思考と読書【お金・健康・人間関係 編】

お金、健康、人間関係に関する本の書評と説明 ビジネス書や自己啓発が多くなると思います なるべく毎週投稿できるように頑張ります

■スマホ脳 を読んで

 

スマホ脳(新潮新書)

スマホ脳(新潮新書)

 

 

書名:スマホ

著者:アンデシュ・ハンセン

 


●本書を読んだきっかけ

次回の読書会のネタを探して

いたら書店で出会う。

ティージョブズが子供に

iPadを触らせなかったのは

なぜか?

その有害性は知ってはいたが

どう有害なのかを知るために

 


●読者の想定

これから日本を背負う若い

世代は読むんだ❣️

子供のいる保護者も読んだ

方がいい、知らないことで

後悔することになるかもしれない

 


●本書の説明

まえがき

・心の不調で受診する人が、ここ10年

特に若い人の間で著しく増加している

その一因は、一期のデジタル化した

ライフスタイルにあるのではないか

・現在、大人は1日に4時間をスマホ

費やしている。

10代の若者なら4〜5時間

この10年に起きた坑道様式の変化は

人類史上最速のものだ。

地球上に現れてから99.9%の時間を

人間は狩猟と採取をして暮らしてきた

私たちの脳は今でも当時の生活様式

最適化されている。脳はこの1万年

変化していない、あなたの脳はまだ

サバンナで暮らしている

なぜ人間に睡眠や運動の必要性

それにお互いの強い欲求が備わっている

のか理解するために

睡眠、運動、そして他者との関わりが

精神的な不調から身を守る3つの

重要な要素さ

人の命を奪ってきたのは癌や心臓発作

ではなく、地球上に現れてから

99.9%の時間、飢餓や殺人、干ばつや

感染症で死んできた。

Facebook、Snapchat、Instagram

は私たちの脳の報酬系をハッキング

することに成功した

SNSを、現実に会うための

ツールに開発することもできた

睡眠を妨げない、身体を動かす

偽情報を拡散しないように

開発することもできたはずなのに

 


第1章 人類はスマホなしで歴史を作ってきた

・茶色の毛皮のクマはアザラシに

存在を気づかれ餌にありつけなかった

ある日、突然変異という偶発的な

変化により白い毛皮を持ったクマが

生まれた、白い仔熊は他のクマより

アザラシに近づくのが得意だった

生き延びる可能性が高くなり

子孫を残し、その子もまた白い毛皮

を持ち生き延びて子孫を残す

確率が高くなった。

茶色の毛皮のクマは生存競争に敗れ

1〜10万年かけてアラスカのクマは

みんなシロクマになった。

・生まれてから人生最後の吐息まで

あなたの脳はたった一つの問いに

応えようとする

「今、どうすればいい?」

人間の身体と脳を形成してきた

唯一の基本ルールは

「生き延びて、遺伝子を残す」

人間のあらゆる活動は欲求の結果

その欲求とは、胸の内の精神状態

を変えたい、そこを出発点に

私たちは感情に支配される

感情は私たちにさまざまな行動を

取らせ、瞬時に全力で行動に

出られるようにする

恐怖を感じた瞬間、脳はコルチゾール

とアドレナリンを放出する司令

を出す、逃げるにしても攻撃

するにしても最大限に力が発揮

できるように

・普通の人は負の感情の方が

ずっと気になる。

 


