思考と読書【お金・健康・人間関係 編】

お金、健康、人間関係に関する本の書評と説明 ビジネス書や自己啓発が多くなると思います なるべく毎週投稿できるように頑張ります

■わが投資術 を読んで

 

書名:わが投資術
著者:清原達郎

●本書を読んだきっかけ
絶賛発売中だった!

●読者の想定
投資中級者むけ??
ただし、自分の頭で考えれない人は
本書に不満を感じるかもしれない。
野村證券関連のエピソードが
面白いので、読み物としても
良いと思う。

●本書の説明
はじめに
・若いころは四季報を3日で全部読んだ
我々は小型株に集中投資します
大量に保有している小型株を市場で
売却すると価格が下がり基準価格(NAV)
も下落し、顧客の資産が目減りする
日本株は税引きベースで2~3%の
配当利回りを築くことはとても容易
・宝くじの期待値は40~50%
競馬・競輪・競艇は75%
株式投資は100%以上の期待値になる

第1章    市場はあなたを見捨てない
・市場はあなた一人が間違ったとき
あなたを罰しないが、あなただけが
正しかった時は大きく報いる。
市場はあなたの意見が少数意見で
ある限りあなたの味方です。
・「自分の考えはみんなと同じ」なら
投資のアイデアにはならない。
市場があなたに冷たい態度をとると
したら、あなたが「自分でよく考えずに
大衆に迎合した時だけです」
・「割安小型株」は「何が株価に
織り込まれているか」が比較的簡単に
わかる。
投資アイデアは株価に織り込まれて
いないアイデアを探すこと
出来高の少ない小型株は、通常オファー
ビッドの板が、スカスカ
・「これって本当なの?みんなそう
言ってるけど怪しいなあ」
というアイデアを見つけないと
「Counterintuitive」(常識を疑う)
人が当然だと思っていることと
現実が違う。
マクロ経済学」より「ミクロ経済学
の方がよっぽど役に立つ
・なぜこの情報が私の目に留まったのか
まで考える、すべての情報はバイアスが
かかっていると思った方が無難
・ほんの少しでもいいから
「そうでない確率」を頭の中に残す
・CNBCは少しでもネガティブっぽい
ニュアンスでしゃべっていたら
聞き逃さず、「かなり重大な問題が
あるんだな」と判断する。
・何か役立つ有料の情報源を選べと
言われたら、私は迷わず東洋経済新聞社
会社四季報」だと答える
・積極的に見るニュース番組はCNBC
金融のプロなら英語の情報源にアクセス
英語の苦手な人は日経CNBC
「朝エクスプレス」「海外市場振り返り」
などをチェックする。
・暴露系情報誌では「FACTA」「選択」
を重宝する
・大型株に投資したり空売りするには
マスメディアやアナリストのコメント
をフォローする必要がある。
・お金儲けに最も有効なのは
他の投資家がアクセスできない
「非伝統的情報源」である。
インサイダー情報には気を付けて
その会社が属している「業界の情報」
をもらえば基本的にはインサイダー
にはならない。
・暴落した株を買うリスクは少ないが
大きなリスクを取った感覚になる
・投資クラブは、教祖みたいな人が
いる投資クラブは「仕手筋」と同じで
さけるべきである。
「みんなで同じ銘柄を買いに行こう」
というパターンはほぼ確実に問題が
起きる。
・投資家はマクロで勝つのは非常に
困難だが、ミクロで勝てるチャンス
は多い。
・日経225先物デイトレーダー
長い目で見ると儲からない
・大型株で投資家が儲けるためには
「市場が見せる一瞬の隙」を逃がさない
その企業をフォローしている
アナリストの数が多ければ多いほど
異変が起きたとき、アナリストに
察知されやすくなり、アナリストに
出し抜かれる確率が高くなる
(儲けにくい)
日本株ヘッジファンドには
チャンスがある。日本では上場会社
時価総額に対しアナリストの
フォロー数が圧倒的に少ない
・パッシブ運用以外は全てアクティブ運用
個人投資家トヨタを1株買えば
それもアクティブ運用
・パッシブ運用以外のアクティブ運用
の株を全て足すとパッシブ運用になる
①大型株のアクティブ運用で
長期的にTOPIXを上回る成績を
残せる投資顧問会社はあるか
②仮に存在したとしても投資家は
それを事前に見分けてその投資顧問会社
のファンドに投資できるか
個人投資家が日本の大型株に
分散投資したいならTOPIXETF
一番合理的。

