書名:マーケッティング大原則
著者:足立 光・土合 朋宏
●本書を読んだきっかけ
紀伊國屋の本棚で発見して
迷彩の模様のパッケージが印象的で
つい手に取ってしまった
●読者の想定
最近のマーケッティング原則に
ついて学びたい人
本書は2020年が初版ではあるが
賞味期限はあると思うので
お早めにどうぞ
●本書の説明
はじめに
・マーケッティングとは
①人の心に何かしらの影響を及ぼして
結果的に行動を変えること
②目的達成のためにすべき全ての
ことを行うこと
③成功が継続するような仕組みを
作ること
・マーケッティングの分野
4P:①商品(Product)
②価格(Price)③プロモーション(Promotion)
④流通(Place)
4C:①顧客価値(Customer Value)
②顧客負担(Cost)
③顧客とのコミニケーション(Commumication)
④顧客の入手容易性(Convenience)
■PART1 マーケッティングの基礎
第1章 戦略的コンセプト
・コンセプトこそマーケッティング活動
の全ての中心
・戦略コンセプト
①ターゲット(Audience)
②消費者便益(Benefit)
③カテゴリー(Category)
ドメイン、ジャンルともいう
ライバルはポジショニングに関わる要素
④差別点(Point of Difference)
⑤トンマナ「トーン&マナー」(Emotional Character)
デザインの方向性にとどまらず
音楽や雰囲気なども含む全体的
な要素を定義して共通認識に
しておく
・「あなたはこんなことで困って
いませんか」(インサイト)
「新しい商品はこんなことが
できます」(消費者便益)
「できる理由はこういう理由
です」(差別点)
といったことをきちんと伝える
のがコンセプトボードの役割
インサイトや消費者便益は
差別点を明確に伝えるだけでなく
何となくその雰囲気を感情に
訴えた方が売れる
・カテゴリーや競合は
供給者目線ではなく
「消費者がどう選択しているか」
・コンセプトをテストする
時に使う素材と実際の広告や
コミニケーションのギャップ
が少ないほど成功の確率が上がる
・自社の提供価値を明確に
規定して社員と共有できていると
意思決定の際に判断基準が
ブレない
第2章 マーケッティング戦略
・9セグメント
①積極ロイヤル顧客
②消極ロイヤル顧客
③積極一般顧客
④消極一般顧客
⑤積極離反顧客
⑥消極離反顧客
⑦積極認知・未購買顧客
⑧消極認知・未購入顧客
⑨未認知顧客
注目すべきは⑥の以前は
使っていたが今は興味がない
・製品を全く変えなくても
新たに「話題化」すれば
売り上げや利益を格段に延ばす
ことができる
・季節限定消費よりレギュラー商品
の方が収益率が高いことが多い
・少し割れている卵を
「わけあり品」としてではなく
「くずれ煮卵」1日100個限定
の手作りとパッケージでの
訴求を変えると売上改善した
・アイエヌイーはオンラインで
テストして実店舗に出す
・マーケットリーダーと同じ
土俵(便益)で戦っていては
いつまでたっても勝つことは
できない
業界での重要とされる便益を
変えてしまうことで
マーケットリーダーを切り崩す
(ゲームチェンジする)
オムツでは「漏れ」を気にする
人はほとんどいなくなっていて
「コンパクト」「肌にやさしい」
という便益を出しパンパースの
シェアを奪った
・同じ業界で成功している競合
のキャンペーンを見ると真似
したくなるため差別化にならない
他の業界で成功している
キャンペーンを自分の業界に
当てはめたらどうなるだろう
と考えるのが有効
・「次にこのブランドを買いたい
と思いますか?」という質問
に対するシングルアンサーが
ブランディングも販売促進も
すべての施作の成果を最も
正確に計測できる。