第2章 ストレス、恐怖、うつには役目がある

心理社会的な種類のストレスを

受けると脳内でHAP系のストレス

システムが作動する

・強いストレスにさらされると

「闘争か逃走か」という選択肢

しかなくなる

・ストレスはネガティブに捉え

られがちだが、人間が機能

するにはストレスが必要だ

短期的なストレスなら集中したり

思考機能を鋭くしたりする

ことができる。

・「不安」の場合もHAP系が

作動し「闘争か逃走か」の

カニズムが作動するが

ストレスは脅威そのものに対して

不安は脅威になり得るものに対して

起こる

私たち人間は仮想のシナリオでも

HAP系が作動する

「もし試験に合格しなかったら」

「もし妻に捨てられたら」

不安を抱えている人の

ストレスシステムは常に

スイッチが入った状態だ

例えば次のような症状

①精神的に落ち着かない

②身体が落ち着かない

疲労

④お腹の不調

⑤吐き気

⑥口の乾き

⑦汗

・鬱を引き起こす原因として

一番多いのは長期のストレスだ

鬱には遺伝子が影響する場合も

あるが、鬱の遺伝子が存在する

わけでなく何百もの異なった

遺伝子が少しずつ貢献している

鬱を引き起こすリスクに影響

する遺伝子は役割が2つある

一つは免疫機能をきちんと作動

させること

もう一つは危険や飢餓、感染症

から距離を置くこと

後者は人を鬱にさせることで

達成させる

・患者は自分の感情が果たす役割を

理解するのはとても重要

不安が私たちを危険から救って

きてくれたことや、鬱が感染症

や争いから身を守るための術

だと知れば、脳が進化したとうり

働いているだけで自分のせいではない

その世界は今いる世界とは

全く違ったのだからと考える

・長期にわたるストレスは

鬱を引き起こしかねない

身体はもともと食べ物の消化

睡眠、機嫌、セックスへの意欲

よりも「闘争か闘争を」優先

させる

 


第3章 スマホは私たちの最新のドラッグである

・私たちは1日に2600回以上

スマホを触り平均して10分に

一度スマホを手に取っている

3人に1人が夜中に少なくとも

一回はスマホをチェックする

ドーパミンの報酬物質だが

最も重要な役割は何に集中

するかを選択させること

つまり、人間の原動力

ドーパミンが行動を促すなら

満足感はどこから来るか?

「体内のモルヒネ」である

エンドルフィンが大きな役割

を果たす。

・新しいことを学ぶと脳は

ドーパミンを放出する

ドーパミンのおかげで人間は

もっと詳しく学びたいと思う

新しい環境を渇望するドーパミン

産生細胞が存在する

ということは、新しい情報を

脳は報酬をもらえる、人間は

新しいもの、未知のものを

探しに行きたいという衝動が

しっかりと組み込まれた状態で

生まれてくる。

パソコンやスマホのページを

めくるたびに脳がドーパミン

を放出し私たちはクリックが

好きになる

脳の報酬システムが私たちの先祖

が新しい場所や環境を見つけた

時と同じように作動する

見返りを欲する報酬探索行動と

情報を欲する情報探索行動は

脳内で密接した関係でその二つを

見分けられない場合もある。

情報システムを激しく作動させる

のは、それに対する期待だ

何かが起こるかもという期待以上

報酬系を駆り立てるものはない

ネズミの実験では餌が出てくる

確率が3〜7割の時がネズミは

熱心に餌出しレバーを押した

脳にしてみればもらえるまでの

過程が目当てであって

その過程は不確かな未来への

期待でできている。

ギャンブルは長い目で見れば

損することは分かっていても

やってしまう。

ギャンブルの不確かさが

とてつもなく魅力的に思える

・企業の多くは行動科学や

脳科学の専門家を雇っている

そのアプリが極力効果的に

脳の報酬システムを直撃し

最大限の依存症を実現させる

金儲けという意味で私たちの

脳をハッキングしたのは間違いない

・テクノロジーに精通している

人ほどSNSを制限している

スマホのヘビーユーザーに多いのは

タイプA(怒りっぽく攻撃的なほど

積極性に富み活動的な性格)

の傾向があり、自尊心は低いが

競争心が強く自分を強いストレスに

晒している人たちだった

タイプB(おっとりした性格で人生観

を持つ人)は基本的にスマホ

依存していない

・いいねを開発したローゼンスタインは

それを度が過ぎて魅力的と考え

ている

・アプリのお知らせ機能は社会と

繋がっているように実感させて

くれる

 


第4章 集中力こそ現代社会の貴重品

マルチタスク派の人は集中が

苦手だ、それもかなり

脳には切り替え時間が必要で

さっきまでやっていた作業に残っている

状態を専門用語で注意残余(Attension residue)

