書名：世界を変えたユダヤ商法
著者：武田知弘
●本書を読んだきっかけ
最近、マーケティングの勉強をして
いるとユダヤ人にたどり着いた
世界の大富豪の多くはユダヤ人で
人口比で考えると驚異的である
そうしたユダヤの成功法則について
知りたいと思い本書を購入
●読者の想定
ユダヤ人を知ることにより
ビジネスやセールス、マーケティング
のヒントを得たい人
●本書の説明
ビリオネア447人中55人がユダヤ系
ユダヤ人の占める割合はもっと多く
なるだろう
本書はなぜユダヤ人は金儲けがうまいのか
を追求する本である
第１章世界を変えたユダヤ商法
成功したミュージシャンには
ユダヤ人も多いボブ・デユラン
ポール・サイモンなど
であるブライアン・エプスタイン
その人である
欧米のマネージャは日本と異なり
アーティストの代理人で売り込み
宣伝活動、契約、興行、交渉の
一切を引き受ける
ブライアンはビートルズメンバー
ピート・ベストをクビにし
リンゴ・スターを加入させた
ピート・ベストはドラマーとしての
技量が低かったためである
ユダヤ人起業家の特徴は商品を
より大衆受けしやすくアレンジする
才能をというものが見受けられる
ローリングストーンは大卒の
インテリ集団であったが
ビートルズが先にデビューして
「品の良さ」で受けていたため
被らないようにローリングストーン
をロンドン乞食のような格好を
させた
・マクドナルドはメニューを最小限に
作業を徹底的に効率化し
テイクアウトで大量に売りさばく
ビジネスモデルを考えた
レイクロックはマクドナルド兄弟
からノウハウを買い取って自身で
ハンバーガーショップを展開した
1955年レイクロックの元に
ハリー・J・ソナボーンが訪れ
事業に参加した彼はドイツ系
ユダヤ人であった
を募りノウハウを提供しロイヤリティー
を得るスタイルを確立した
ユダヤ社会の地域リーダーは
資産を持つ起業家が多い
シナゴーグのラビ自体がビジネス
を行なっていることもザラである
必然的にユダヤ教徒の集まりは
ビジネスマンの集まりになる
・ハワードシュルツはブルックリンの
「プロジェクト」という公営団地
で生まれた大学卒業後、ゼロックス
のセールスマン25歳でスエーデン
家庭電器会社の支社長になった
支社長の時、わずか4店舗しかない
スタバックスコーヒが大手小売業
に匹敵するのをみてスタバックスの
マーケットマネージャーになる
スタバックスの経営陣は慢心
していて事業を拡大する気は
無かった、そこでハワードが
地元のユダヤ人銀行家の力を借り
スタバックスを買収した
・コンピュータ業界のユダヤ人といえば
マイケル・デル、ベンジャミン・M・ローゼン
アンドルー・グローブなどがいるが
そしてマイクロソフトの元CEO
である
彼は残業代をカットし代わりにボーナス
を出すことにしたりストックオプション
を取り入れた、ただしアップルは
マイクロソフトより先に取り入れていた
ゲイツとバルマーはシアトルコンピューター
プロダクツにQDOSの使用許可を求めた
IBMのパソコンに使用するという事
は伏せてである
そしてわずか75,000ドルで権利を
獲得した
その後、QDOSをただの使用権から
独占使用権に変更しMSDOS以上の
優れたOSに改良させないようにした
ライバルの芽をあらかじめ摘み取った
次にデジタルリサーチ社のCP/M
というOSに対して6分の1の価格で
IBMに提供した、当初は利益よりも
より多くのシェアを取ることの方が
勝つことを知っていた
この戦略はダイヤモンドや企業買収
でもよく見られユダヤ系企業家は
よく知っている
には語れない
当時の映画は今より小資本で作る
ことができて東欧系ユダヤ人が
飛びついた
よう人里離れたところで映画をつくる
それが現在のハリウッドである
・ダイヤモンドは希少であるが
高額になる程、希少なものではない
ユダヤ系の1つの企業が70％以上の
ダイヤモンドを確保しているからである
同社は取引業社に以下の取り決めを
している
①割り当てに異議を唱えてはならない
②価格競争をしない
③割り当ては全て受け取るか
全く受け取らないか
④未研磨のまま転売してはいけない
⑤あらゆる情報を共有すること
⑥弱小業者に売ってはならない
つまりダイヤモンド市場は完全に
シンジケートとなっている
1954年にソ連でダイヤモンドが
発掘されやすく売ろうとしたが
デビアス社が買い占め価格を維持
を象徴する
婚約の時にダイアモンド贈るのは
一般的になっているが
1939年に同社が考え出した
ユダヤ人は婚約の時ダイヤを贈る
風習があったが、これを世界に
広めた
1960年代日本にそんな習慣は
なかったがCMで目鼻立ちの
クッキリした美人女性を起用し