第2章    ヘッジファンドへの遠い道のり
・今の会社、今の仕事がなんとなく
嫌でも、自分が何をやりたいか
具体的にわからない状況で会社を
安易に辞めるべきではない
・40年前、野村證券営業マンの自慢
「顧客にどれだけ損させたか」
「どれだけ部下をいっぱい辞めさせたか」
の二つ
・天井近い株を顧客に売買させるのと
暴落した株を買わせるのでは
証券会社の売上高は10倍違う
上がるときの出来高は暴落した後の
出来高の10倍ぐらい
・野村は国内支店上がりの元営業マン
が出世する組織
・中近東は自分の金で行くところ
じゃない。
・伝統的な機関投資家、例えば
投資信託や年金基金空売りはしない
転換社債ワラント債も株価が上がると
それにつれて値上がりする。
・有罪でなくても逮捕されただけで
村八分扱いしてしまうのが日本の
金融界の文化がある。
・権威のある凄い人から聞いた話は
かえって危ない。
・バブルが崩壊すると転換社債ワラント債
の過剰発行は終わり、新規発行は極端に
減少した。
ワラント債は4年、転換社債は長くて12年
で償還なので、数年でほぼ消えてなくなる
事は明白だった。
・アナリストは敵ではないが、彼らを
出し抜くぐらいの実力がないと相場に
勝てない。
時価総額の小さい会社はGSのリサーチ
対象から外れていた。
ヘッジファンドって何?
①ロングだけでなくショートもできる
②成功報酬が大きい、成功報酬が
儲かった分の20%(1・20ストラクチャー)
③運用責任者の金融資産の相当部分が
ファンドにつぎ込まれている。
運用責任者が自身の金融資産の1割程度
しかつぎ込まないのなら、それは
「偽のヘッジファンド
ヘッジファンドがリスクを減らせる
一番いい方法は大儲けすること
・著者はリスクのない世界は
「死んだ世界」だと思っている。
・投資家一人当たりの上限は20億
と決めていた(著者のファンド)
ユダヤ人はオプションが大好き
何千年の歴史の中でオプションを
用意しておくのが生活習慣になっている。
日本人はこの真逆。
・著者のヘッジファンドはポジション
保有期間は長い(ロング5年、ショート2年)

第3章    「割安小型成長株」の破壊力
・小型株の多くは基本的に割安
その中で成長株を見つければ爆発的な
破壊力になる。
・適正PER
PER=株価/一株当たり当期利益
時価総額/当期利益
・明るい会社の適正PERは高く
将来が暗い会社の適正PERは低い
・「将来の利益から割り出した適正なPER」
だけで株価の価値を計測することは
できない。
・PBR=株価/一株当たり純資産
時価総額/純資産
・純資産は解散価値ではない
利益が出ていて配当を支払っている場合
株式はPERや配当利回りで評価され
PBRはあまり意味を持たない。
・会社が黒字でも赤字でも
PBRは評価基準としてあまり役に
たたない。
見るべきは会社が赤字になろうが
なるまいが同じ値段で売れる資産が
どれほどあるか