・経営者とマーケッターが
自社ブランドを偏愛するあまり
顧客とは関係ない訴求を
しないように注意する
第3章 アイデアの創造
・アイデアとは「異なったもの同士の
結合、組み合わせである」
重要なのは
「アイデアを出すステージ」と
「アイデアを絞るステージ」を
必ず分ける
アイデアを出す段階で批判はナシ
複数のアイデアを大きくまとめて
ラベリングしてみると、まったく
違うものが見え、さらに発想が豊か
になり、別のビッグアイデアが
出てくる
・ベネフィットの裏側には
消費者が充足していないニーズ(N)
があり、この未充足のニーズを
つかまえるものがベネフィット
であって、それとアイデアが
セットになると新しい商品の
コンセプトになる。
・消費者が「なぜそれを使っているのか?」
とか「本当は何を(解決)したいのか?」
といった問いを立てリサーチ
することで、未充足のニーズに
近づくことができる。
・必ず「それは、なぜ(面白いと思うの)
だろう?」と考える癖をつける
・濡れた雑巾を絞ると水が出る。
絞り続けると水が出なくなる
でも、そこからさらにググッと
絞ると、2滴ぐらい出る。
そこまでやるのがアイデアを
つくるということ。
・普段の生活の中で、いろいろな
人と会いながら考えるもの。
・数字に勝る説得材料はない
第4章 消費者理解
・「どちらの言葉に惹かれるか」
というような「ABテスト」は
調査目的は明確だが
仮説を決めずに調査を実施
している場合が多い
調査をする前にしっかりと
「仮説」を立てることが大切
仮説を見つけるための調査は
ほとんどの場合「定性調査」になる
・調査を行う前に、その結果の
良し悪しを判断するための
「基準値」を必ず設定
・日本の消費者はロジックでなく
「感情」で動く。
・定性調査の結果で意思決定しない
・定量調査では「基準値」を設定
・データドリブンマーケッティング
・消費者理解にも長期的な優位性
にもならない
・消費者のロジックだけでなく
感情、「なんとなく」という
感覚に影響を及ぼす
・一番いいのは自分が普段会って
いる人たちに聞くこと
「知っていますか?」
「使っていますか?」
「どれくらい使っていますか?」
「次に使おうと思ってますか?」
で9セグメントのどこに入るか
わかる
・お客様がいるから自分が
存在できるんだということが
わかっていれば
自分はお客様に何ができるんだ
ろうかと常に考えることができる
・知らない人には
「代替品として何を使っていますか?」
と聞けば良い
第5章 新製品開発
・5年後、10年後どうなるんだろう?
と考えると、今は勝てないけど
将来勝てるかもしれないという
ネタがきっとある。
・戦略を立てるときに自社視点
だけではなく
「競合が何をやられたら最も嫌か」
を競合視点から考える
・全く違うカテゴリーや、外国で
で成功している製品・サービス
のアイデアや事業を買収して
自社ブランドとして販売して
しまうというのは、とても有効
・製品・サービスの「コミニケーション」
として最終的に唯一残るもの
最終的に頼りになるものは
ネーミング
新製品開発のコンセプト作りの
ところから、ネーミングも一緒に
考えてあげることが大事
・開発される製品・サービスの
中に最初からどう話題かするのか
の要素を入れておくのがベスト
・人は一日3000回、何かしらの
広告またはコミニケーションに
触れていると言われる、つまり
その広告をみた瞬間に心に残る
ようなインパクトのあるもの
でないと、そもそも覚えてもら
えないので、広告をする意味がない
・たとえ炎上したとしても
もうすでに対策はあるという
状態であることがとても重要
「世の中バカが多くて疲れません?」
で炎上したが
「世の中お利口が多くて疲れません?」
に差し替えた(確信犯的手法?)