指に光るダイヤモンドとともに
キャンペーンを打った
1981年には60％のカップルが
ダイヤモンドを婚約の象徴とした
その後、イスラエルのダイヤモンド
業者にシェアを少し奪われ
90％近くあったシェアは現在は
70％になった
にはユダヤ系移民もたくさんいた
頭が良く同族同士の団結力の強い
ユダヤ人はマフィアで台頭する条件
を満たしていた
彼らが賢かったのは「良質な酒」
を扱ったことである
混ぜ物のアルコールを使った場合も
瓶とラベルは本物を用意した
ユダヤ人得意の「シンジケート」
「カルテル」を使い新たなブラックビジネス
を築いていった
スティーブ・ウィンは
2005年世界最大級の「ウインラスベガス」
パチスロ会社経営の岡田和生氏と
共同で建設
者のことをいう
ユダヤ教3000年の歴史の中には
改宗してユダヤ人になった者もいる
現在のイスラエルの帰還法の定義では
自分自身がユダヤ教徒か
日本人でも改宗すればユダヤ人に
なれる
聖書に出るユダヤ民族は中東の民族
聖書ではユダヤ人は12の支族がある
世界で富を稼いでいるユダヤ人の
に住んでいたユダヤ人ではない
ほとんど全ての宗教の精神は
『人々が助け合い愛し合うこと』
タルムードという運用マニュアル
的なものがある
また他の宗教と最も違う点は
「神格化された宗教指導者がいない」
ということである
モーゼはそれに近いがモーゼの
名を唱え祈ったりはしない
ユダヤ教では神の次は自分という
位置付けになる
誰かを崇拝しないということは
自分の生き方を自分で考え
「自分の考えを持ち自分で問題解決する」
ユダヤの成人式では聖書の一説
を朗読し自分なりの解釈を
付けなければいけない
ノーベル賞受賞者の3分の1が
とわかっていない人は含まれない
仏教では神格化された指導者が
何人も現れた
彼らは信者たちの妄想の対象となり
自分自身で自分の人生に向き合う
ことはせず何かに追随することで
救われると信じるようになった
宗教に限らず人というものは
誰かを神格化したり、誰かに追随
する事で救われようという傾向が
強い
「自分たちは神から選ばれた民族である」
選民思想が外に向いた場合は害に
なるが自分の中で
「自分は神に愛されている」
という根拠のない強い自信は
人生をポジティブに生きるアイテム
ユダヤ教は休養を非常に重んじる
安息日は金曜から土曜日
タルムードは旧約聖書以降の
ラビたちが発言したことを
編纂したものである
単独で家を借りなかった
工業地域には昼と夜の勤務が
あり同じ部屋にそれぞれを
同居させ食事を提供したり
下宿代を取って貯蓄を増やす
NY不動産の6割がユダヤ人関係
で占められたユダヤ人の人口は
1割しかいなかったのに
イギリスでは1000万ボンド以上の
不動産資産家の半分はユダヤ人
人口は1％以下であるのに
ユダヤ人は有能なものには
あっさりと投資する
が容易にできるユダヤ人には
ユダヤ人同士の相互扶助の文化
がある
第３章ロスチャイルド家とは何者か？
ロスチャイルドの始祖は
マイヤー・アムシェルである
最初はただ同然で古銭を集め
貴族に売った
子孫が増え各国に分散し為替という
難しいビジネスをやりこなす
親族のネットワークを駆使し
利益を上げる、これがユダヤ人
成功の秘訣である
ユダヤ人は姻戚関係があるからといって
両家が結託するわけではない
それは歴史が証明している
ロスチャイルド家はドイツの
フランクフルト発祥である
19世紀後半フランクフルトにあった
銀行の85％がユダヤ系
20世紀になって企業が巨大化していき
国債の引き受けよりも企業の投資
の方が金融業の主な事業になった
ロスチャイルド家はこの面で遅れ
銀行の株式会社化にも遅れをとった
第４章実はユダヤ人とは日本とも関係が深い
明治政府は借金に頼らざるを得なかった
そして公債の多くを引き受けたのが
ユダヤ人金融家だった
明治維新以前に神戸、横浜、長崎
にはシナゴーグがあった
日本のガソリンスタンド
はユダヤ人が創業した
創業者マーカス・サミュエルは
会社を売却する際に貝殻を永遠に
使うことを条件とした
貝殻は横浜で見た貝殻がモチーフ
になっている
日露戦争で戦費の外債を発行し
たが、これを引き受けてくれたのも
ユダヤ人ジェイコブ・ヘンリー・シフ
である
迫害していた
彼が経営していたクーン・ローブ商会は
その後リーマン・ブラザーズと
合併している
アヘン戦争で中国にアヘンを売った
代表的な商人もユダヤ系財閥
サッスーン家だった
勃興とともに中国大陸からほぼ
駆逐された
日ユ同祖論、日本とユダヤは
同じ先祖を持つという思想もあった
差別しなかった
「ドイツでユダヤ人をどう扱おうと
ドイツの勝手だが、満州国は独立国
であり満州国の処置にドイツが
介入する事は許されない」
