書名:先回りイベント株投資
著者:柳橋義昭
●本書を読んだきっかけ
投資初心者教育に使える教材で
あったため購入
●読者の想定
投資初心者〜中級者まで
サポートする比較的簡単な手法と
アイデアが書かれている
●本書の説明
はじめに
ごく普通の個人投資家にはイベント
投資が有効な戦略になる
・ごく普通の個人投資家にとって
土日の数時間程度で投資先の選定が
でき。また、平日の情報収集についても
ごく短時間で済ませられるような
方法、こうしたニーズに完全に
合致するのが「イベント投資法」
です「別名:方リスト投資」
・イベント投資6種類
[株主優待に関連したイベント投資]
①株主優待先回り買い
[インデックス系のイベント投資]
②TOPIX買い
③日経平均銘柄入れ替えへの先回り買い
④東証REIT指数買い
[IPOに関連したイベント投資]
⑤戦略的なIPO株の取得
第1章 「イベント投資」のイロハを学ぶ
・そのイベントが発生する事で
その前後の値動きに一定の方向性や
傾向が生まれる出来事だけを対象に
そのイベントがいつ起きるのか
事前にある程度予想できなければ
ならない、さらにその出来事によって
一定の株価の傾向が生じるイベント
だけを狙っていく
そうした一定のイベントを先回りして
利益を得ようとする投資法が
イベント投資である
・実際の株式市場には株価に大して
注意を払わないまま特定の銘柄を
売買する参加者が一定数いる
・もっとも多いのは一度の投資で
5〜15%ぐらいの値上がり幅を
とれるケースです
・事前に予想されているとおりに
株価が動くのは株価ではなく
別の何かによって特定銘柄の
売買が行われるため、例えば
インデックス連動型投信の運用
ルールや優待族の個人投資家の
行動など
第2章 「株主優待先回り買い」でイベント投資の基本を身につける
・権利確定日にその起業の株主名簿
に名前が載るには、権利確定日前の
「権利付最終日」当日までに株を
購入して1日持ち越す必要がある
・株主優待の権利確定というイベントは
実は企業の公表している権利確定日
の2営業日前に発生する
・権利付最終日の引け(15:00)を過ぎると
その銘柄はいわゆる「権利落ち」となり
多くの投資家が別の銘柄へと資金を
移動させることで、翌日の「権利落ち日」
には株価が下落する場合がほとんど
・儲けたいなら優待はもらわない
前月の月初めごろに買って
その月の月末ごろに売るといい
・権利確定月の前月に月足のローソク足
が圧倒的な割合で陽線になる銘柄が
いくつかある、権利確定月の当月には
月足のローソク足が陽線になるケース
が多い
権利確定月の当月でも2ヶ月前でもなく
前月にこそ値上がりが顕著に現れる
ということです
・誰でも見れるYahooファイナンスの
サイトで10年分まで確認できる
月足チャートで確認する
該当する銘柄があれば種率の高い
上位2〜5銘柄程度に分散投資する
▼著者お勧めの優待先回り銘柄
1月 柿安本店(2294)
2月 日本KFC HD(9873)
3月 伊藤園 第1種優待株(25935)
4月 調子丸(3075)
5月 湖池屋(2226)
6月 バル二バービ(3418)
7月 鉄人化計画(2404)
8月 ヨシックス(3221)
9月 東和フードサービス(3329)
10月 北恵(9872)
11月 日本和装HD(2499)
12月 ダイドーグループHD(2590)
・株主優待の条件の改悪や
そもそもの優待廃止の発表が出てないか
投資の直前に確認する
「該当の上場企業名 IR」で検索
その会社のIRニュースを掲載している
ページを確認
第3章 「インデックス買い」への先回り投資をとことん極める
「ジャスダック」は多様な企業向けの市場
・東証1部の銘柄数が変わるシチュエーション
あるいは地方市場から東証一部
へと昇格した企業があった場合
企業があった場合
③M&Aや粉飾決済などによって
した企業があった場合
※比較的数が多いのが①の場合
・東証一部に昇格した銘柄が
TOPIXに組み込まれるのは
原則として昇格した月の翌月末
原則として昇格月の翌月末までに
これらの銘柄を買い付ける
・東証一部への昇格があったら
その翌月末から数えて10日〜1週間
ほど前までに、その昇格した
銘柄の株を先回りして買っておく
そして、月末の1〜2営業日前には
売却します
・東証一部への直接上場銘柄では
前項で説明したような上昇翌月末
に向けての値上がりが、より素直に
