書名:米国株投資入門
著者:岡元兵八郎
●本書を読んだきっかけ
最近では投資の本棚に米株投資の
本が以前より増えたと思う
そんな中、目に付いたので
手に取ってみた。
●読者の想定
米株投資の初心者から中級者
コア・サテライト戦略について
知りたい人、具体的な手法が
記されている。
●本書の説明
はじめに
「米国株は割高だから買えない」と言う
意見については
「それは単なる杞憂ですよ」
とお答えしておきましょう
第1章 10年先がイメージできる投資をしよう
・著者が最初に投資したのは
ブリティッシュテレコム(BT)
の株式、日本のNTTみたいな会社
・人口動態を見れば一目瞭然
日本は人口が一番多かったのが
2004年12月で1億2787万人
1868年は3330万人
1945年は7199万人だった
・何も考えずに有名な米国企業
をパッケージしただけで
日本株よりパフォーマンスが良い
例)アマゾン、アップル、アルファベット
アメリカンエクスプレス、シスコ
コカコーラ、マイクロソフト
・個別株で最も上昇したのは
1989年〜2020年7月28日で
ジャック・ヘンリー&アソシエイツ
30万1874%の上昇
金融サービスを業界向けに
ソリューションを提供する会社
何度も確認したが30万%というのは
本当の数字です
・米国の人口は今後も増え続け
現在3億2820万人で
2060年には4億1700万人
まで増えると見られている
・テスラ株は過去数年間
毎年50%程度の調整があった
下がった時に余剰資金で
追加投資ができるか否かが
長期投資成功の秘訣
第2章 なぜ米国株式なのか
米国は先進国で成長をし続けて
いる
・米国の株式市場の時価総額は
世界株式市場の42%
4000兆円でダントツのトップ
・「NYダウ工業株30種平均」は
世界で最も歴史の長いインデックス
算出開始は1896年5月26日
・米国企業の株価が強い理由に
CEOをはじめとする経営陣が
自ら経営に関わっている企業の
株式を保有している、実は結構
重要な事です。
日本企業が株主軽視の経営を続け
てきたのはインサイダーが自社の
株式をほとんど保有していないから
です。
インサイダー保有率:
日本(0.53%)米国(1.85%)
・米国が革新的な国である理由
イノベーションを大事に育てる風土
新しい考え方→新しいビジネスアイデア
2.リスクテイキングの文化
失敗を恐れない
3.教育システム
暗記学習より探究と独創的な思考重視
4.ビジネス寄りの米国政府の政策
公共政策は伝統的に起業家精神
中小企業、スタートアップを支持
してきた
・人間の欲望は際限がないので
どんどん贅沢を覚え、より
高額な消費を行うようになる
こうした循環で経済規模は拡大
して高い経済成長率が実現する
・米国ではディスラプションが
起こっているディスプラションとは
「破壊」という意味で
イノベーションによって新しく
登場した製品・サービスが
既存の業界を破壊して新陳代謝
を早めている
・米国市場の株式は日本時間
11時半から翌朝の6時
仕事が終わってから取り組める
第3章 ETFを活用すれば簡単にできる米国株投資
・米国のETF2020年8月31時点で
NY証券取引所だけで2320本
S&P500のETFは30年間で
100万が1248万になった
バフェットは妻の遺言に
S&P500に投資するように
指示した
・S&P500採用の条件
①米国企業である
②時価総額53億ドル以上
③流動性が高く浮動株が
発行済株式数の50%以上
④4四半期連続で黒字の利益を維持
第4章 実際に投資をしてみよう
・米国の立会時間は9時半から
16時まで
立会時間の前と後に
「プレ・マーケット」
「アフター・セッション」
・外国税額控除を受けたい人は
確定申告をした上で総合課税か
申告分離課税のいずれかを選ぶ
外国税額控除は二重課税を調整
するためのもの、配当にかかる
米国での10%の課税を控除
・ダルバーの調査によると
2015年までの20年間のリターンは
S&P500の平均リターンは
9.85%であったのに対し
株式投資信託の平均リターンは
5.19%だった
・TOPIX指数が57%の確率で
プラスリターンを出してきた一方
S&P500は73%の確率で
プラスのリターン
米国株式が今後も成長する蓋然性
があっても多くの人は途中で
売ってしまう、特に株価が
急落した直後の戻り相場で
・日本の株式は発行済み株式の
大量保有報告を行う義務がある
・株式累積投資制度は日本の
物であり米国株式ではこの制度
を利用できない
毎月決まった時期に時間分散して
投資をしていくしかない
5回に分けて買うとしたら
1週間か長くても2週間以内に
買い切ってしまおう
・コア・サテライト投資のコア
の部分をS&Pなどのインデックス
ファンドの積み立てで増やし
個別銘柄をサテライト部分で
投資していくのが米株長期投資
にぴったりである
・アップルの配当金は
1999年の大晦日からドル建てで
112%上昇した
・米国の株式市場ではIPOまで
たどり着いた時点で、将来の
成功確率は高いとみなされる
上場日に買いに行く必要はなく
上場日に高値を付けて下がった
所で買いを入れる
上場日に下げた場合も
アンダーバリューになった
ところを丹念に買っていく
第5章 長期投資に適したポートフォリオの作り方
常に言っているのは
「半年程度の生活費を現金で