・日本企業の多くは意思決定が
男性ばかりになりがちです。
そんな状態で本当に女性向けの
新製品の開発やキャンペーンの
企画について正しい判断が
できるのでしょうか
顧客目線とはそういった構造的な
問題を解決することも含んでいる
・「自分のビジネスを脅かすもの」
こそが新製品のヒント
・競合のプロfヒットセンターを
攻める
・イノベーションは「既存の
技術の強化〜既存の技術の無化」と
「今の顧客向け〜新しい顧客向け」
という2つの軸で評価する
新しくてユニークで便益があって
ビジネスになるというのを
全部イノベーションと呼んだ方が
マーケティングを実践している方
の現状に即している
第6章 話題化
・話題にならないと売れない
時代のマーケティングで
「こんな話題になれば、売れるかも」
という、話題化のアイデアが
製品・サービス自体にないと
なかなか話題化しない
・話題化ユーザーセグメント
X軸:話題化しない↔︎話題化する
Y軸:売れない↔︎売れる
・フォロワーの数とインフルエンス
の効果とは必ずしも相関しない
10万にリーチすればいいなら
インフルエンサーだけでも効果あり
でも100〜200万にリーチしたい
なら最初からインフルエンサー
というのは選択肢に入らない
・世界4位のソフトウエア会社
ドイツのSAPは自分のユーザー企業
を出して
「この会社もあの会社も、SAPの
ソフトウエアによって動いている」
と宣伝している
・個人のオンラインメディアの
影響というのは限定的、または
非連続的です
・構造的に話題化できるSNSは
Twitterしかない
今現在、話題化したかったら
Twitterが唯一の選択肢です。
ツイートを読んだユーザーが
思わずリツイートしたくなるような
コンテンツや仕掛けを考える
ことが重要です。
いまだに多くの企業では、Twitterが
単なる広告メディアまたはSNS
の一つでしかないと考え
キャンペーンの最後の最後に
Twitterを検討する
・人が話題にするのは昔から変わらない
「新しい」「唯一」「限定」
「対立構造」「どっちがいい?」
議論できる対立構造があるといい
・電通グループ「PRIMPAKUTO®️」
Inverse(逆説、対立構造)
Most(最上級、初、独自)
Public(社会性、地域性)
Actor /Actress(役者、人情)
Keyword(キーワード、数字)
Trend(時流、世相、季節性)
・内容は常にソーシャルメディアや
PRと一緒に考えるべき
同時に広告やPRを打って
「なんとなく知っている」状態
を作ることが必須
・話題化のトピックは製品や
サービスの便益や特徴と必ず
結びつける
製品・サービスにかかる全てを
話題化の要素として考える
・Twitterをうまく活用している
企業は一方的に押し付ける
のではなく「話題にしてもらえ
そうなネタを、Twitterの中に
置いておく」
キャンペーン全体が話題化できる
仕組みになっている
・マクドナルドはこうゆう話題に
したいからこういう商品を作ろう
と通常とは逆のやり方
「ビックマックにベーコン加えたら
ビックマックと呼べるのか?」
といった対立構造を作った
・Twitterを最も活用しやすいのは
新商品や新サービスを発売する時
発売前にきっちり話題を作って
発表時の話題を最大化して
その製品やサービスを体験した
ことが再度話題になるという
3つの話題の山ができるのが理想
話題化→試す人が増え→体験談
でさらに波及する
▼Twitterをもっとうまく活用する
①Instagramと一緒に考えてない?
②話題化を促進するような
キャンペーン設計になっている?
③世の中の「モーメント」を捉え
られている?
・最初にTwitterでどのような
話題を作りたいかを考える
ことが最も効率的、かつ効果的
■PART2 基本的製品戦略
第7章 価格設定
・同じものをいかに高く売るか、
それを考えるのがマーケティング
・革新的な仕組みを構築できない
限り、価格破壊を狙うマーケティング
は難しいのが現状です
・価格設定の正しいやり方は
そのサービスが「いくらで売りたい」
「いくらなら売れる」ということを
先に決めて、その価格で売れる
ような喧嘩になるように物や
サービスを設計する、という順番
・どうやったら新たな需要を作り
しかもより高い価格で売れるのか
ということを既存の価格帯に
縛られずに考えることが重要
・使い続けることでの価値提供
までも含めたビジネスモデル・価格
