日経225Weeklyオプション取引入門 ──少額投資で最大限のリターンを狙うための考え方と戦略
- 作者: 中丸友一郎
- 出版社/メーカー: パンローリング株式会社
- 発売日: 2016/10/15
- メディア: Kindle版
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書名:日経225Weeklyオプション取引入門
著者:中丸友一郎
●本書を読んだきっかけ
オプション関連の書籍は少ないし
最新のものがない、八重洲ブックセンター
に一番多く置かれていた本が
本書であった
●読者の想定
オプション取引の初心者
基本、オプション取引はある程度
投資の知識がある人がやっていて
危険というイメージが強いが
本書は買い戦略しか記載しておらず
初心者向けであると思う
Amazonの書評では酷評であるが
恐らく、ある程度、オプションの
知識があり取引経験もある人の
評価と思う
●本書の説明
第1章
プットの買いは巨額の株式ポートフォリオ
する方法として、しばしば採用されている
Weeklyオプションは満期日直前の木曜日
の出来高が圧倒的に多い
第2章Weeklyオプションで利益が出る流れ
①本質的価値を狙って満期日に決済
満期時点ではオプションの損益を決める
のは本質的価値だけ
インザマネー(ITM)になりそうな
権利行使価格を選ぶ
②可能性の価値を狙って満期前に決済
プットの買い
週の初め月曜日にIV20%と仮定すると
だいたい20円で買うことができる
コールの買い
週の初め月曜日にIV20%と仮定すると
だいたい15円で買うことができる
・Weeklyオプションの恩恵を受けるには
①(SQ前に)安く買う
②(SQ前に)値幅がある(ITMになる)
投資家がコントロールできるのは
いかに安く買うかだけ
・満期日前にプレミアムが安い(IV20%目安)
に買いITMになりそうな時、可能性の
高まりによってプレミアムが高く(IV50%目安)
なった時に売る戦略は有効
第3章投資家心理を反映するボラティリティ
値幅と変動率のある日本市場は
オプションにとって好材料
プットやコールがどれだけ儲かるかは
日経225の変化率ではなく変化幅が
関係してくる
ほぼ9年に及ぶSQ間の月間変動率の
1σは7.2%、日次変動は率は1.6%
7.2%÷√20(日)=1.6%(日次変動率)
週間変動率=日次変動率×√5(3.6%)
月間変動率=日次変動率×√20
年間変動率=日次変動率×√250
Weeklyオプションはマンスリー
オプション以上に激しく動いている
WeeklyのSQ値の週間変動率
標準偏差3.6%、最大値7.8%
・グローバル要因とマクロ要因が
日経225オプション、先物に大きな
インパクトを与える、具体的に
–日米金融政策決定会合(⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎)
–非農業部門雇用者増減(⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎)
–米雇用統計(⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎)
外国人投資家が東証取引6割
–米FOMC(⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎)
–GDPデータ(⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎)
–鉱工業活動指数
1%上昇で3〜4倍の企業利益伸び率
為替10%円安で3%企業利益
–貿易統計
–機械受注統計
–要人発言
–4半期統計
・ドル高はデフレ懸念を強める一方
同国の純輸出と設備投資の鈍化を
もたらしかねない
・日次の変動幅は現時点の日経225
の時価に1.6%をかけて出す
出たものに
木曜日:日経225の時価×0.016
月〜水:日経225の時価×0.036
・時間価値の決定要因として重要な
ものが原資産のIVである
第4章安く買って高く売るために知っておくべき
オプションプレミアムの決まり方
・時間価値は満期までの期間、予想変動率
金利、などによって決定される
時間価値は可能性の価値、あるいは
ボラティリティ価値と呼ぶべきである
・プレミアムの価値は2項分布で近似
できる正確にはブラックショールズの
式に入れて計算する
ルートは時間に関する平方根
P117 ブラックショールズ式
P122 エクセルの式
第5章数千円から始めるWeeklyオプション
買いの基本投資戦略
・IVが20%台の時ITMになりそうな
オプションを買い可能性の価値が高まる
事で50%を超えたら満期まで待たずに
売却する、月曜〜水曜の取引は
可能性の価値を狙っていく
・6つのオプション買い戦略
①木曜日のプット買い
日経225の時価から1σ〜2σの
下落を意識したプット買い
プレミアムの最も安い木曜日
②木曜日のコール買い
日経225の時価から1σ〜2σの
上昇を意識したコール買い
③月〜水にかけての超短期プット買い
イベントをチェックし大きく
動きそうな方にかける
権利行使価格から1000以上離れて
いるプットは1円で買える
最近は1日で1000円ぐらい乱高下する
