思考と読書【お金・健康・人間関係 編】

お金、健康、人間関係に関する本の書評と説明 ビジネス書や自己啓発が多くなると思います なるべく毎週投稿できるように頑張ります

■日経225Weeklyオプション取引入門を読んで

 

日経225Weeklyオプション取引入門 ──少額投資で最大限のリターンを狙うための考え方と戦略

日経225Weeklyオプション取引入門 ──少額投資で最大限のリターンを狙うための考え方と戦略

 

  

書名:日経225Weeklyオプション取引入門

著者:中丸友一郎

 


●本書を読んだきっかけ

オプション関連の書籍は少ないし

最新のものがない、八重洲ブックセンター

に一番多く置かれていた本が

本書であった

 


●読者の想定

オプション取引の初心者

基本、オプション取引はある程度

投資の知識がある人がやっていて

危険というイメージが強いが

本書は買い戦略しか記載しておらず

初心者向けであると思う

Amazonの書評では酷評であるが

恐らく、ある程度、オプションの

知識があり取引経験もある人の

評価と思う

 


●本書の説明

第1章

プットの買いは巨額の株式ポートフォリオ

保有する機関投資家の下振れリスク回避

する方法として、しばしば採用されている

Weeklyオプションは満期日直前の木曜日

出来高が圧倒的に多い

 

第2章Weeklyオプションで利益が出る流れ

①本質的価値を狙って満期日に決済

満期時点ではオプションの損益を決める

のは本質的価値だけ

インザマネー(ITM)になりそうな

権利行使価格を選ぶ

②可能性の価値を狙って満期前に決済

プットの買い

週の初め月曜日にIV20%と仮定すると

だいたい20円で買うことができる

コールの買い

週の初め月曜日にIV20%と仮定すると

だいたい15円で買うことができる

・Weeklyオプションの恩恵を受けるには

①(SQ前に)安く買う

②(SQ前に)値幅がある(ITMになる)

投資家がコントロールできるのは

いかに安く買うかだけ

・満期日前にプレミアムが安い(IV20%目安)

に買いITMになりそうな時、可能性の

高まりによってプレミアムが高く(IV50%目安)

なった時に売る戦略は有効

 

第3章投資家心理を反映するボラティリティ

値幅と変動率のある日本市場は

オプションにとって好材料

プットやコールがどれだけ儲かるかは

日経225の変化率ではなく変化幅が

関係してくる

ほぼ9年に及ぶSQ間の月間変動率の

1σは7.2%、日次変動は率は1.6%

7.2%÷√20(日)=1.6%(日次変動率)

週間変動率=日次変動率×√5(3.6%)

月間変動率=日次変動率×√20

年間変動率=日次変動率×√250

Weeklyオプションはマンスリー

オプション以上に激しく動いている

WeeklyのSQ値の週間変動率

標準偏差3.6%、最大値7.8%

・グローバル要因とマクロ要因が

日経225オプション、先物に大きな

インパクトを与える、具体的に

–日米金融政策決定会合(⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎)

–非農業部門雇用者増減(⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎)

–米雇用統計(⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎)

外国人投資家が東証取引6割

–米FOMC(⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎)

GDPデータ(⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎)

–鉱工業活動指数

1%上昇で3〜4倍の企業利益伸び率

為替10%円安で3%企業利益

–貿易統計

–機械受注統計

–要人発言

–4半期統計

・ドル高はデフレ懸念を強める一方

同国の純輸出と設備投資の鈍化を

もたらしかねない

・日次の変動幅は現時点の日経225

時価に1.6%をかけて出す

出たものに

木曜日:日経225の時価×0.016

月〜水:日経225の時価×0.036

・時間価値の決定要因として重要な

ものが原資産のIVである

 

第4章安く買って高く売るために知っておくべき

オプションプレミアムの決まり方

・時間価値は満期までの期間、予想変動率

金利、などによって決定される

時間価値は可能性の価値、あるいは

ボラティリティ価値と呼ぶべきである

・プレミアムの価値は2項分布で近似

できる正確にはブラックショールズの

式に入れて計算する

ルートは時間に関する平方根

P117 ブラックショールズ式

P122 エクセルの式

 

第5章数千円から始めるWeeklyオプション

買いの基本投資戦略

・IVが20%台の時ITMになりそうな

オプションを買い可能性の価値が高まる

事で50%を超えたら満期まで待たずに

売却する、月曜〜水曜の取引は

可能性の価値を狙っていく

・6つのオプション買い戦略

①木曜日のプット買い

日経225の時価から1σ〜2σの

下落を意識したプット買い

プレミアムの最も安い木曜日

②木曜日のコール買い

日経225の時価から1σ〜2σの

上昇を意識したコール買い

③月〜水にかけての超短期プット買い

イベントをチェックし大きく

動きそうな方にかける

権利行使価格から1000以上離れて

いるプットは1円で買える

最近は1日で1000円ぐらい乱高下する

事も多い

④月〜水にかけての超短期コール買い

プットの戦略の逆

⑤ストラドルの買い

方向はわからないが大きく

動きそうな時に仕掛ける戦略

ATMのプットとコールを同時に買う

イベント終了後変動がなければ

損切りを行う

⑥ストラングルの買い

ストラドルと同じ状況で仕掛けるが

ストラングルはコストが安い

1σ(250円目安)〜2σ(500円目安)

