思考と読書【お金・健康・人間関係 編】

お金、健康、人間関係に関する本の書評と説明 ビジネス書や自己啓発が多くなると思います なるべく毎週投稿できるように頑張ります

■同調圧力 を読んで

 

 

書名:同調圧力

著者:鴻上尚史佐藤直樹

 


●本書を読んだきっかけ

書店で「今売れてます」とディスプレイ

今度の読書会のネタにしようと購入

 


●読者の想定

今の日本の「ここが変だよ」が

分かり、若い世代に、その経緯を

知ってもらうには良い本だと思う

ただ、本書は著者の主観の度合いが

強いので鵜呑みも良くないと思う

 


●本書の説明

まえがき

同調圧力」とは「みんなに同じ」と

いう命令です、そして、「同調圧力

を生み出す根本のメカニズムが

日本特有の「世間」なのです

「世間」の特徴は「所与性」と呼ばれる

「今の状態を続ける」「変化を嫌う」

です

 


序章 コロナで炙り出された「世間」戦時という風景

コロナが広がってもいいのか

他人に迷惑をかけてもいいのか

そんな危機感で人々を脅迫している

国民やメディアがその空気を作り出した

ことが一番の原因だと思う

罰則がなくても人々は羊のように

大人しいし従順にこれを受け入れる

日本人の間に「犯罪加害者とその家族

は同罪」と言った意識が浸透している

SNSもネットニュースのコメント欄も

人を一方的に罵倒したり非難したり

するなどの攻撃的なコメントが

より目立つようになった

 