という。

ただマルチタスクをすると

こほうびにドーパミンを与えて

気持ちよくさせてくれる

マルチタスクを頻繁にやる人は

些細な情報を選り分けて無視

するのが苦手、つまり

「常に気が散る人はほぼ確実に

脳が最適な状態で動かなくなる」

スマホには人間の注意を惹きつける

すごい威力がある、その威力は

ポケットにしまうくらいでは

抑えられない

そこにあるというだけでスマホ

集中力を奪う

テストの最中にメールや電話が

かかってくると応答しなくても

3倍も間違いを多くする

・今読んだ文書を質問すると

ハイパーリンクのある文書は

内容を覚えにくくなる

・集中したければスマホ

サイレントモードにするのでは

なく別室に置いておかなければ

ならない

スマホでメモを取るのと

手書きでメモを取るのでは

手書きのノートの方が講義の内容を

良く覚えている

スマホを会場に落ち込むだけで

最初の15分は集中でくるが

そのあとは集中力が途切れやすくなる

・短期記憶は既存の細胞間の繋がりを

強化する

長期記憶は脳細胞に新しい繋がり

を作るため新たなタンパク質を

合成しなければならない

新しい長期記憶を作ることを

専門用語で固定化と呼ぶ

・記憶するためには集中しなければ

ならない、そして次の段階で

情報を作業記憶に入れる

そこで初めて脳は固定化によって

長期記憶を作る

・デジタル娯楽を行き来すると

情報を効率よく取っていると

思いがちだが表面だけで、情報が

頭に入っているわけではない

それなのに続けるのは「原動力」は

そうすることが好きだから

・勉強中にチャットやメールに

返信すると読んでいる内容を

覚えるのに時間がかかる

・保存されると分かった情報は

情報の内容より保存した場所を

記憶している

・記憶の固定化は情報をその人の

個人体験と融合させ「知識」を

構築する。

本当の意味で何かを深く学ぶには

集中と熟考の両方が求められる

・机上にスマホを置いて話をすると

相手はあまり楽しく感じないし

信用しづらく共感しにくい

と感じる

ドーパミン注射を1日300回も

与えてくれるスマホは、あなたに

「こっちに集中してよ」と頼ん

でいる

・ゴルフでボールを打つ(技術を

習得)するとき大脳基底核線条体

という場所が使われる

テレビを見ながら本を読むと

情報は線条体に入ることが多い

一度に一つのことをすると

(事実や経験)情報は海馬に

送られる。

 


第5章 スクリーンがメンタルヘルスや睡眠に与える影響

スマホを強制的に手放すと

ほんの10分でストレスホルモン

コルチゾールのレベルが上昇する

「闘争か逃走か」のモードに入る

さらには

「生存のため大切なものが消えて

しまったという信号が脳に送られる」

スマホを頻繁に取り出して見る

人ほどストレスを多く抱えていた

「デジタルデトックス」に成功

するのは30%にも満たない

被験者がスマホを手放した時の

不安の度合いを30分ごと計測すると

最も不安の度合いが大きかったのは

スマホを一番使っていた人たちだった

何より一番影響を受けるのは睡眠だ

ここ数年、良く眠れない人が

増えている、これは偶然ではない

スマホが鬱になる危険性を高め

ているのは明白だが、スマホのせいで

鬱になるとは100%断定できない

スマホが及ぼす最大の影響は

むしろ「時間を奪うこと」で

運動や人付き合い、睡眠を

十分取る時間がなくなる

睡眠不足は人間の機能も低下させる

1日6時間以下の睡眠が10日

続くと、24時間起きていたのと

同じぐらい集中力が低下する

・入眠は周囲の存在を徐々に

スイッチオフにしていくことで

段階的に進行する

ベットに入る前にストレスを

受けると寝つきが悪くなる

暗くなると脳はメラトニン

増やそうとする、身体も夜だ

と思い込む

スマホはテレビよりも影響が大きい

スマホを室内に置いた子供は

そうでない子供に比べて

1時間も睡眠が短かった

電子書籍を読んだ人たちは

紙の書籍を読んだ人たちより

眠りに落ちるまで10分長く

かかった

・体重が気になる人は

夜遅くスマホを使うと食欲が

増進する可能性があることを

知っておいた方がいい

空腹ホルモンのグレリンの量が

増す

どうしても寝室にスマホを持ち込み

たいのなら目から最低36センチ

離してみる(メラトニン合成は

それほど妨げられない)