★ネットキャッシュ
流動資産+投資有価証券×70%ー負債
★ネットキャッシュ比率
=ネットキャッシュ/時価総額
=(流動資産+投資有価証券×70%ー負債)/時価総額
※本当は流動資産から在庫は差っ引いて
計算すべきかもしれない。
最初の大雑把なスクリーニングは
流動資産はそのまま。
70%を掛けるのは簿価を大幅に
下回っていることが多いため
時価総額20億円以下の条件でスクリーニング
これを数カ月に1回やって候補を探す
・ネットキャッシュ比率が1は
会社がただで買えるほど割安。
・ネットキャッシュ比率が1を
超えている会社は
「ただで会社をもらった上に現金ももらえる」
・大・中・小型株定義
大型株:時価総額3000億円以上
中型株:時価総額500~3000億未満
小型株:時価総額500億未満
・BSのいい会社に期待できるのは
「増配」と「自社株買」
その原資になるのがネットキャッシュ
★キャッシュニュートラルPER
=PER×(1ーネットキャッシュ比率)
※財務構造をそろえたPER
PERとネットキャッシュ比率をまとめて
ある。
割高か割安かを判定するValuation
なお、ネットキャッシュ比率が1以上
だと割安すぎてキャッシュニュートラ
PERを定義できない
・キャッシュニュートラルPER問題点
投資有価証券以外の「固定資産の価値
を全く無視している」
「設備投資のスケジュール」
工場の建て替えのある会社は自社株買い
を渋るかもしれない
REITはずっと配当が出るからず
持ったままで大丈夫だと考えない
方が良い。
・今の日本の金利を前提にすると
PERが10倍以下の株は総じて
信じれれないぐらい割安。
長期金利が3%まで上昇しても
まだ十分割安。
金利2%の会社の価値n年後
100*[1+1/(1.02)+1/(1.02)^2+1/(1.02)^n]
100*[1/(1-1/1.02)]=100*51=5100
適正PERだと51倍
・業績に不安があるなら最初から
ストレートに利益予想を減らす
・EPS、金利2%、次期利益/ある期の利益=a
(aは永久成長率)の場合
株価=EPS×PER=EPS×[1/(1-a/1.02)]
となり、以下の式が求まる
a=1.02(1-1/PER)
PER=1.02/(1.02-a)
・1段階無限等比数列モデル
毎年同じ増益、または減益が続く
モデルのこと
低PERに有効
・利益が伸びていて低PERの株は
日本株にたくさんある
・低PER株は業績予想を10年後まで
真剣に考える必要はない。
高PER株は10年後の利益をある程度
予想する必要がある
・いろんな成長モデルを作ったが
面倒なだけで儲けにつながらなかった
・「金利が上がるとき、低PER株より
高PER株株の方がアクティブな影響が
大きい」
金利が上がると相対的には
バリュー株が有利である
・割安株に投資すると儲かるか
①割安株に投資すると儲かる
すぐにではないが、業績横ばいでも
株価が上がる可能性は十分ある
②割安な株の株価が上がらず
割安に放置されたままだと
時間経過とともに矛盾がさらに
大きくなる
バリュートラップ
表面的な割安さに惑わされて
投資をしたけれど結局株価は
上がらなかった
典型的なバリュートラップは
PBRの低さに目を取られすぎた
時に起きることが多い
・EV/Ebitda倍率
この指標はインベストメントバンカー
が使う指標で、分母がその会社の事業が
生み出すキャッシュフロー
(当期利益+金利+税金+減価償却費)
簡単に言うと
「営業利益に減価償却を足した数字」
※著者はこの指標を使わない
・ならされたEPSを「正常化されたEPS」
という。
・利益が成長しているように見えれば
高いPERが付与される、IPOは「厚化粧」
の状態で出てくる
・小型株に注目する理由
①割安株が多い
②独自のリサーチがしやすい
機関投資家が持っていない
④アナリストがカバーしていない
・小型株とは時価総額500億未満
マザーズ市場(現:グロース)は
ほとんど相手にしない。
(割高な銘柄が多いため)
・小型株が割安な理由(リスク)
- 流動性が低い
- 価格決定力がない
- 優秀な人材がいない
- オーナー経営者の息子(次期社長)がバカ
- 世の中の関心が低く経営者が不祥事起こしやすい
- TOBしにくい株主構成
- 粉飾決済時のダメージが大きい
- 海外進出のリソースがない
- 相続のため株価が安いとオーナー社長都合
- オーナー社長が引退時、莫大な退職慰労金の支払
・我々はPER、ネットキャッシュ比率
で割安な順にスクリーニング
・低PER,高ネットキャッシュ比率銘柄
で特に数が多いのは「不動産株」
数少ない「まともで自己資本比率が高い」
中小型不動産株は買い得
・成長性がないと思われている業界
イメージの悪い業界から是非
成長株を探してみてください
・小型株の成長は経営者が9割