事も多い
④月〜水にかけての超短期コール買い
プットの戦略の逆
⑤ストラドルの買い
方向はわからないが大きく
動きそうな時に仕掛ける戦略
ATMのプットとコールを同時に買う
イベント終了後変動がなければ
損切りを行う
⑥ストラングルの買い
ストラドルと同じ状況で仕掛けるが
ストラングルはコストが安い
1σ(250円目安)〜2σ(500円目安)
離れた所のOTMのコールとプットを買う
第6章Weeklyオプション買い実践編
金曜の寄付きでITMになりそうな
プットやコールを出来るだけ安く買う
①日曜日に翌週の相場を動かしそうな
イベントをチェック
②日曜日に残存日数、日経225の時価を
調べる
③ITMになりそうな権利行使価格を選ぶ
④チェックした権利行使価格のIVを見る
⑤IV20〜30%が買いのチャンス
楽天証券のオプション理論価格
シュミレーターで今のプレミアムが
高いか安いか判断するP163
第7章Weeklyオプション取引をする上で
押さえておいたほうがよい基礎知識
・日経225先物の歴史は
1986年シンガポール取引所(SIMEX)
1988年大阪証券取引所
2000年CMEドル建
2004年CME円建
市場の時間割
6:15 CME取引終了
6:30 グロベックス取引
8:30 SIMEX開場
8:45 大証開場
・世界中の重大ニュースはグロベックス
の米株式指標に織り込まれる
・国内重要経済指標の発表は
8時50分に発表される
・東京の株価水準は大阪(究極的にCME)
で決まる
オプション取引の原資産である
日経225は事実上、前日のシカゴの
日経225先物でほぼ決まっている
日本市場が開いている間もシカゴでは
米株指数が取引されている
・米国の通常オプションと株式オプション
は毎月第3金曜日に満期
ラージの先物は3、6、9、12月
の第3金曜日が満期
3つの満期が重なる日を
トリプル・ウィチング(3つの魔法)
と呼んでいる、この日は株式の
変動が大きくなる
・オプションの売手は十分な証拠金
を必要とする、マージンコールが
多かったため500円刻みから250円
刻みに変更になった
・NY市場の取引の40%はヘッジファンド
のものである
プット買いを駆使し
1ヶ月から4半期ベースの勝負に出る
・日経225指数の取引は現物株に
大きな影響を及ぼす
付録
・225miniはラージの10分の1
2006年から取引開始
取引手法には
①スペキュレーション(投機)
②ヘッジ
③裁定取引
・ソロスのブーム・バスト・モデル
①トレンドが認識されてない段階
②トレンド加速期
③検証期
④バブル膨張期
⑤バブル崩壊開始期
⑥黄昏期
⑦クロス・オーバー期
⑧クラッシュ期
②か③でポジションを獲り⑤⑥では
クローズする
・スーパーバブルモデル
①信用拡張
②金融市場のグローバル化
10%も乖離すればロングで勝てる
可能性が高い、なぜならそれ以上
乖離する確率は2.5%しかない
●本書から得られた新しい知識
・米国株の日時変動率σ約18%
・日本株の日時変動率σ約25%
・マンスリーオプションのプレミアムは
Weeklyオプションの約2倍(√4週間)
割高になっている
する事で定義
日経新聞の証券欄に毎日表示
・実際のオプション価格をブラック
ショールズの式に代入して求められる
IVが小さくなれば売手が有利
大きくなれば買い手の勝利
20%なら買い50%なら売り
恐怖指数とも呼ばれIVそのものが
VIX指数として取引されている
・ブラックショールズの公式
シカゴ大学ショールズ博士は
この式でノーベル経済学賞受賞
・プレーンバニラのプット買い
最も簡単な取引という事から
・プレーンバニラのコール買い
最も簡単な取引という事から
・日経225と日経225先物の関係
F=S(1+rーd)
F:日経225先物
r:金利
d:配当
・雑音市場仮説
ペンシルバニア大学シーゲル教授
最近の相場について成立している
と主張
・ポジテブフィードバック戦略
高くなると買い、安くなると売る
・大馬鹿理論
ノイズトレーダーの戦略で自分より
もっと愚かな投資家に売りつける
▼用語
・ストライクプライス(権利行使価格)
2008年9月500円刻み、2013年まで
250円刻み、現在125円刻み
・キャッシュ・セトルメント
原資産を受渡し現金で精算する手続き
・ストライクプライス
権利行使価格
・日次変化率
・マーク・ツー・マーケット
資産や証拠金を時価で評価する
我が国の株式投資は経済が長期停滞
しているため長期投資に向かない
そのかわりボラティリティが高い
ためオプション取引にとっては
魅力的な市場となる
●本書に出てくる格言
●本書で得られた気づき
買い戦略の見直し
オプション取引は売り戦略が有利な
気がしていたが、日本市場では
買い戦略も結構いけそう
●今までの自分の考えと違ったところ
●本書の内容で実行してみたい事
試しに、ストラングルの買いで
コールとプットを買ってみる
日経225Weeklyオプション取引入門 ──少額投資で最大限のリターンを狙うための考え方と戦略
- 作者: 中丸友一郎
- 出版社/メーカー: パンローリング株式会社
- 発売日: 2016/10/15
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