というのを考えなければいけない
時代になってきた
・価格設定の目的は価格を決める
ことではなく「お得感を出すこと」
・今や製品やサービスの売れ行きが
価格の上下に左右されにくいという
現象の方が顕著です。
・多くの消費者は価格だけではなく
製品やサービスに付随した
ブランドイメージといった
情報を含めて価値を判断している
製品・サービスに価値ある情報を
付加すれば、価格競争に対抗できる
第8章 製品ミックス
・コルゲートは、それまで細分化
されていた歯磨き粉の市場に
これ一本で解決という
「コルゲート・トータル」を投入
発売2ヶ月でシェア35%獲得
・製品ミックスには正解はない
そもそも強いブランドでなければ
細分化する意味はない
2・3番手は「ゲームチェンジ」
することでシェアの逆転を狙う
・既存の製品の高級版を
「プレミアム版」として出すのは
おすすめしない
逆に高価格帯のブランドが
低価格帯の製品を出して成功
した例は多々あります
・特保は特殊なカテゴリー
パッケージには必ず、特保マーク
「内脂肪を減らすのを助ける」
といった規定のコピーを入れる
・強いブランドは製品ミックスの
拡張はビジネス拡大に効果的だが
希薄化につながるため、やりすぎ
てはいけない
弱いブランドの細分化は競争力
を落とすだけ
既存ブランドの高価格版より
高価格ブランドの低価格版の
方が成功確率が高い
第9章 パッケージ
・パッケージを作るときは
「いったいそのパッケージで何を
コミニケーションしたいのか」
を決めなければいけない
・パッケージテストは2つ
「どう思いますか?」
「何が伝わりますか?伝わりませんか?」
・P&Gには「仮想店舗」の
スペースがあり、そこに
新パッケージを競合と並べて
評価するのが慣例だった
・新しいパッケージをデザイン
する際には、製品が使われている
場所もしっかり考慮する
・日本は現役世代の人口7000万人
に理解してもらえるような
パッケージになるのが理想
・こうすれば勝てる、こう勝ちたい
という戦略の一部として
見てわかるようなパッケージの
ニューアルをするのが正しい
パッケージ変更
・QRコードによる販促は自己満足
に近い
・ネーミングやキーワードで
どう差別を打ち出すかという
ことが重要
・ECサイトでは、どう使うか
というイメージが湧く画像や
動画をパッケージや商品説明と
一緒に見せてあげることも重要
・製品のサイズは、販売価格や
収益性、競合との差別化につながる
とても重要な要素
パッケージの形状では「棚効率」
も考えなくてはいけない
製品の正面だけでなく側面でも
十分にコミニケーションできる
ようなデザインを考える必要がある
・消費者は賢いので小さなサイズが
割高だと知っているし
使う場所を考えたら大きくていいし
どれを買っても大したリスクがない
こともわかっている。なので
トライアル理論はもはや無効
・パッケージは業界によっては
唯一の消費者とのコミニュケーション
・後のニューアルを考え
残すべきブランドの要素・特徴を
考える
・格好良さではなく、わかりやすさ
を追求する
・新商品というだけの訴求は意味がない
・ニューアルは「新しさ」
「カテゴリーらしさ」のバランス
が重要
第10章 流通戦略
・流通に関しては、アンゾフの
マトリクスの通り
既存製品を既存チャネルで販売
するケース、既存製品を新しい
チャネルに拡大するケース
既存のチャネルで新しい製品を
販売するケース、そして全く
新しいチャネルで新しい製品を
販売するケースがある
・他の流通でも販売している
製品は自社サイトではほとんど
売れない、自社サイトには
「品揃え」「価格」がないから
である
他の一般流通や大手ECサイト
での販売をやめるというリスク
を取らなければ、まず成功
しません
・今は「小さいターゲットに刺さる
小さいブランドの集合体」という
会社の方が間違いなく強い
・OEMは自社の製品を他社ブランドで
(特定の流通で)販売するもの
なので他社ブランドでしかなく
ほとんど自社ブランドに貢献する
ことがない
製品を提供するメーカーが
OEMによって何かしら高い
評判を得ることがない以上
マーケティング的には無意味
・ネットの顧客は「大型」に対し
お得感を感じる傾向がある
・ほとんどの製品は店頭での
「露出」に比例して売り上げが
変わります
POPがちゃんと付いているのは
製品が一番売れる状態
・値引きは、なくなる利益に
対するインパクトが圧倒的に
小さい
値引きのテストは恒常的に行い