 


第6章 SNSー現代最強の「インフルエンサー

・私たちの会話の8割から9割は

自分の話か他人の噂、私たちは

ゴシップが好きなのだ

噂話をすると、満足感を

感じるように脳のメカニズム

が進化してきた

私たちを生き延びるのを助けたのは

食べ物とゴシップだ

私たちは争い事に強い関心を持つ

敵がいる人にとって、他にも

その敵を嫌っている人がいる

というのは貴重な情報だ

同盟が結べるかも知れない

・いい噂話と内省とインスピレーション

によって私たちを向上させて

くれる

・ただ、今の時代、噂話をし

コミニケーションを取り

互いの情報を得るという社交

への強い欲求はスマホやパソコン

のなかに移動している

ザッカーバーグ

「自分の周囲の人のことを

知っておきたい」という人間の

欲求をネットワーク化することに成功

成功の秘訣はそれだけではなく

「自分のことを話したい」

という欲求もである

自分のことを話しているとき

の方が他人の話をしている

時に比べて脳の複数箇所で

活動が活発になった

特に目の奥に位置する

「内側前頭前皮質」で。

もう一つは側坐核である

セックス、食事、人との交流

に反応する領域が、私たちが

大好きな話題、つまり自分自身

のことを話している時にも

活性化する

・発話として私たちの口から

出てくる言葉の半分近くが

主観的な経験に基づいた内容

Facebookをよく使う人は

自分のことを話して賞賛され

報酬中枢が活性化するほど

積極的になる

・孤独というものは数値化できず

体感するものだ

SNSを熱心に利用している人

ほど孤独を感じている

・リアルに人と会うほど幸福感

がましFacebookに時間を使うほど

孤独を感じると研究者は結論付け

ている

ドーパミンと同じく気分に影響を

与える伝達物質にセロトニンがある

群れのボスの方がセロトニン量が

多く、支配的でない個体に比べ

およそ2倍あった

教授と研究助手では教授の方が

セロトニンが多い

Facebookに投稿してしまって

つい多くを語りすぎたと後悔

した経験はないだろうか?