ー樋口季一郎ー
参戦を強く望んでいた
そこねてまで日本と協力することは
できなかった
杉原は東方正教会に入信していた
宗教的見地からユダヤ人を助けた
とも言われている
代理店はユダヤ商人
ベンジャミン・フィッショフ
日本製ミシン業者16社中15社が
ユダヤ人経営者
ユダヤ人は日本車の所有率が高い
4人に1人は日本車に乗っている
第５章ユダヤ陰謀論の真実
ユダヤの事業家は利を得ることに
執着し倫理にもとる行為に及ぶ
ことがある
我々はユダヤ経済人の長所と短所
ついて冷静に見つめ直さなければ
ならない
の間には明確な差別が存在した
花形の仕事はドイツ系、汚れ仕事は
東欧系だった
500万人のユダヤ人が住んでいる
アメリカの国民平均資産を100と
172になる「自己申告」
（日系132、非ユダヤ白人107）
と言われている
力をつけていった
アメリカ経済の中心はワスプだが
アメリカの中心となる産業で
主導権を握っていた
1985年ウォール街の億万長者
100位のうち半分がユダヤ人
上位10位の7人がユダヤ人だった
「世界のネットワークを活かした
情報戦略」がユダヤ人の強み
キリスト教が日曜日休んでいる
間にユダヤ人同士情報交換を
行い投資先を練るユダヤマネー
を批判する本は300年も前から
存在する
が強い影響力を持つ
ロビー（圧力団体）には全米ライフル
協会などがある
委員会）はライフル協会以上の
を購入しようとしたがAIPACの
反対にあい否決になった
彼らの戦略は、ある部分にターゲット
を絞り、そこを攻撃し他の議員に
恐怖心を植え付ける
・20世紀初頭のドイツ6大銀行のうち
5つまでユダヤ人が中心に運営
ユダヤ人は世界経済に多くの敵がいる
上にユダヤ経済人同士も決して
一枚岩ではない
を推奨している面がある
・ぺレール兄弟はロスチャイルド家
との争いに敗れたがターニングポイント
になった銀行は株式会社の形態
広く大衆から資金を集めて作られる
ものが主流になっていった
●本書から得られた新しい知識
ワスプ：キリスト教の白人
バー・ミツバ：ユダヤの成人式（13歳）
クーン・ローブ商会：ユダヤ系金融機関
移住させ自治区を作らせる
を使って満州を開発
安息日：土曜日、日曜は仕事が可能
・2大ユダヤ人
–アシュケナージ系（白人系）
–セファルディム系（アラブ系）
・アイ・ウォント・ホールド・ユア・ハンド
ビートルズのブレイク曲
・全人口の0.2％のユダヤ人が
ノーベル賞の22％を占めている
中でも経済学、物理学は多い
・ユダヤの学校は1学級25人まで
は3〜4％だが大学生の10％は
ユダヤ人だった
・アメリカの医者、弁護士の
ユダヤ人の割合は15％
・喫茶店を最初に作ったのは
ユダヤ人
・広告を最初に取り入れたのも
ユダヤ人
・ガソリンスタンドを初めに
作ったのもユダヤ人
ルイス・ブラウスティン
・ツインタワーの所有者はユダヤ人
ラリー・シルバースタイン
・ユダヤ教では収入の10分の1を
寄付するのが半ば義務
・フランスでは相続資産としての
株の資産評価は資産家が死んだ
その日の終値になる
・アラブボイコット
①イスラエル企業・個人との取引禁止
②イスラエルに資本、技術提供していると
みなされた企業と取引しない
③イスラエルに資本、技術提供していると
みなされた企業の関係企業と取引しない
・イスラエルでは日本のスバルが
最も人気がある
●本書に出てくる格言
・本のない家は魂を欠いた体のようなもの
・もし生活が貧しくても
金、宝石、家、土地の順に売れ
本は最後まで売ってはならない
・富は要塞であり貧苦は廃墟である
・金は悪ではなく呪いでもない
金は人を祝福するものである
・人を傷つけるものが3つある
悩み、諍い、空の財布、そのうち
空の財布が最も人を傷つける
ーユダヤの教えー
・矢は一本では簡単に折れるが
5本束ねると決して折れない
・語るなかれ
インタビューには当たり障りのない
ことを述べておき真実を語ることが
全てではない
・ユダヤ教に忠実であれ
ーロスチャイルド家訓ー
▼書籍
赤い盾（広瀬隆）
●本書で得られた気づき
ユダヤ教は「神の次は自分」
誰かを神格化しないという所が
本書の最大のポイントのように思える
MLMを含め胡散臭い商材を
売ったりしている集団には
必ずといっていいほど神格化された
カリスマ経営者がいたりする
そして、そのおこぼれをもらって
成功者に引き揚げてもらった
あなたもカリスマを信じれば
成功者になれるという話はよく聞く
でも、ユダヤ教だと自らが
カリスマになることを目指すだろう
●今までの自分の考えと違ったところ
●本書の内容で実行してみたい事
自分の生き方を常に自分で考える
神格化されたカリスマ経営者が
いる組織に注意する