①経営者がその企業を成長させる
強い意志があるか
②社長と目標を共有する優秀な
部下がいるか
③同じ業界内の競合に押しつぶ
されないか
④その会社のコアコンピテンス(強み)
は成長とともにさらに強くなって
いくか
⑤成長によって将来のマーケットを
先食いし、潜在的マーケットを
縮小させていないか
⑥経営者の言動が一致しているか
・頼んでもないのに社長が出てくる
会社は気を付けた方が良い。
・正のフィードバック作用
あることが起きたとき、それに
さらに弾みをつけるような作用が
はたらく。
・実際20%増益を達成して、PER40
のままなら年間の儲けも20%
5年続ければリターンは2.5倍
・バリュエーションの梯子
小型株を得意とする「いちよし証券
→SBI→大和→岡三→みずほ→野村
の順番に会社訪問しレポート出す
・割安小型成長株の醍醐味を味わうには
多少間違いがあっても早い段階で買う
浮動株の大半を買ってしまうことで
株価を上がりやすくするため
間違って買っても儲かるケースが多い
・資金100万で「割安小型成長株」投資
①PER、PBRで割安株の中から20銘柄
ぐらい登録し株価のモニター
②追加情報を得ながら、いけそうな
銘柄から1銘柄10万づつ買う、監視の
20銘柄すべて大きく下げたら
10銘柄を10万づつ一気に買う
・会社のホームページはちゃんと見る
会社四季報」を使いまくる
中小型の日本株に投資しないのは
もったいない
・PBRが低くてもネットキャッシュ比率
が高いわけではない
固定資産が多いとネットキャッシュ比率
は低くなる、決算短信で確認
・割安小型株は倍以上になるので
3割程度の儲けで利食ってはいけない
最低2倍は狙う
・人間を三種に分けると
①自分の犯した間違いから学ぶ
②他人の間違いを他人事と思わず
自分事として学ぶ人
③自分の間違いから学ばない人
ほとんどの人は自分が失敗しないと
わからない
・手持ちの金を全額株式につぎ込まない
・最初の銘柄選びの際に真剣に考える
・「株式投資の才能」なんてありません
あるのは「自分の失敗からどれだけ学んだか」
超割安小型株はバリュー投資
我々が相手にする投資対象は1000社ほど
その中に50社成長株があるイメージ
・今はスタンダード銘柄、プライムで
機関投資家に相手にされていない
中小型株がターゲット
・小型株は最初から減益がPERに
織り込まれているようなスタンダード
市場の低PER銘柄の方が有望
・バリュー投資は固定資産が正しく
査定されていれば、簡易的に
PBRの低い銘柄に投資する。
・低PBRに狙いを定めたバリュー投資
は「アクティビスト」こそやるべき投資
究極のバリュー投資家はアクティビスト
である必要がある。
日本株市場では「バリュー投資」が
「成長株投資」に比べ相対的な
優位度が高まっている
コントラリアン(逆張)
株を買ったら最初は決まって損をする
小型株は浮動株がなくなるまで
買い続ければ損はしなくなる
ボトムアップアプローチは
一社一社、資産価値や業績の伸び率
をリサーチしていくやり方。
・中期経営計画は具体性があるほど
真剣、具体性がなければやる気なし
トップダウンアプローチ
マクロ指標、例えば「金利」が
上がると判断した時、それで
恩恵を受ける企業を探して
複数の株に投資する。
・自分が理解できる社長は
自分と似た人になりがち
・歴史上の人物なんてどんな人
だったかなんて分かるんですか?
会ったこともない人を尊敬する
なんていい加減だと思う
坂本龍馬を尊敬している」
とか一体何なんですかねえ。
・期待リターンが大きければ
その分、リサーチも大雑把でよい
ベイジアン的発想
新しい事実を取り入れて、
もともとの自分の考えを調整して
いくのが「ベイジアン的発想」
です。
・業績が伸びていくのを確認してから
投資をするのは馬鹿げている。
・我々は3人の目撃者が連続して
赤というと、4人目が黒だと言っても
「それは間違いだろう」と思って
しまいませんか?
・羅患率の低い病気の場合、診断薬
の特異度はかなり100%に近くないと
意味がない。
・もし成長株を見つけたと思ったら
思い切り買え!
・割安株の中で10銘柄程度、成長株
ぽい銘柄を探し出して投資すれば
よいだけ。
・事前確率がいかにいい加減であっても
追加で入ってくる情報によって
正しい方向に確率が修正されていく
・ある事象の事前確率をゼロや100%と
置くと、事前確率を修正し続けて
いくというペイジアンのプロセスが
全くワークしない。
絶対こうだと思っても、100%の
自信ではなく「95%」自信がある
としないとベイジアンのプロセス
が始動しない。
株式投資のように確率論で考え
なければいけないゲームでは
「決めつけ」は厳禁
どんな小さな可能性でもゼロでは
ないとすることで
「その他大勢の見方とは違う見解」
が生まれる。
・社長に会って、どれだけガッツが
あるのか見極める。