いざというときに備えておく
ことが大切
・一般誌の折込チラシほど
効果のあるものはまだ存在しない
・ポスティングは他に広告を
打つオプションがあまりない
地域密着とか地域限定の製品
サービスを販売する会社の
ための手法
・ブランドイメージを考え
どこで売られているか(いないか)
を決める
・流通販促費とマーケティング費用は
並列で投資効果を検討する
・収益を最大化する値引きの額や
手法を常に準備しておく
■PART3 消費者コミニケーション
第11章 良い広告とは
・広告の一般的な目的は
「売上の最大化」です
一つの広告で伝えることのできる
メッセージはせいぜい1つか2つ
メッセージをその一つか2つに
絞ることがマーケティング担当者
の重要な仕事です。
マーケティング担当者は
「誰に何を訴求して売上げを
最大化するのか」というところまで
明確にしておく
認知してもらうには印象に残るような
「インパクト」とか、見た時に
何らかの感情に突き刺さる
ような「違和感」が不可欠
・広告を開発する際には
「戦略的な思考」と
「クリエイティブなジャンプ」の
両方がとても重要
戦略的な思考の基本は
「一般の消費者と、どれだけ
同じ感覚を持てるか」ということ
絞ったメッセージをどう伝えるかは
クリエイティブなジャンプが
求められる
・関与度が高い製品・サービスほど
多面的な情報を広告で伝えなければ
なりません
この際には違うポイントを伝えること
同じポイントを別の人が色々な
言い方で伝えていくことの
「組み合わせ」が最も効果的
映画用ような業界では、
「いろんなポイントを、いろんな人が
伝える」分散型の広告の方が
成果を上げている
・最初のコミニケーションでは
些末なことを発信してはダメです
まず「最も興味を持ってくれる情報」
を伝えなければならない
・広告に接したとき
「私には関係ない」と感じてしまうと
以後、ずっと広告を「素通り」する
(目の前に流れていても意識に入らない)
傾向が強い
「私に関係がある」ものかどうか
判断する基準は、広告のトンマナ
つまり、全体のセンスや雰囲気です
・広告は「導入部分」がとても大事
オンライン動画広告には
①スキップパル
②アンスキップパル
という二種類がある。
・消費者コミニケーションの基本は
「繰り返し伝える」こと
これしつこいんじゃないか
と思うぐらいに。
・米国のマーケティングは
「ブランドのコア価値を伝えていく」
ことです。うちのブランドは
素晴らしいという前提に立って
いる
「誰がなんと言おうと、それは
輝いている」と思う傾向が強い
・アジアは全般的にセレブリティ
広告が盛ん
・「このブランドの価値は本当は
何だ?」というようなことを
しつこいほど突き止めて考える
第12章 広告代理店との付き合い方
・いい広告ができるかできないかは
そのブランドや製品・サービスの
力とクライアント側のマーケティング
担当者の力量にかかっている
・話題化しないとなかなか売れない
その場合相談するのは広告代理店
ではなくTwitterです
・広告代理店を選ぶ正しい(思想的)
基準は「会社」ではなく「人」です
広告代理店は「パートナー」です
決して「出入り業者」ではありません
もし最低限以上の仕事をして欲しい
のであれば、クライアント側が
「いいクライアント」にならないと
いけない
・クリエイティブ・ブリーフの主要素
ブランドや製品、サービスのコンセプト、
消費者のインサイト、
売上げ目標、マーケティング戦略
(その製品・サービスをどういうふうに
売っていくか、この広告がどういう
位置付けなのかなど)
キャンペーンの期間と出稿を
想定するメディアなど
期待するターゲットの態度変容、
留意事項として「これは絶対やって
ください」と言ったことも書く
あくまでも大きな外枠、考える
スターティングポイントを提供
するもの、あるいはクリエイティブ
の人への刺激やヒントとして
作成し細かい情報の羅列にならない
ように注意する
・面白いアイデアが思いつかない
戦略には意味がない
・いい広告を作るにはロジックよりも
「感情」が大切
・タレントのキャスティング
関係者を説得できるだけの知識と
人脈を作っておく
・どうすればこの製品・サービス
が売れるんだろうと考え抜いた
上でコミニケーションの核とする
エージェンシーを決める
・全部のメディアを横串で見て
「じゃあ、この目的のためには
そのメディアと何をやれば
いいんだろう」と、専門的に
比較して考えられるメディア
担当者がいた方がいい