発生しやすい
決算の情報をはじめ市場に公開
されている情報がまだ少ないため
様々な思惑や各企業の個別情報
に基づくノイズが少なく、そのため
TOPIXへの組入に向けた値動きが
素直に発生しやすい
・「スピンオフ上場」「テクニカル上場」
–「スピンオフ上場」は事業を分離させて
子会社として独立させた会社
従来の親子上場に比べて既存株主
に対する影響が軽減される
–「テクニカル上場」はすでに上場
している会社が持ち株会社化する
時に、それまでの上場会社が
上場廃止になり直後にその会社の
持株会社が新規上場する形
※スピンオフ上場、テクニカル上場は
通常のTOPIX買いの手法は使えない
・東証一部の直接上場は、かなりの
大企業の場合が多くIPOにあたって
大規模な新株の公募を行うことが多い
したがって上場直後に多少値下がり
するケースが多く、そうした場面
で普通に市場を通じて購入する
という手段も取れる
・「定期見直し」
銘柄入れ替えのタイミングには
新たに採用される銘柄に
どうしても買わなければならない
機関投資家による大量の買い注文が
入り規模の大きな「インデックス買い」
が発生する
除外される銘柄は、どうしても売ら
なければならないことになるので
逆に「インデックス売り」が発生
します
毎年9月5日前後に日本経済新聞社
からその年の銘柄入れ替えについて
公式発表がなされます
そして、最終的には毎年、原則と
して10月の第一営業日に実際の
入れ替えが実施されます
事前の予想は外すことが結構あるが
スケジュール感を抑えておく
インデックス買いが終わると
その翌営業日にはもう大きな
買い圧力はないため
10月の第一営業日には該当銘柄
の株価は急落する
基本となる戦略はインデックス買いに
向かってジリジリと上がっていく
株価に先回りし値幅を取っていく
実際にインデックス買いが生じるのは
3週間ほど先で、たいていはその後
だれて、いったん値下がりする
株価の動きを見ながら
実際にインデックス買いが入る
1週間くらい前に買いを入れるのが
ベストです.
そして、インデックス買いの当日
(9月30日)に売却して、そこまで
の値幅を取る
6月から7月にかけて各証券会社
から入れ替え銘柄の予想レポートが
出てきて候補銘柄に期待した買いが
入り値上がりします
しかし、名前が入った銘柄のいくつかは
予想が外れインデックス買いの
機体が剥落して一時的に株価が急落
会社の業績や経営環境に変化が
あるわけではなくてもです
そこを敢えて狙って買い
一時的な株価の急落が回復する
のを数日〜2週間程度待ってから
売ることで高い確率で一定の値幅が
取れます(むしろこちらが勝率高い)
日経平均に採用される銘柄を当てる
ことは難しいが採用期待が外れて
急落する銘柄を狙うのは難しくない
・日経平均から除外された銘柄狙い
9月の最終営業日にドカンと下がり
それさえ過ぎれば10月に入れば
イベント通過で、むしろ株価は上がる
実際の除外の10日〜1週間前から
売りで入り最終営業日に買戻し
初心者ならば除外が発表された
直後の下げから値下がりを確認し
数日〜1週間ほど待ってリバウンド
で株価が戻ってきたところで売って
値幅を取る(リバウンド狙いは勝率高い)
・6〜7月の証券会社の予想銘柄
を全て買って網を張る方法は
外れることが多いのでやめる
この手法は全くオススメできない
・東証REIT指数買い
に組み入れられます
ただし、すぐにではなく上々月の
翌月末と決まっている
新しく上場したREIT銘柄は上場月末
から数えて10日〜1週間前ほど前
までに購入しておき月末に向けて
値上がりを確認しながら上場翌月末
の前日までに売り抜けます
もし新規上場の時に公募割れして
いるのであれば、どうせ翌月末に
かけて値上がりする可能性が高い
ので新規上場したタイミングで
買うのもいい選択
著者の経験では勝率9割を超えて
いるが、一度に得られる利益の
額はそれほど大きくない
・東京証券取引所の市場区分変更
現在は
①東証一部
②東証二部
③マザーズ
–ジャスダック・スタンダード
–ジャスダック・グロース
今後数年をかけて3つの市場に再編
①プライム市場
流動性の高い企業向け
②スタンダード市場
実績のある企業向け
③グロース市場
新興企業向け
・現在は東証一部に上場している
ものの新しい市場区分ではプライム
市場の上場維持基準を満たせない
と思われる企業がある