・無造作に選ばれた猿にセロトニン

を注射すると、他の猿と同盟を

結び新しいボスになった

セロトニンが減少すると内向的に

なる、ボスの地位を退いた猿が

新しいボスの脅威にならないように

・鬱には二種類ある

①職場や人間関係など、長期的

ストレスに起因するもの

②社会的地位を失ったことに

起因するもの

セロトニンヒエラルキー

おける位置と幸福感をつなぐ

生物学的な橋になる

・今の子供や若者はインスタグラムで

「良い人生とはこうあるべきだ」

という基準が手の届かない

位置に設定され自分は最下層

にいると感じる

10代を含む若者1500人を

対象にした調査では、7割が

Instagramのせいで自分の

容姿に対するイメージが悪く

なった」と感じている

・私たちは何に嫉妬するのだろう

嫉妬を感じるのは他人の

体験だ。

そして体験は、私たちが一番

シェアしているものだ。

Facebookを使った人ほど

人生に満足できていない

他人のバカンスや高級グルメ

の集中砲火を受けると満足度が

下がってしまう。

イエール大学の5000人を

超える心の健康2年間の調査では

ある期間にSNSを使った時間が

長かった人ほど、その後の

数ヶ月、人生に対する満足度

が下がっている。

SNSを利用することで精神状態が

悪化するリスクのある人もいる

神経質で、心配性で常に不安を

抱えている人。

精神状態が悪くならない方法もある

自分の写真はアップしないし

議論にも参加しないユーザーは

積極的なユーザーより悪化しやすい

Facebookのアクティビティー

積極的なコミニケーションは

全体の僅か9%

・社交生活の代わりにSNS

利用する人たちは精神状態を

悪くする

・特にSNSをよく使う子のほうが

満足度は低い、その傾向は

女子にだけ見られ、基本的に

女子の方がSNSを利用している

ミラーニューロンは他者を模倣

することで学習する脳の神経細胞

体性感覚野「他人がどう感じているか」

を理解する領域

ミラーニューロンは体性感覚野を

刺激することにより他者の痛みを

理解できるようにする

喜びや、悲しみ、恐怖もである

映画や演劇を見ているときの

ミラーニューロンの活動は

「IRL(現実の世界)」で人と会う

時ほど活性化されることはなかった

心の理論の能力は他人の表情や

行動、仕草を繰り返し観察する

ことで得られる

・1万4000人に及ぶ大学生を

調査したところ80年代から

共感力が下がっていた

特に二種類の能力が悪化

共感的配置という辛い状況の

人に共感できる能力

それに対人関係における感受性

別の人間の価値観に乗っ取り

その人の視点で世の中を見る

能力である。

Facebookでサッカーの試合の

画像を見た人はスポーツイベント

広告のターゲットにうってつけ

誰かの休暇の写真にいいねをした

人は飛行機のチケット予約に

興味があるかも知れない

スマホのアプリの色が鮮やかなのは

は行動学者がじっくりと研究した結果

スナップチャットはスロットマシーンを

真似ている

Twitterが立ち上がる時時間が

かかるのは待たせることで

スリルを増加させている

「あなたの注目」こそが彼らの

製品なのだ

・テクノロジーの方が私たちに

対応すべきで、その逆はないはず

・我々の先祖の最大の脅威は

ライオンでも伝染病でも飢餓でもなく

他の人間だった。

私たち人間は他の人間に対して

非常に残忍だった

発見される人骨の驚くほど多くに

頭蓋骨の左側に損傷がある

狩猟民族の10〜15%が別の人間に

殺されていたと言われている

人間の最も重要な社交的衝動から

「自分たち」と「あいつら」

分類が生まれた

知らない相手、見た目が異なる

人に対して不安が湧く

見た目の違いは何よりも気候への

適応に起因している

色の薄い肌はビタミンDを効果的に

生成するために進化した

「火災報知器の原理」により

見た目が異なる人に会うと

「気をつけろ」と扁桃体が伝える

Facebookで流れるニュースは

真実かどうかより「興味を持つだろう」

アルゴリズムが選んだ記事

SNSで拡散された10万件以上の

ニュースはフェイクニュース

の方が多く拡散されていた

全ては広告を売るために

実験でFacebookする時間を

30分に減らしたグループは

精神状態が改善した

SNSが私たちを鬱にする可能性

がある

Facebookを完全にやめると

人生に満足を感じストレスが減る

Facebookで嫉妬を感じていた

人たちへの影響がとりわけ

顕著だった

 


第7章 バカになっていく子供達

スウェーデンでは11歳は

実質全員(98%)が自分のスマホ

を持っている。

ティーンエイジャーは1日

3〜4時間をスマホに費やしている

・脳の奥にある前頭葉は衝動に

歯止めをかける事ができるが

成熟するのが一番遅い

25〜30歳になるまでに

完全に発達しない10代の頃は

まだ無口である

ドーパミンシステムの活動は

生きている間に減少し10年で

約1割減る

・衝動を制御する能力が完全には

成熟していない上に激しい興奮を

感じる時期と重なり若者は

危険を冒す事ができる。

・二歳児は本物のパズルを

することで指の運動能力を

鍛える、これはiPadではできない

「衝動をコントロールする

能力を発達させ、何かに

注目を定めて社会的に機能する

ためにはあそびが必要だ」

前頭葉は社会的な強調にも

重要で人間のそれは複雑だ

訓練し、経験を重ねるのに

何十年もかかる。

・将来もっと大きな「ごほうび」

をもらうために、すぐにもらえる

「ごほうび」を我慢するするのは

非常に重要な能力だ

スマホを使い始めることで

報酬を先延ばしにするのが

前より下手になった

・今の子供は即座に手に入る

ご褒美に慣れ、すぐ上達できないと

やめてしまう

タブレット端末で本を読む

より神の本を読んだ方が

内容をよく覚えていた

同じ小説を読んだのにである。

・一部の生徒、特に成績上位

の人はスマホが益になることが

あるかも知れない、それほど

悪影響を受けないだろうが

それ以外の生徒にとっては

スマホは害にしかならない

スマホの使用時間1時間を

達成できる子供は、たった5%

・10代のティーンエイジャーは

体内時計の遅延が起きる時期で

夜型になり朝起きるのが辛くなる

2011年にはオーバーヒート

ことき何が起きたのか?