メディアの種類が増えれば増えるほど
各メディアの長所や短所を
知っていること、各メディアを
通した横串で広告の効果を
測定できることは、とても重要
・自社でメディア全部を見る
スペシャリストを育てた方が
話が早い
・達成したいことにより最適な
エージェンシーは異なる
エージェンシーがオフ・ブリーフ
の提案をできる余地を残す
・必ずビジネスのコールを達成
その広告に触れた人の人生を
1ミリでも前に進める
・日本は1案件ごとに競合プレゼン
にかける悪しきカルチャーがある
・最初にます広告で強い印象を
与え、2度目はソーシャルメディアで
もう一度効かせる
第13章 TVなど既存のマスメディア
・メディアの種類
①マスメディア
②オンラインメディア
③アウトオブホームメディア
交通広告、看板
④店頭
・マーケティングでは
①オウンドメディア
②アーンドメディア
③ペイドメディア
という分け方もする
「複数のメディアを使って、
どれだけ効率的よくリーチを取り
メッセージも伝えていくか」
・メディア選定は、プロモーションや
キャンペーンのプラニングの
最後に決定する
・ある商品サービスを買った人の
購入までの実態調査
「この製品・サービスを知ったのは
いつ頃で、どのメディアだったのか」
「どのメディアで見た広告が
印象に残っているか」
「最終的に購入しようと決めたのは
いつ頃で、それはどのメディアの
影響か」
と言ったことを理解する
・消費者ターゲット別にメディア
接触と勾配までのプロセスを
理解することで、違いが見えて
その製品やサービスに応じたより
有効なプラニングができる
・広告に接触し興味を持ち
買いたくなるプロセスにおいて
一般的に3〜5回の接触が必要
とされるが、製品サービスの
カテゴリーや消費者の特性によって
大きく違う
フリクエンシー(視聴者が広告に接触した回数)
と認知率や購入意思率の相関関係について
しっかり理解しておくことが重要
広告の無駄打ちをなくすには
フリクエンシーに基づく
累積人数のグラフを作る
・50歳以上のシニア層は同じ
日本ではフリクエンシーについて
テレビ、オンラインメディアを
横断的に、しっかり調査・分析
いる企業は、まだ非常に少ない
・どのメディアを使うかは
コミニケーションの中身が決まった後
プロモーションやキャンペーンの
最後の最後
第14章 ソーシャルメディア/オンライン・メディア
・オンラインメディア分類
①オンライン広告
②オンラインPR
④オウンドメディア
・プランニングの段階での
「どのメッセージが誰に届くか」
という仮説、そして実施後の
結果の分析、そして結果に基づいた
修正と迅速な運用が非常に重要
・広告の効率が上がるとは
「より適切な施作をメディアで
行った場合」
「より適切なメッセージを伝えて
いる場合」
・接続メディアは増えたが
マーケティングコミニケーションの
「何が効くか」は
あまり変わっていない
ある程度の感情的なアテンションが
取れるようなメッセージが
消費者には効く
「おもしろい」とか「感動した」
とか感情的なアクションがついて
いないと基本的には響かない
・ソーシャルメディアは旧来の
マスメディアと異なり特定の
プレイヤーがコントロールできない
消費者とそれぞれが共感できる
「お友達」に「この製品はいいよ」
と言ってもらう。
そのためのネタを提供するのが
オンラインメディアやソーシャル
メディアは若者中心なので
日本人口半数を占めるシニア層
には届きにくい。
今日のメディア状況では
Twitterを中心に据えて、マス広告は
Twitterに届かない人たちを補完
するメディアと考えた方がいい
・オウンドメディアで何を
伝えるかは重要、自分で100%
コントロールできるし「仕込み」
に時間をかけられる極めて
有効なメディア
メディアを考える順番は
「オウンドメディアで何を伝えたいか?」
「ソーシャルメディアやPRで何を伝えたいか?」
「マスメディアで何を伝えたいか?」
と考えるのが効率的
・エクスクルーシブ(独占的)な
深い内容を詳しく伝えることに
意味がある企業であれば
メルマガを配信する意味がある
・堀江さんのメルマガが読まれるのは
ある程度まとまった文章で
エクスクルーシブ(独占的)な内容を
クローズドに配信しているから
・オンライン広告は掲載期間内も
修正・改善を繰り返す
・SEOは効果はあるが継続性の
ある競争優位にはならない
最も消費者に信頼されている
メディア
・オウンド・アーンド、ペイドメディア