離れた所のOTMのコールとプットを買う

 

第6章Weeklyオプション買い実践編

金曜の寄付きでITMになりそうな

プットやコールを出来るだけ安く買う

①日曜日に翌週の相場を動かしそうな

イベントをチェック

②日曜日に残存日数、日経225の時価

調べる

③ITMになりそうな権利行使価格を選ぶ

④チェックした権利行使価格のIVを見る

⑤IV20〜30%が買いのチャンス

楽天証券のオプション理論価格

シュミレーターで今のプレミアムが

高いか安いか判断するP163


第7章Weeklyオプション取引をする上で

押さえておいたほうがよい基礎知識

・日経225先物の歴史は

1986年シンガポール取引所(SIMEX)

1988年大阪証券取引所

2000年CMEドル建

2004年CME円建

市場の時間割

6:15 CME取引終了

6:30 グロベックス取引

8:30 SIMEX開場

8:45 大証開場

・世界中の重大ニュースはグロベックス

の米株式指標に織り込まれる

・国内重要経済指標の発表は

8時50分に発表される

・東京の株価水準は大阪(究極的にCME)

で決まる

オプション取引の原資産である

日経225は事実上、前日のシカゴの

日経225先物でほぼ決まっている

日本市場が開いている間もシカゴでは

米株指数が取引されている

・米国の通常オプションと株式オプション

は毎月第3金曜日に満期

ラージの先物は3、6、9、12月

の第3金曜日が満期

3つの満期が重なる日を

トリプル・ウィチング(3つの魔法)

と呼んでいる、この日は株式の

変動が大きくなる

・オプションの売手は十分な証拠金

を必要とする、マージンコールが

多かったため500円刻みから250円

刻みに変更になった

・NY市場の取引の40%はヘッジファンド

のものである

相場下落のリスクヘッジ先物空売り

プット買いを駆使し

1ヶ月から4半期ベースの勝負に出る

・日経225指数の取引は現物株に

大きな影響を及ぼす


付録

・225miniはラージの10分の1

2006年から取引開始

取引手法には

スペキュレーション(投機)

②ヘッジ

裁定取引

・ソロスのブーム・バスト・モデル

①トレンドが認識されてない段階

②トレンド加速期

③検証期

④バブル膨張期

バブル崩壊開始期

⑥黄昏期

⑦クロス・オーバー期

⑧クラッシュ期

②か③でポジションを獲り⑤⑥では

クローズする

・スーパーバブルモデル

①信用拡張

②金融市場のグローバル化

規制緩和と金融イノベーションの加速

日経平均が25日平均移動線から

10%も乖離すればロングで勝てる

可能性が高い、なぜならそれ以上

乖離する確率は2.5%しかない

 


●本書から得られた新しい知識

・米国株の日時変動率σ約18%

日本株の日時変動率σ約25%

・マンスリーオプションのプレミアムは

Weeklyオプションの約2倍(√4週間)

割高になっている

・HV(ヒストリカルボラティリティ

過去20日間の標準偏差を年率に換算

する事で定義

日経新聞の証券欄に毎日表示

・実際のオプション価格をブラック

ショールズの式に代入して求められる

IVが小さくなれば売手が有利

大きくなれば買い手の勝利

20%なら買い50%なら売り

恐怖指数とも呼ばれIVそのものが

VIX指数として取引されている

・ブラックショールズの公式

シカゴ大学ショールズ博士は

この式でノーベル経済学賞受賞

・プレーンバニラのプット買い

最も簡単な取引という事から

・プレーンバニラのコール買い

最も簡単な取引という事から

・日経225と日経225先物の関係

F=S(1+rーd)

F:日経225先物

r:金利

d:配当

・雑音市場仮説

ペンシルバニア大学シーゲル教授

最近の相場について成立している

と主張

・ポジテブフィードバック戦略

高くなると買い、安くなると売る

・大馬鹿理論

ノイズトレーダーの戦略で自分より

もっと愚かな投資家に売りつける

▼用語

・ストライクプライス(権利行使価格)

2008年9月500円刻み、2013年まで

250円刻み、現在125円刻み

・キャッシュ・セトルメント

原資産を受渡し現金で精算する手続き

・ストライクプライス

権利行使価格

・日次変化率

[(今日の終値÷昨日の終値)ー1]×100

・マーク・ツー・マーケット

資産や証拠金を時価で評価する


我が国の株式投資は経済が長期停滞

しているため長期投資に向かない

そのかわりボラティリティが高い

ためオプション取引にとっては

魅力的な市場となる

 


●本書に出てくる格言


●本書で得られた気づき

買い戦略の見直し

オプション取引は売り戦略が有利な

気がしていたが、日本市場では

買い戦略も結構いけそう

 


●今までの自分の考えと違ったところ


●本書の内容で実行してみたい事

試しに、ストラングルの買いで

コールとプットを買ってみる

 

 

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