スマホが本格的に普及した

睡眠の悩みは特に女子に顕著で

考えられる説明は

SNSに費やす時間が女子の方が

多い、男はゲームをしている

スマホやパソコンの前で過ごす

時間が多いほど気分が落ち込む

タブレットを一日10時間使う

ティーンエイジャーが最も

「幸せではない」と感じている

一方、それ以外、誰かと会ったり

スポーツしたり楽器を演奏したり

すると精神的に元気になる傾向

がある。

スクリーンを見る時間が1日

2時間を超える人は特に

リスクが高まる、一定の時間

であれば健康に好影響を与える

という研究もある

・精神科を受診する若者が

急増した2010〜2016年は

スマホからインターネットに

アクセスできるようになった

こと1日平均4時間を費やす

これほど大きな行動の変化は

人類史上一度もなかった

・人間には新しいものを発見し

学びたいという衝動がある

「報酬の探求」「情報の探求」

を区別できないこともある

 


第8章 運動というスマートな対抗策

・心を落ち着かせる一番いい方法は

ランニングシューズを履いて外に出る

ランニングから戻るとストレスは

消えている

・授業前に15〜20分運動すると子供は

集中する時間は15分より短くても

効果がある

300人のティーンにスマホをつけた

実験では、よく動いた子供ほど

集中力が高まった

心拍数が上がる運動だとなお良い

また、運動によって計画を立てたり

注目する対象を変えたりする

実行機能も改善する、

この場合は数週間から数ヶ月の

定期的な運動が必要。

・運動を取り入れたことで

最も高く評価されるのは

集中量アップよりストレスや

不安への効果である

不安に陥りやすい大学生を

二つに分けて片方にはキツイ

レーニング(60〜90%強度の

心拍数)、片方には緩い(散歩20分)

レーニングをさせる

2週間で合計6回

きついトレーニングを実施した

方が不安の度合いは減った

・ストレスのシステム自体は

サバンナ時代から変化していない

進化は私たちに安全を確保する

ため猶予を組み込んだ

近づいてくる音ほど実際より

大きいと認識する。

良いコンディションの人は

ストレスシステムをあまり作動

させなくて済む

進化の過程で有酸素運動

ストレス予防になった

14歳の運動量は2000年頃と

比べると女子24%、男子30%

減っている、理由はスクリーン

ばっかり見ているせいだ

・私たちの祖先は身体の状態に

関しては「怪物」だ

・あらゆる種類の運動が知能に

良い効果を与える

運動によって一番改善されたのは

知能的な処理速度だ

運動していると頭の回転も

早くなる。

週に2時間、45分×3回

の運動を取り入れる。

脳だけの話だとこれ以上運動

しても、さらに効果が上がる

わけではない。

 


第9章 脳はスマホに適応するか?