の順番でプラニングすることで
投資効率を最適化できる
第15章 戦略的PR
・PRは「自分たちが伝えたいものを
第三者に伝えてもらう活動」
・広告ならではのメリット
①自分たちでは伝えにくいものを
伝えてもらえる
②信用あるいは信憑性を高める
③「はやってる感じ」が作れます
④権威やお墨付きがもらえる
・PRをプラニングする際は
「相手にどういうふうに書いてもらうか
発信してもらうか」ということを
必ずイメージしておかないと
いけない
自分たちの情報を伝えてくれそうな
第三者、例えばマスコミの記者たち
のニーズをわかっていなければ
PRについては優れたエージェント
にはなれない。
・PRで露出を狙うところは
「自分たちが伝えたいこと」∩
「第三者が取り上げたいこと」
・説得力のある実際に使用して
もらうい、そうだと思ってもらうと
「自分史上No1」といった感想
を広告として訴求できる
・小さいネタを集約にして
大見出しの記事を一回勝ち取る
方がいい
・実際のメディア価値で言うと
どれくらいのメディア価値の
露出が稼げたかという投資対効果
の数値をレビューすることが必要
・自分たちのことを発信してくれる
かもしれないメディアの人々と
普段から相互理解を深めて
信頼構築していくことが大事
・マス広告と同じようなTwitterの
広告を出すのは無駄になる可能性大
・自社が伝えたいこととメディアが
伝えたいことを一致させる
・PRでは「人に言ってもらう」
方が圧倒的に効果がある
・広告ではよほど特徴のある
製品・サービスやコミニケーション
でない限り、そこに
そこに話題にする要素がない
・ソーシャルメディアで一番
シェアされやすいのはマスメディア
のニュース。
・「競合がこういうことで話題化
されたから、うちも」となった
時点で判断ミス
■PART4 販売促進・その他のマーケティング活動
第16章 消費者プロモーション
・「いきなりステーキ」のロイヤリティ
プログラミング「肉マイレージカード」
秀逸である
お客様同士の競争を促進する
特典は誕生日の300gのステーキ
プレゼント、毎回ドリンク一杯無料
のみである
ロイヤリティープログラムは
単に割引や特典を提供するだけでなく
それ以上の価値を提供しないと
大きな効果は期待できない
・CRMとは「お客様個人のデータ
を分析して最適なお客様に、最適
な時に、最適な構築をすることに
より、購買頻度や単価を向上させる」
・Amazonは個人の情報を取得
していませんCRMを放棄している
・あなたの実際の購買にすごく
影響した効果的なオファーが
最適なタイミングで来たことが
実際にありましたか?
答えはおそらく「ほとんどない」
・CRMでは継続的かつ大きな
競争優位は築けない
・差別化を考え出すのは
あくまでもマーケティング担当者
の頭脳
・日本マクドナルドでは(しばらく)
データを活用したロイヤリティー
プログラムはやらないという
判断をしました
顧客データを分析しても
本当に顧客に効く、差別化に
なるような新しいアイデアは
生まれにくい
・ロイヤリティプログラムは
割引でなく付加価値を
・マーケティング・オートメーション
は差別化にはなりにくい
・有効な仮説のないまま
ビックデータを集めるのは無駄な投資
第17章 協賛/プロモーション
・協賛が戦略的やブランド的に
重要でなく、活資に余裕がなかったら
あまりお勧めできない
協賛は例外と考える
・「いい会社」というイメージ
であり続けることが企業の課題の
ひとつになっている
・CSR活動をやるのであれば
ビジネスと一体的に、かつ広く
認知されるような大きな規模で
継続的にやった方がいい
・連携・コラボレーションは
自分たちのブランドや製品
サービスに興味のない、全く
違う[お客様]にリーチできる
効果的な方法
わかりやすい例は
ポケモン社とナイアンティック
元々ナイアンティックは
Google社内のスタートアップ
位置情報アプリやゲーム「イングレス」
を作っていた
第18章 イベント活動
・やるかやらないかの判断基準
①開催される地域だけでなく
全国的な意味・影響があるか
②話題やニュースになって
どのくらい広がるか
・ブランド価値やコンセプトとの
一貫性がなければ
投資対効果は激減する
自社イベントを行う場合
最も大事なのは「目的を明確化する」
・イベントのステークスホルダー
①イベントに来るお客様
②メディア
③主催する企業やブランド
・来場者に対して一番重要なのは