持つようにしましょう」
・現金の内、生活費を除いた
残金でコア・サテライト投資を
ブラッククロック社が推奨する
コア・サテライト比率は
70%:30%
サテライト部分は最低でも
5銘柄、できれば10銘柄
余裕があれば20銘柄に分散
しておけば良い
・昔は「若い時はリスクを取って
年齢が上がるに従って徐々に
リスク管理の比率を減らして
60歳の定年を迎えたときには
100%債券で運用するように
しましょう」というのが基本
だったが、今は状況が変わった
著者のアドバイスは
120歳まで生きるとして
50歳の場合は
120歳ー50歳=70%
が株式の比率、
残り30%が安全資産
コアの70%はS&P500ETF
残りを安全資産とする
株式を保有したい場合は
3銘柄で毎月配当がもらえる
ポートフォリオを作る
4回×3銘柄×=12回
例1)
MO「アルトリアグループ」9.37%
T「AT&T」7.7%
CVX「シェブロン」7.42%
例2)
PM「フィリップモリス」6.62%
VZ「ベライゾンコミニケーション」4.34%
SO「サザンカンパニー」4.39%
MMM「3M」3.66%
JPM「JPモルガン」3.67%
・朝起きたらベットから飛び出し
米国のCNBCという金融チャンネル
を見る、他にはブルームバーグ
無料なので見ない手はない
第6章 これから10年先まで持ち続けられる米国株21選
・電話が普及するのにかかった
年数は35年、ラジオは25年
パソコンは15年、インターネット7年
と言われている
・グローバル運転んデータの価値は
今後10年で49兆円から80兆円
・1000万ドル以上の資産があれば
誰でも宇宙に行ける
・GoogleはR&Dに277億ドル
使っている
・コカコーラは現在世界で
400のブランドを持っているが
半分以上が売上の2%しか寄与
していない
▼著者推奨銘柄
AAPL:アップル
AMZN:アマゾン
TSLA:テスラ
LOW:ロウズ「ホームセンター」
SPCE:ヴァージンギャラクティック
POOL:プールコーポレーション
Z:ジローグループ「オンライン不動産」
GOOGL:Google
LYV:ライブネーション・エンターティメント
NVDA:エヌビディア
CHWY:チューイ「ペット関連eコマース」
TDOC:テラドックヘルス「慢性疾患」
NKE:ナイキ
CTAS:シンタス「ロゴ入りユニフォーム」
KO:コカコーラ
T:AT&T
SIVB:SVBファイナンシャル
DOCU:ドキュサイン
SQ:スクエア「クレカ決済」
RPRX:ロイヤルファーマ「バイオ医療資金提供」
おわりに
米国株が長期投資の対象として
相応しいと共感されたのなら
次に必要なのはアクションだけです
●本書から得られた新しい知識
・2004〜2016年の間に150万人の
米国大学を卒業した外国人留学生
が米国内で就職している
エンジニア、数学関連の職を得ている
・コア・サテライト戦略
米国株式インデックスを中心に
これから大きく伸びる国のETFや
個別株式を配していく戦略
・マネックス証券はドル転は無料
円転は1ドルにつき25銭
・米国IPOはインサイダーは
上場日から180日経たないと
保有株を売却できない
「ロックアップ期間」となる
・「Together tastes better」
はコカコーラのキャンペーンで
「コカコーラは食事にも合いますよ」
を世界の消費者に伝える目的
・IR情報の探し方
「企業名,INVESTOR RELATIONS」
とGoogle検索する
▼用語
・ホームマーケットバイアス
自国の市場の物に投資が偏る
・ステイ・インベステッド
長期投資
▼本書紹介コアETF
【S&P500】
SPY、VOO、IVV
【S&P中国株400】
SPMD、IVOO
【S&P小型株600】
SPSM、VIOO
【NASDAQ総合指数】
ETF無し
【NASDAQ100】
QQQ
▼サテライト投資ETF
【バンガード米国増配株式】
VIG
過去10年連続増配企業
【GLOBAL Xサイバーセキュリティー】
BUG
【ロボ・グローバル・ロボティクス&オートメーション】
ROBO
【インベスコ・グローバルウォーター】
CGW
【世界クリーンエネルギー】
PBW
【バンエッグ・ベクトル・アグリビジネス】
MOO
農業ビジネス
【グローバルXソーシャルメディア】
SOCL
【グローバルX AI&ビックデータ】
AIQ
【グローバルX ミレニアルズ・シーマティック】
MILN
ミレニアル世代好みの商品会社
▼サイト
https://www.nasdaq.com/market-activity/ipos
https://www.nikkei-cnbc.co.jp/
マーケットワッチドットコム
インベスティング
ウォール・ストリートジャーナル
●本書に出てくる格言
・我々の保有期間は永遠だ
・今回の株価の大きな下げによって
米国企業の持っている価値の
何が変わった?
変わらないだろう。
ーウォレンバフェットー
我々はイノベーターのための銀行
である
ーSVBファイナンシャルー
●本書で得られた気づき
●今までの自分の考えと違ったところ
●本書の内容で実行してみたい事
米株初心者に本書を紹介
著者のチェックするサイトを
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