第4章    地獄の沙汰は持株次第
・K1ファンドは6億円からスタートし
一銘柄でNAVの25%を超えない
という規約がある
・日本の小型株だけで運用するなら
適正規模は100億円ぐらいだ
小型株のパフォーマンスは
AUM(運用資金金額)が小さいことが
重要である。
・ショート・NAV比率(運用資産に対する
空売りの比率)というのは、
「ショートが値上がりする」
「ショートで損が出てNAVが下がる」
という両面から急速に上昇する
・上場している不動産会社で
自己資本比率15%以下は倒産
15ー20%はADR、20ー30%はそのまま
生き残り、30%以上はシェア拡大
という事態になったことがある
・必殺仕事人のテーマソングを聞いて
「よし!次は負けないぞ!」と
いうのが著者の負けた時の解決法
だが、リーマンショックの時は
聞く気にもなれなかった。
・突発性の不況は必ずと言って
いいほどV字回復になる、特に
製造業は危機前を超えるほどの
勢いになる。
・コロナのパニック時は
買いの絶好のチャンスだった
2020年3月19日14:00~引け
までの一時間
・ファンドのロングポジションは
ネットキャッシュ比率の高い株が
多く、「自社株買いの要請」に
応じてもらえた。
・大型株にも投資したが
長期投資ではなくイベントドリブン
投資で全て大成功。
・人類がどんな悲惨な目にあおうが
相場がそれを織り込んで暴落したら
「買い」しかないのですよ。
・ショーテッジ
供給が絞られ書いての需要を満たせない
買いたくても買えない
・著者のメインバンクは
三菱UFJ銀行、一生付き合いたい
ここにお金を預けて問題など
起こりようがない。
過剰流動性相場
お金が余って株式市場に流れ込む
株価指数先物裁定取引残高
重視するテクニカル指標
短期筋の投資家が相場に強気で
株価指数先物を大量に買うと
先物の値段は上がる。
通常は現物にも買いが入るが
先物の勢いの割に現物が上がらない
場合、先物価格は理論価格より
割高になる。
このとき大手証券会社は
先物売り・現物買い」の
裁定取引を行う、株価先物指数
先物は現物の値段で3か月後で
決済される。
現物と先物は3カ月ごとに一致
するため証券会社はリスクがない
裁定取引の「買い残高(現物買・先物売)」
が膨らんでいるとき短期筋が先物
買いまくっているときに、長期筋は
株式相場にそれほど強気ではない
・「先物売り・現物買い」の裁定取引
が溜まってくると、その後必ず
反対売買が行われるため
テクニカル的には「弱気サイン」
逆に「先物買い・現物売り」の
ポジションが溜まると「強気サイン」
・2020年のコロナの先物売りの際
売り残高が異常に積み上がり
11億株に達していた、
「強烈な強気のサイン」だった