何が来場者に対してメリットに
なるか、そのイベントに来て
くれるモチベーションになるか
をきちっと考えておく
イベント独特の「限定」感を
強化したり受け身でなくとも
自分も「参加している」と感じて
もらうことは近年のイベントを
成功させるため特に重要
・モンストのようなイベントの
ライバルはスポーツ観戦
来場者もモンストのプレイヤ
のひとり、もしかしたら
スポーツより強い
・綿密なシナリオを作成し
その通りに進行させる
来場者に不快な思いをさせない
少しでも不満があるとブランド離れ
のきっかけになる
参加者に「特別」な「経験」を
提供することでイベントの黒字化
は難しくない
・おわりに
すべてのマーケティングは
テストマーケッティングである
●本書から得られた新しい知識
・JR東海の「シンデレラエクスプレス」
が想定した競合は飛行機や自動車
ではなく電話(そもそも帰らない)であった
有名人を起用したプロモーション
・ブランドパーパス
「このブランドは何のために存在
しているのか」
「なくなったら何が変わるのか」
というブランドの存在意義
や提供価値に関わる問いに
対する答え
・ビックマックは定期的に
「話題化」のネタを作って
キャンペーンを打つ
・キーニーズ法
コンセプト(C)=アイデア(I)+ベネフィット(B)
・メラキアの法則
方向転換して逆のことを考える
全く考えてもみなかった
アイデアが出ることもある。
どうしてもダメな時は
諦めた方がいいアイデアが出る
・フォーカス・グループインタビュー
出席者に対して「必ず意見を言え」
と、半ば強制的に答えさせる
・クラフトボス
サントリのペットボトル入
500mlコーヒー
これまでと違うコーヒーの
飲み方を求めていた消費者に
提供したため売れた。
・Cooki法
個人のプライバシー保護のため
利用できないようにする
EUでは施工されようとしている
・ウイッグ
カツラの質が向上することで
短髪に毎日違うウイッグを付けて
髪を切るとかカラーするとか
が必要なくなるかもしれない
・サーチ・アンド・リアプライ
探してきたアイデアの再活用
業界に関係なく自社でできる
商品の「タネ」を回収し
自社の強力なブランドや販売網
で世界中に販売する
・ディマンド・クリエーション
(需要創出)新しい市場を作る
または新しい需要を掘り起こして
製品やサービスを売る。
・トリプルメディア
①オウンドメディア
自分でコントロールできる
②アーンドメディア(SNS、PR)
自分でコントロールできない
③ペイドメディア(広告)
お金を払ってコントロール
・中価格帯のシャンプーの走りは
薬用シャンプーを謳う
「スカルプD」だった
・製品ミックス
一つのブランドをサイズや用途
などに細分化して消費者の
選択肢を増やす
・人の顔に対する好き嫌いより
人形の顔に対する好き嫌いが
少ないということもある
・トライアル理論
まずサンプルなどの小さいサイズ
を試し、それが気に入ったら
大きなサイズに移っていく
・おひとり様需要
食品業界では、一人暮らし
が増えた影響を受け小さなサイズ
の需要が増えている
・テレビC Mの枠は約2ヶ月前には
買わなければならない
Twitterの広告枠は約1ヶ月前
・Amazonは日本でしかポイントを
発行していない
・ロイヤリティプログラム
よく自社の製品を利用していただいてる
お客様に対して「特典」を提供
リピートを確保する
・マクドナルドは2018年の平昌
オリンピックでオリンピック協賛
を終了した
▼用語
・GRP(Gross Rating Point)
延べ視聴率
・CTR(Click Through Rate)
クリック率
・CPC(Cost Per Click)
クリックの単価
・CSR(Corporate Social Responsibility)
企業の社会的責任
▼会社
アイエヌイー
▼書籍
あのブランドばかり、なぜ
選んでしまうのか、購買心理の
エッセンス。
●本書に出てくる格言
すべてのマーケティングは
テストマーケッティングである
●本書で得られた気づき
顧客ベネフィットの重要性
顧客が得られる便益を軸に
考えれなければ、そもそも
お金を支払ってくれない
個人事業や起業では最重要かも
Twitterは話題化するための
ツールであり現時点で
この目的を達成するには最強のツール
●今までの自分の考えと違ったところ
●本書の内容で実行してみたい事
オウンドメディア作成、
Twitterの活用法は実行してみたい