・欧米ではIQのスコアがここ

100年で30%も上昇している

現代人の方が知能テストに出てくる

抽象的、数学的な訓練をずっと

多く受けているのが理由

ただ、北米ではIQの上昇が頭打ち

・インターネットは本当は違う

本を開けば他の人間の思考に

身を置き、その人が書き記した

文書に集中できる

インターネットは本当は逆の存在

深い思索を拡張しない、表面を

かすめて次から次へと進んで

行くだけ、目新しい情報と

ドーパミン放出を永遠に求めて

・進化の基本は生存や繁殖に

メリットになる特質が一般的

になること。

その特性を持たない人は

生き延びることも子孫を残す

こともできない。

・私たち人間は自然に幸せにならない

そんな世界で生き延びるため

心配性で警戒心が強いことが

長所だった。

幸せなホモサピエンス

生き延びる勝算は高くなかった

不安や気分の落ち込みは

生存の観点からすると

心の平安より大事だった

自然が人間に長く続く幸福感

を埋め込む価値を見出さ

なかった。

ポジティブな感情は、もっと

もっとという欲求に変わって

しまう、引き続き行動に出られる

ようにするために。

今のような余裕のある環境に

人間はまだ適応しない

だから私たちは不安を感じ

危険を探し続ける。

・ほとんど全員が元気になれるコツ

睡眠を優先し、身体をよく

動かし、社会的な人間関係

を作り、適度なストレスに

自分を晒しスマホの使用時間を

制限する。

Facebookの「いいね」を

取り込むことに慣れれば

慣れるほど大きな情報の魂を

うまく取り込める

 


第10章 おわりに

FacebookInstagram

親指やハートマークをつける

タイミングを調整して

私たちの報酬系をハッキング

している

 


デジタル時代のアドバイス

・自分のスマホ時間を知ろう

・目覚まし時計と腕時計を買おう

・毎日1〜2時間スマホをオフ

・プッシュ通知も全てオフ

スマホの表示を白黒に

・運転中はサイレントモードに

【職場で】

スマホを手元に置かない

隣の部屋に置く

・チャットやメールをする

時間を決める

【人と会う時】

・マナーモードで遠ざける

一緒にいる相手に集中

スマホを取り出すと周りに

伝染する

【子供、若者へ】

・教室でスマホ禁止

・スクリーンタイム制限

代わりに別のことをする

・良い手本になる

【寝るとき】

スマホタブレット電子書籍

の電源を切る

スマホを寝室に置かない

・どうしても置くときは

着信音をオフ

・寝る前に仕事のメールを

開かない

【ストレス対処】

・兆候を見逃さない

【運動と脳】

・どんな運動でも良い

・週に3回45分、できれば

息が切れて汗をかくまで

SNS

・積極的にフォローしたい人だけ

フォローする

SNSは交流の道具と考える

スマホからSNSをアンインストール

パソコンだけ使う

 


人生のバイブルに

運動するだけでストレスに

強くなり記憶力や集中力がアップする

 


●本書から得られた新しい知識

・アフリカの部族のBMIはおよそ20

米国の平均BMIは平均29(あと一歩で肥満)

・狩猟民族時代

当時は人口50〜150人程度の集団

常に移動し住居は簡素

障害人に会う人数は200人程度

今は生涯100万人の人に会う

当時全人口の半数は10歳を迎えず

亡くなった

当時の平均寿命は30歳たらず

今は女性75歳、男性が70歳

当時の人口の10〜15%は他の人に殺された

今は殺人、戦争、内戦で他の人に

起因する死は死者全体の1%

当時は注意散漫で危険を常に確認

今は注意散漫にならない方がいい

当時は体を動かして食べ物を

探さなければ餓死する可能性大

・HPA(視床下部・下垂体・副腎系)

HPA系はまず視床下部(Hypothalamus)