第5章    REIT
・投資家は不動産を所有している
不動産会社の株を買うよりREIT
買った方が有利
・みんなが売っていて買い手が私
一人というのはそんなに悪いこと
だろうか?
底値付近で買おうと思ったら
落ちてくるナイフを掴まなきゃ。
REITのスポンサーが倒産しようと
REITの中身自体には無関係。
住人がちゃんと賃料を払って
くれれば価値は毀損しない。
・私は底値で信用力のないREIT
買いまくった。

第6章    実践のハイライト(ロング)
・普通、小型株を下落局面で
タイミング間違え早く買いすぎた場合
さらに下がった時に少しづつ
買い増ししていきます。
新興国には先進国では考えられ
ないようなリスクがあります。
それは時として理不尽なリスクです
・「飛ばし」が違法になって
事業会社は頼る証券会社がなくなる
・新株予約券の唐突な発行は
彼ら自身、中期的な業績に自信
があることを意味する。
・大企業は「まとめて人の準備が
できる大手派遣会社」に集中して
発注したがる
・ファミリー層はよりレベルの高い
学校区に流れていく、そこに目を
付けてターゲットを絞って効果的に
チラシを配っている企業に投資した

第7章    実践のハイライト(ショート・ペアトレード)
・誰だってみんなが損しているときに
自分が儲かったというのは気持ちが
いいが、個人投資家が個別株の
ショートをするのは勧められない。
・2倍、3倍になる株を20%上がった
ところで売っていたら株で大儲け
なんかできない
・ショートのバスケットはバリュー
投資と分散投資の整合性が取れない
空売りで儲けたければ日経225先物
を売った方がマシかもしれない
・「他人がどう思うか?」
「他人はこう考え行動するはずだ」
なんて勝手に決めつけてはいけない
「策士、策に溺れる」
・日経225先物時価総額ウエイトではない
そのETFを大量に買えば市場に歪み
時価総額ウエイトに比べて日経225先物
指数のウエイトが高いと日経225ETFが
大量に買われたとき株価が自然に
上昇してしまう。
・人々は将来の株価変動を本能的に
過小評価する、人は、目に見えている
リスクしか評価しない
・日経225指数の上位5社で指数全体の
ウエイトの25%程度になる
最近、任天堂キーエンスが入ったが
株価換算指数を0.1にすると
訳が分からない事になる
(新規に入った銘柄だけ株価換算指数を
適用するするのは可笑しい)
・ショート銘柄は「割高さ」だけ
ではなく、出来高急増で表される
「過熱感」とショートポジションの
買戻しによる「株価ピークの形成」
出来高東証一部で1番か2番になると
空売りの機会到来です
空売りの状況はプライムブローカー
に聞くとよくわかる、これが個人に
空売りを勧めない理由である
ヘッジファンドはプライムブローカー
空売りの状況を聞くことができる
日本の個人投資家は個別株の空売り
においてはとても不利な立場にある
空売りが徐々に増えていって
株価が上がり続けると、最後に
空売ってたヘッジファンド
我慢できず買戻しに入る
だいたいショートの残高がピーク
から半分以下になったところから
少しずつ売り始める。
・営業という仕事は後から入った
人には「肥沃なテリトリー」は
与えられない。
・急成長している株のPERはいつの
EPSを使うかで大きく変わる。
・上場株は相続してすぐ売ると
少し相続税が安くなる。
・厳格なペアトレードの
ロング・ショート運用は儲からない
アコム機関投資家銘柄で
PERが17倍ぐらいあった

