのは、
外側にある外国に売るとき、しかし
自分たちの住むところがなくなって
しまう。
お金に目がくらむと、当たり前を
忘れてしまう。
全体を考えれば、値段自体があがる
事には大した意味はない。
それより、未来の幸せにつながる
社会の蓄積を増やすことの方が重要
・お金を増やすこと自体を目的に
すると、ただの奪い合いになる。
共有することはできない。
僕らが確実に共有するのは未来
・自分のお金を増やすことは否定
できないが、共有する未来を
いっしょに考える必要がある。
・値切って安く買おうとするのも
客に高く売りつけることだけ
考えるのも、お金の奪い合い
共有できることは他にある。
【まとめ】
# みんなでお金を貯めることは
将来の備えにならない
# 年金問題を解決するには、
少子化を食い止めたり、生産効率
を上げる必要がある
# お金は移動しているだけで
全体のお金は増減していない
# 未来に向けて蓄えられるのは
社会基盤や生産設備、技術や制度など
# 全体にとって大事なのは、
値段よりも使用価値を上げること
# お金は奪い合うことしかできないが
未来は共有できる。

第4章    退治する悪党は存在しない
・稼いでいる所得や持っている資産の
格差は広がっている、しかし大事なのは
暮らしぶり
・みんなを等しく便利にした会社の
創業者が結果的に大金持ちになった
AppleGoogle、Meta、Amazon
・自分の立場を利用してずるく儲ける
お金持ちと、みんなの抱える問題を
解決してくれたお金持ちとでは
意味が違う。
・儲からない投資は社会への罪
投資したお金は、会社で働く研究者や
会社で働く設備を作る人たちに
支払われる。投資した金額以上に
稼がなければ、彼らの労働が、
人々に十分な価値を提供できなかった
ということである。
見込みがないなら、働いてもらう
べきではない。
研究者は他の研究した方が世の中の
役に立つかもしれない、実際に
AIの会社で雇っている研究者や
技術者はいくらでも次の仕事が見つかる
・稼ぐのと同じぐらい使うのも難しい
使い方をよく考えないと、これもまた
労働の無駄づかいになってしまう。
・働かないで儲けるのはズルいかも
しれないが、お金を社会に還元する
とよい。
・投資は未来の提案、こういう製品や
サービスがあれば未来はよくなると
みんなに提案している。
・消費活動は未来への投票になる
消費によって流れるお金が未来を呼ぶ
21世紀になって情報技術が急激に
発達したのがいい例。
・流れるお金が多いほど
多くの人が働いている、社会の
中でどんな仕事が必要なのか
どんな人材が必要なのか、
という配分が決まる。
・一人ひとりの行動が格差を作る
こともある。
・自分の行動の影響を理解したうえで
選択することが大切。
・『社会が悪い』
社会という悪の組織のせいにして
自分がその社会を作っている事を
忘れていることが一番タチが悪い
・公共サービスによって得られる
生活の豊かさには格差がない。
・社会全体を取りこぼさないために
選挙による投票が必要。
【まとめ】
# 金銭的な格差と生活の豊かさの
格差は異なる
# 格差の無い豊かな生活を提供する
人々が結果的にお金持ちになる
# 消費と投資のお金の流れによって
未来が選ばれる
# 投資されたお金自体ではなく
それを受け取って研究開発する
人たちが未来を創造する
# 一人ひとりの生み出すお金の
流れが格差を作っている
# 現代において、税金は支配者に
よる搾取ではなく再配分に使われている
# 政府による再配分は、一人ひとり
の投票によって決められる。