日経平均株価指数については
もし構成銘柄の中からプライム市場
に移行せずスタンダード市場や
グロース市場に移行する企業が
出れば、それらの企業は除外して
新たにプライム市場の企業を
採用する組み替えが行われる
可能性が高い
プライム市場に移行せずスタンダード
グロース市場に移行する企業が
あるときは、その全てを移行の
翌月末から対象外とするのが
原則となるはず
ちなみに東証REIT指数は影響なし
こうした変化はイベント投資のチャンス
・現在の東証一部に相当する
プライム市場では新規上場・上場維持
の両方に共通して必要な株主数
の基準が大きく緩和される予定
第4章 直近のIPO株を狙う「上場来高値ブレイク戦略」
・上場からしばらくして
「カップ・ウィズ・ハンドル」を
描き上場来高値を更新していく
イベントが起これば買い
「上場来高値ブレイク戦略」
利確は直近の高値を超えられず
一つ前のネックラインを下抜け
したら売却
この高値ブレイク投資法は
過去1〜2ヶ月以内に新規上場した
ばかりのIPOに限定して実施
カップウィズハンドルのハンドル部
でもみ合ったのちレンジ相場や
下落相場に移行するダマシが
非常に少ない、だから
「高値ブレイク投資法」と呼ばず
「上場来高値ブレイク投資法」と
呼んでいる
・カップウィズハンドルを形成
することを期待し底値で買う
初心者に難しいリスクは上場来高値
ブレイク投資法より高くなる
・ネックラインをブレイクした段階
あるいはハンドルまでしっかり形成
した段階で買いに入り、その後は
直近の高値をブレイクしている
間は保持する。
勢いがなくなり直近の高値を
割ってしまったら、その段階で
売るのが一般的な「高値ブレイク投資法」
第5章 イベント投資家5つの心得
損切りしないで塩漬けすると
その後別の対象に投資できなくなる
・1名柄あたりの投資金額を決める
著者は原則200万
損切りは評価額の金額が20万
に達したら極力機械的に行う
・利確は明確なルールはないが
数%〜15%程度の利益を獲得した
段階で最低限、保有株の一部は
売却しある程度の利益は確保する
・周りの人になぜその株を買ったのか
説明できるくらいにまで
突き詰めて調査する
・それぞれの手法での売買タイミング
や利益確定の目安などを無視し
一部だけいいとこどりしようと
すると失敗することが多い
・なぜその株を保有しているのか?
という問いに答えられる
・多種多様な手法があり
これらを組み合わせることで
収益機会を増やすと同時に
負けた時のダメージを分散できる
得られる利益も最大にできる
・手数料に敏感になる
・適時開示情報は死活的に重要情報
注目すべき情報は
①業績発表
②事業内容に関する発表
③株式分割
④株主配当の新設や内容の変更
⑤配当金に関する発表
⑥業務提携に関する発表
⑦東証一部や二部への昇格
おわりに
「新柳橋塾」の紹介
●本書から得られた新しい知識
▼用語
TOPIX:Tokyo stock price Index
東証1部に上場している全銘柄で
構成されている、時価総額の合計を
終値で評価し基準日である
1968年1月4日の時価総額
を100として指数化し現在値を
表しています(現在は浮動株基準)
▼月ごとの優待実施上場銘柄(2019)
1月 35
2月 148
3月 829
4月 35
5月 36
6月 116
7月 34
8月 114
9月 423
10月 38
11月 40
12月 184
▼手数料の安い証券会社(安い順)
GMOクリック
▼サイト
適時開示
https://www.release.tdnet.info/inbs/I_main_00.html
トレーダーズウェブ
https://twitter.com/yanagibashi01?s=21
新柳橋塾
●本書に出てくる格言
●本書で得られた気づき
銘柄入替投資法は数年前から実施
していたが最近はうまくいってなかった
著者がいうように、ある手法の
いいとこだけだと上手くいかないが
複数の手法からアイデアを生み出し
売買する場合は上手くいくというのは
かなり同意できる
それは投資に限ったことではない
●今までの自分の考えと違ったところ
銘柄除外のリバウンド買い
言われてみればなるほど
でも、やったことはなかった
●本書の内容で実行してみたい事
イベント投資の北恵(9872)を
購入した、四季報がイマイチの
業績予想を出していたので
臨機応変に利確したい