第8章    やってはいけない投資
・EGS投資
Environment(環境)、Social(社会)
Goverment(企業統治)の頭文字
EGS投資はまったくナンセンス
口をはさんだり手を出すことは
困難である。
訳の分からないEGSファンドを買う
なら手数料の安いTOPIXETFでも
買っておいた方がマシ
・日本企業のガバナンス
経営陣が気に入らない株主の
議決権を勝手に制限できる
ケースがある
・顧問投資会社の詐欺の見分け方
年金とかの機関投資家は、まず
付き合いのある証券会社、信託銀行等
に噂を聞く、資金がどこにあるか
確認する。
後は年金コンサルにお願いして
調べてもらう。
(AIJの場合は年金コンサルもグルだった)
・個人の方は投資顧問会社のファンドには
直接投資をしない方が良い
ネット証券や銀行が取り扱っている
ファンドを対象にすると良い
・詐欺の中でも圧倒的に多いのは
「未公開株詐欺」
個人投資家は「未公開株」など
決して買ってはいけない
・成功が世間にばれるとほぼ確実
に詐欺師は近寄ってくる。
(一番危ないのは「信頼できる友達」が
紹介する案件)
・出来過ぎた話は全て詐欺
社長とたまたま知り合いで、、、
「たまたま=詐欺」
・詐欺師の経歴が立派なことが
多い、エリートコースの中にも
出来が悪く、足を踏み外した人が
ダメ会社にCFOで潜り込み
「未公開株詐欺」の役割を担う
・立派な証券会社出身だとか
信用してしまうのはとても危険
投資信託ヘッジファンドには
サイバーシップバイアス(生存者バイアス)
が強く働く
・「仕組債」は個人投資家
いくら抜かれているかわからない
「仕組債」の業者の儲けは
トレーディングプロフィットです
・ラップ口座(ファンドラップ)
も全体の手数料がわからないか
少なくともわかりにくい説明に
なっている。
ファンドラップは証券会社にとって
手数料の一部だけ開示することで
後の手数料は取り放題という
とっても都合のいい商品
・私のようなプロでも公募増資
の際の目論見書など読んだことない
目論見書を読んで手数料を発見
するような人はラップ口座なんかには
投資をしない

第9章    これからの日本株市場
・4つの破壊的リスク
①核戦争
②東海・関東大震災
③COVID-19以上のパンデミックが起こる
地球温暖化の加速、あるいは急速な寒冷化
みなさんが考えているより
生起確率は大きいかもしれない
・縮小する市場では、経営統合
進めていくスピードが市場の縮小
より早ければ株式投資で儲かる
可能性はある程度はある。
・オークション
English Auctionでは一つの商品
の値段が競りあがります
Dutch Auctionでは売る量を決めて
最後の一個が売れる値段で全部の
値段を決める。
「消費者余剰」は基本Dutch Auction
で発生する
・消費者余剰を取り込むには
一物一価にならないように
サービスを少し変えたりすればよい
・英語がちゃんとできるかどうかで
年収は10倍ぐらい違う。
小学校できっちり英語をやって
「高校以降はもう英語の勉強はなし。
あるのは英語での勉強」ぐらいの
感覚にならないといけない。
著者は、くだらない国語の勉強
削るのが良いと提案、日本の国語
の勉強は「非論理的な思考」の
訓練の場みたいなものである
(最悪なのが小林秀雄の文章(笑))
・楽観シナリオ
内需株、外需株とも、それぞれ
違う理由で経営統合が進み寡占度
が上がっていく
②その結果、利益率は向上、
自社株買いと増配が続く
日本株は日本の機関投資家
個人投資家、一般家庭の中核的な
資産となる。
④「日本株ショーテッジ」の時代到来