という脳の部分から始まり

そこから下垂体(Pituitarygland)という

脳下部の分泌系に信号が送られる

すると下垂体は腎臓の上にある

副腎(Adrenal glands)へコルチゾール

というホルモンを分泌する

・スピーチ恐怖症

「共同体から追い出されないこと」

そんな想像が脳のストレスシステム

を作動させ心臓がドクンドクン

スウェーデンでは2018年12現在

16歳以上の100万人近くが

抗うつ薬の処方を受けている

・19世紀末から20世紀初頭に

一番多かった死因は肺炎、インフルエンザ

結核、下痢の順で、どれも感染症

・あなたの休暇の写真に「いいね」

が付くのは実は、誰かが

「親指を立てたマーク」を

押した瞬間ではない保留して

報酬系が最高に煽られる瞬間

を持つのである

スウェーデンでは2〜3歳

の子供は3人に1人が毎日

タブレットを使っている

Google効果

情報が記憶に残らない

デジタル性健忘ともいう

内容よりも情報の場所を覚える

ダンバー数

人間はおよそ150人と関係を

築ける、他人のことをどう思って

いるかまで近い関係にになれば

そのぐらいの数字に限定される

・世界の広告業界は毎年60兆円

規模で新聞、テレビ、街頭広告から

スマホに引っ越してきた

・毎日2.5京バイトのデータが

新しく生まれている

・ストレスブルーテスト

色の名前が別の色で書かれている

単純なテストで、その結果が

各種の衝動を抑える能力を語る

・私たちの先祖は毎日1万4000歩

から1万8000歩、歩いていた

と思われる。

今の私たちは1日5000歩にも

満たない

・ロンドンでタクシー運転手に

なるには道路を2万本と場所を

5万ヶ所記憶できなければ

ならない

・ナレッジのテストを勉強

している志願者は

特に海馬の後部が成長する

同年代の一般人の脳や不合格者

の脳では変化は見られない

・自動化や人工知能の普及で

人類に残されている仕事は

おそらく集中力を要する仕事

・研究には時間がかかる

計画をたて、被験者を集め

調査を実施し、結果分析して

それをまとめて学術雑誌に

発表する。これには通常

4〜5年かかる

・知能は多くの場合、遺伝子に

起因する、しかし、たった

ひとつのIQ遺伝子が存在する

のではなく何百もの遺伝子が

少しづつあなたのIQに寄与して

いる。

・今の私たちのカロリー摂取量は

1日200キロカロリー

超えている。

 


●本書に出てくる格言

・私たちはウイルスの感染拡大に

付随して、インフォでミックにも

襲われている

ーWHOの警告ー

地球上に存在した時間の99%

動物にとってストレスとは恐怖の

3分間のことだった、その3分が

過ぎれば自分が死んでるか敵が

死んでるかだ。

で我々人間はというと?

それと同じストレスを30年ローン

で組むのだ。

ーローバート・サポルスキーー

できるだけ長い時間その人間の

注目を引いておくにはどうすればいい?

人間の心理の弱いところを

突けばいいいいんだ。

ちょっとばかりドーパミン

注射してあげるんだよ。

ーショーン・パーカー(Facebook 元CEO)ー

製品を開発するときは最善を尽くす

のは当然のこと。それが

思っても見ないような悪影響を

与える、それに気づいたのは

後になってからだ

ーローゼンスタイン(いいね開発)ー

SNSが人々に与えた影響を悔いている

私たちが作り出したのは

短絡的なドーパミンを原動力にした

永遠に続くフィードバックループ

それが既存の社会機能を壊して

しまった

ーチャマス・パリハピティア(FB副社長)ー

冷や汗をびっしょりかいて

目を覚ますんだ、僕たちは

一体なにを創ってしまったのだろうって

うちの子供たちは僕がスクリーン

を取り上げようとすると

まるで自分の一部を奪われるような

顔をする。そして感情的になる

それも、激しく。そのあと数日間

放心したような状態なんだ。

ートニー・ファデル(Apple幹部)ー

iPadはそばに置くことすらしない

うちでは、子供たちがデジタル

機器を使う時間を制限している

スティーブ・ジョブズ

人間はマルチタスクが苦手だ

得意だという人は、自分を

騙しているだけ!

ーアール・ミラーー

比較は喜びを奪う

セオドア・ルーズベルト

デジタル端末画面の依存症は

甘いお菓子とクラックのどちら

に近いかと言われると

クラックだ

クリス・アンダーソン

脳は身体を動かすためにできている

そこを理解しなければ

多くの失敗を重ねることになるだろう

ーマイケル・ガザニガー

デジタル社会が人間を注意散漫

にしている

ー著者ー

心の不調ほど軽く見られている

健康問題はない

ーヴィクラム・パテルー

 


●本書で得られた気づき

ドーパミンの最重要課題は

人間に行動する動機を与える

ことである

 


●今までの自分の考えと違ったところ

 


●本書の内容で実行してみたい事

スマホ時間を一日1時間を目指す

電子書籍より紙の本を特に実用書

Kindleは雑誌や小説用に

インタバルトレーニング復活

  

スマホ脳(新潮新書)

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