第5章    未来には贈与しかできない
・政府が借金して道路を造ったら
働いているのは誰か?
政府が税金を集める代わりに
借金しても結局のところ誰かが
必ず公共事業で働く
・お金は水と一緒で、どれだけ
使われても誰かの水たまりに
移動しているだけ。
時間がたっても誰かが相続していて
今も存在している、お金は
移動するだけで増えも減りもしない
預金の増加は、お金自体の増加
ではなく、お金の貸し借りの増加
を表している。
・借金して破綻した国と、そうで
ない国を分けているのは。
そのお金で誰に働いてもらったか
ということ、破綻した国は、国の
中の人が働かなかった。
家の借金と同じで、外の人に
頼りすぎた。
・外国の人たちが大量に日本円を
保有するようになり、それを使い
はじめたら、日本にいる僕たちは
自分たちの生活だけでなく、外国
のためにもはたら働かなければ
いけなくなる
・借金と同じだけ預金が存在している
今のところは外貨をたくさん貯めて
いる。
・僕らは、良くも悪くもお金に惑わ
されている。
このお金という存在を取り払うと
経済の風景も全く別物に見える
・経済がこれほど発展したのも
贈与のおかげ、お金と商品を交換
したり、お金と労働を交換している
と思っているが、実は全て贈与である
お金に惑わされたおかげで
贈与が交換に見えるようになった。
この贈与が世界を作る、未来のために
何かをしようとする事は次の贈与に
つながる
・世界は贈与でできている
自分から他人、他人から自分への贈与
過去から現在、現在から未来へと
続く贈与。その結果、僕らは
支えあって生きていけるし、
よりよい未来を創れる、それを
補っているのがお金の位置づけ。
【まとめ】
# 全体の預金が増えているのは
誰かが借金しているだけ
# 過去からのツケが存在するの
ではなく、同世代の格差が存在している
# 借金する国ではなく、働けない
国が破綻する
# 外国に頼る以上、外国に対して
どんな価値を提供できるか考える
必要がある。
# 人から人への贈与、過去から
現在、現在から未来への贈与が
経済を発展させる。

最終章    ぼくたちはひとりじゃない
・「働く女性」も「お金を稼ぐ女性」
という意味で使われている
(専業主婦は含まれない)
・儲けること自体を目的にしたら
会社は長続きしない。
会社が長続きできるのは
社会の役に立っているから。
その結果として、儲けることが
できる、そういう会社に人も金も
あつまる。
・どうすれば「意識」が変わって
ばくたちがひろがるか?
1つは目的を共有すること
誰もが共有することができる
目的は「未来」
「未来」を守るという目的を共有
できれば”ぼくたち”は広がる。
もう1つは大事な事は、心から
人を愛するということ。
そして、愛する人を守ろうと思うと
社会が他人事でなくなる。
その人を守るためには、社会が
良くなる事を願う。
ぼくたちの範囲が広がる
・同じ言語を話さない人、
異なる宗教を信仰する人、
出会ったら憎みあうかもしれない人が
お金を使った経済によって
人々の間に調和と平和が促進
されている。
【まとめ】
# 働くとは、お金を稼ぐことではなく
誰かの役に立つこと。
# お金によって社会は広がったが
”ぼくたち”と感じられる範囲は
せまくなった
# 目的を共有すれば、”ぼくたち”
の範囲は広がる
# ”ぼくたち”の範囲をいちばん
広げられるのは、未来を共有すること
# そして、人を愛すること

エピローグ    6年後に届いた愛
・過去から現在、現在から未来への
贈与で社会はできている。
愛する人を守ろうと思うと、
社会が他人事ではなくなる。
「お金に価値はない。もっと
大事なものがあるんや」

●本書から得られた新しい知識
・ボスは英語で「所長」という意味
・江戸時代の農民は、どんなに
汗水たらして働いても半分は
年貢として納めなければならなかった
・フランスは大学まで無料だが
税金が高くて働いても3割ぐらい
しか手元に残らない。
・個人や企業が銀行に預けている
お金は1400兆円以上ある
・日本がこれまでに積み上げた
貿易黒字は250兆円、その巨額の
数字が日本人の国民性を表している
・Customer comes first
お客さん第一

●本書に出てくる格言
「未来」を守るという目的を共有
できれば”ぼくたち”は広がる。

●本書で得られた気づき
・なんのために働くのか?
最近はFIREして働かないことが
美徳の様に考える人も増えた
と思うが、、、
未来のために何ができるか?
を考える必要があると思った。

そういえば、今有名な
OpenAIのCEO、サムアルトマンは
投資で20代の時には、30歳以下
著名投資家であり、
フォーブスの番付30位に載るぐらい
であったから、
お金を沢山持っていたとおもう。
とっくにFIREできるはずなのに
何年かは成果の出ないLLMの研究と
実装に時間を費やした。
そして、AIは人の未来を変える
テクノロジーでもある。


お金は、自分の人生を自由に生きる
だけでなく未来の日本のために
使われるべきだと、改めて思った

●今までの自分の考えと違ったところ

●本書の内容で実行してみたい事
読書会の課題図書として
読書会を開きたい、