エピローグ
・人間には快適に暮らしていくだけの
収入が必要です。しかし、それ以上の
幸福感を得るためには
「なんでもいいから他人の役に立っている」
という実感が必要である
いくらお金を稼いでも、一人では
一定以上の幸福感は得られない
「人と交わり何かの役に立つ」こと
が必要である。

解説
「市場から愛される男」となった
清原達郎は「人の役に立つ何か」
を考えながら探し、それを見つけ
その「何か」を始めることになる
のだろう。

●本書から得られた新しい知識
・ハードルレート
成功報酬をもらうにはこのぐらい
儲けてくれよという基準
著者のファンドのレートは3%だった
・タワーK1ファンド
1998円にローンチした著者のファンド
・腐れ玉:支店で売れずにしこっている
株のこと
ゼンショーの小山社長に気をつけろ
「牛丼って飽きませんか?」とか
言ってはいけない
・「飛ばし」
損失の認識を会計上先延ばしにする
・「特金」
証券会社が事業会社や金融機関から
まとまったお金を預かって運用
するお金
・タッチオプション
(ノックイン、ノックアウトオプション
・ペアトレード
相対的にAがBよりパフォーマンスが
良いという時にAを買ってBを売る
・2021年に洋上風力発電三菱商事
グループが強烈な安値を出して
受注を総なめ

●本書に出てくる格言
・今の世の中は無料の情報源であふれ
かえっています、わざわざ個人投資家
情報にお金を払う必要などありません。
節約して多くの株を買ってください
・「FACTA」と「四季報オンライン」は
死ぬまで解約しない
ヘッジファンドっていうのは
自分のアイデアに自信があるときは
力いっぱい勝負しなけりゃいかん。
ー著者の元上司ー
・客が大損しても訴えられない
「お前と付き合えてよあった」と
言われるのが人間力
ー40年前の野村證券
野村証券で一番売れているのは
「インサイダー」
仮面サイダーが流行した時ー
パーティーが始まったら
我々は帰ろう
ー著者ー
これだ、っていう優秀なやつ
見つけたら、どこまでも追いかけて
絶対にうちで働いてもらう、
それが社長の仕事だ。
ニトリの社長ー
・有能な司令官と月並みな司令官
の違いはたった10秒ほどだ
ー米国海軍史ー

▼映画
サンチャゴに雨が降る

●本書で得られた気づき
本質的には
「証券分析」や「賢明なる投資家」
に書いてあることと同じで
あると思った、固定資産の評価
についてグレアムの方が
よりシビアな評価だった
と思う。

●今までの自分の考えと違ったところ
・歴史上の人物なんてどんな人
だったかなんて分かるんですか?
会ったこともない人を尊敬する
なんていい加減だと思う
坂本龍馬を尊敬している」
とか一体何なんですかねえ。
・くだらない国語の勉強を
削るのが良い、日本の国語
の勉強は「非論理的な思考」の
訓練の場みたいなものである。

●本書の内容で実行してみたい事
Pythonで本書の3章に紹介して
あった「ネットキャッシュ比率」
を出してデータセットに追加した
PDFを開かなくてもAPIで提供
されているデータで上手くいった。
Youtubeなどに紹介されていたが
どれも著者の方法を簡便的に
した方法であり正解ではない
と思う、特に有価証券の評価を
省いては本当にキャッシュを
持っている企業を発掘できない
と思った。