第1部 「世間」が生み出す同調圧力

・日本には海外特に欧米には存在

しない「世間」がある「方のルール」

がまったく機能を失っても「世間」

のルールが作動する

「世間」というのは現在及び将来

自分に関係ある人たちだけで形成

される世界のこと「世間」が中途半端

に壊れてきた今は僕たちは「社会」

とつながらなければならない

自分という無縁の人たちの世界で

その人たちとどう関係を作っていくか

部活では先輩後輩といった関係

に縛られます言葉遣いまでもが

「身分」によって変わってきます

イギリスなどではパーティー

そうですが基本的に自分がどういう

人間であるかという事を言う

だけでいい、身分の上下はない

宝くじに当たった人がテレビに出る

様なことをやったら「世間」から

妬まれてとんでもないことになる

「みんな一緒」という同調圧力

強い

本来、平等でなければいけない

という刷り込みがあるから自分

よりいい思いをしているなど

平等でないものに対する妬み意識

が強い

「個人」が集まって「社会」が

できるわけだが、日本に元々あった

のは「世間」だったが明治時代に

「個人」と「社会」という言葉が

入ってくる

インディビジュアル、ソサエティ

が入ってきて、。それを翻訳

した、この時、近代社民社会という

概念が輸入された

・「呪術性のルール」

日本には俗信・迷信の類が山のように

あります先進国の中でも日本はたくさん

ある

悪いことが続くと御祓に行くなどが

そうである

呪術性や贈与・互酬の関係を利用した

ビジネス。これも一種の同調圧力

これにプラスして「差別的で排他的」

が存在する

・「排他性」

引っ越したら何か手土産を送る

「贈り物は大切」

一つでも年上だと偉い「身分制」

あなたと私は同じ時間を生きている

上司が帰らないと帰れない

「同じ時間を生きることが大切」

ウチは昔からそうしているから

「神秘性」

自分たちの「世間」を意識するために

仲間外れを作る「排他性」

・日本において「世間」の本質は

その暗黙のルールに従いなさい

みんなと同じことをしなさい

という「同調圧力」のこと

「みんな同じ」ような悲惨な状況

に置かれた場合「みんな同じ」という

同調圧力が働く「仕方がない」

と考える

・幼い頃から「いいね」の数や

RTの数を気にせざるをえなくなり

自分がどう評価されているかに

関してすごく敏感になってしまった

絶対否定されない言葉を言うように

なり、それは「正義の言葉」

「正義の言葉」をかざして差別と

排除に染まっていく

・ネットが「社会」と繋がっている

と言う認識がないため仲間ウチに

向けたノリになる

徐々にネットと現実社会を飛び越え

「◯◯人は出ていけ」とか

言う人が出てくる

白人至上主義のKKKは外側に社会

があることを知っているから顔を

白頭巾で隠す

・日本には「身分制のルール」が

あるために他人を信用できるか否かは

「世間」のなかでどういう地位や

身分を占めるかによって判断

その人が信じられるかどうかを

名刺や肩書きで判断する

SNSでデマが流れても自分の「世間」

に属すると思う人の情報だったら

それだけで信じてしまう

僕らは肩書きや立場とかでジャッジ

することに慣れてしまっている

・演劇界の人を「好きなことやってる

んだから黙っとけ」と批判する人は

そんなに好きな事をやっていない

人が多いという現れ

何かを叩く事で自分の存在意義を

見つけたいと思っている

・1990年代以降から「後期近代」

という時代に入り、不安を解消したくて

かつて依拠した共同体、あるいは

宗教とか人種とか民族とか

そういうものへの再埋め込みという

事態が起きているという

明治時代、近代国家を目指して

「世間」の解体が始まった

「世間」ではなく「社会」で生きま

しょうと殖産興業や富国強兵の

教育をした

・日本の場合、授業で手を挙げる前に

まず周りを見る、周りが挙げて

いなければ自分も挙げない

つまり「世間」を選ぶ

いじめも小学校高学年から始まる

イギリスのいじめと違うところは

日本では大勢で一人をいじめるが

イギリスでも欧米でもいじめはあるが

必ず「やめろ」という人がいたり

傍観者がいたり多様である

・日本には「ジャンケンで決める」

という文化があるが

欧米では大事な事を決める時に

ジャンケンという偶然に頼らない

・知らない人同士の「社会話」を

伸ばしていく必要がある

3.11の時は日本でも「社会話」が

生まれた

・日本では若者の自殺者が多い

若年層の自殺が多いのG7のなかで

日本だけである

Twitterで「#学校再開うつ」

というキーワードが注目を集めている

自殺理由で一番多いのが経済的な問題

多重債務、うつ病も自殺原因の

上位にあるが正確に言えば鬱病

結果であって原因ではない

・演劇のオーディションに落ちた時

欧米だと「らが足しに会う役がなかった」

と思うが日本人は人格が否定された

ような気持ちになる

「ああ、自分は否定された」

・日本の場合、議員が暴言をはいた

としても謝罪だけで責任を取らずに

すます事もできる

キリスト教では言葉は神様との

関係から生まれる言ったことには

責任を取るか取らないかは

神に対して罪になるかならないか

日本の場合は「世間」の空気で

決まる、阿部首相は典型的な例

「これは私の責任です」と

簡単にいうが実際に責任をとった

ことは一度もない

隠れキリシタンを炙り出すため

やった踏み絵も、効果はないと

思われたが踏めない人が大勢いた

・会社も「世間」である

どんな時も私たちは「社会」に

対する言葉を見つけていかなければ

と強く思う

同調圧力のいいところは

犯罪率の低さと殺人事件の発生率の

低さアメリカの1/19、ヨーロッパの

3分の1ぐらい

日本が世界で一番安全な国

 


第2部 同調圧力の正体

・身内から犯罪者を出した家族の

苦しみや罪悪感を社会に理解して

もらう方が大切だ

宮崎勤の父親は自殺する事で責任

をとった

欧米において成立した「近代国家」

の本質は「愛」そうすることで

家族は「一体性」を獲得する

・江戸時代の武士階級の家制度を

明治政府が採用して戦前の民法

家制度を規定した

妻・子供は支配の対象だった

・日本でマスク着用が広がったのは

外の汚れた世界からウチの清浄さ

を守る呪術性からくる独特の衛生観念

がある

・バカンスから帰ると日本人は

「いやあ疲れただけです」

「雨に降られたばかりで大変でした」

とかマイナス面を語る

素直に「楽しかった最高だった」

なんて言えない

SNSの「いいね!」などは

周りから見られて、なおかつ

いい評価が得られないと不安になる

とにかく周りから常に見られている

ということが前提になる

いつも周りを気にしている

基本的には「世間」にすがる

「世間」に対して、それが恥になると

という感覚がものすごく大きい

・日本はギャンブル依存症のため

有病率が他国に比べて世界最悪レベル

ギャンブル依存症成人の3.6%

推計で320万人、一番の原因は

パチンコ店である

・身分制のルールが存在する日本では

「夜の街」で接客する人間に対する

差別的意識があり、そこから

生まれる同調圧力もある

・単なる承認欲求ではなく

本当に心底、正義だと思い込んで

やっている可能性がある

・「コロナがうつってもいいのかよ」

という物言いは簡単には反論できない

暴力団は人を脅す時「やめろ」

とは言わず「それを続けたらどうなるか

分かってるんだろうな」と必ず

疑問形で脅しをかける

それがヤクザの文法です

付託を求めている単に言い放つより

強制力と恐怖感を生む

「与えられていない命令を先取り」

するのである、日本では最終的な

命令はなく「空気を読む」

・芸能人だけでなく日本の場合

普通の会社員も政治を絡めた発言

はできない

西洋の個人主義キリスト教という

一神教に支えられた個人主義だが

少なくとも日本では「世間」が

「社会」に変わることはない

・日本は自己責任とは遠い国である

「自我」ではなく共同体に従う

「集団我」によって国民は生きている

自己責任は結局「お前のせいだろ」

という「世間」からつまはじき

にするときにすごく便利な理論

である

お前が貧乏なのはお前が働かない

せいだ、自己責任だと1998年

頃からの現象で強い個人になれ

お互い競争しなさいと尻を叩かれ

はじめました

・弱い「世間」を見つけるとか

「社会」とのつながりを見つけて

お間の自分の生きている「世間」で

窒息しないように

猛烈なビジネスマンは会社という

強い「世間」しかなくて、そこで

優秀で本当に頑張ったんだけど

結局定年退職した瞬間に唯一の

「世間」を失ってしまう

会社で得た強さは永遠ではない

ことに気づくのである退職前に

気付いた方がいい

・〈世間–内–存在〉〈世間–外–存在〉

〈世間–間–存在〉という3つの

生き方がある〈世間–間–存在〉の

いろんな世間の間をとにかく生きる

という生き方ができたら、それが

一番良い

複数の弱い世間に所属するという

戦略でもある

融通の効かない男性はつながりを

求めることもしない

「おたく、どこに勤めてました」

みたいな、かつてのポジショニング

会話が糸口だったりする

・張り紙したり脅迫状を送りつけ

たりする人は、結構退職後の高齢者

が多いのではないか、つまり「社会」

にたどり着けなかった人

・圧倒的に治安が良くて安全な国

日本、でも圧倒的に自殺してしまう

という

・「おはようございます」

「こんにちは」といった挨拶を

することで、あなたのことを見てますよ

というサインになり

・海外で自己肯定感が高いのは

「個人」ベースであり常に何か

主張していないと人間扱いされない

と言った事情もある

全共闘の敗北は警察や国家権力

に負けたのではなく「世間」に対す

る敗北である結局、彼らは「世間」に

なった

・海外では言葉に男女の区別がない

言語の上では平等、日本は身分制

のルールがあり男言葉、女言葉が

ある。

日本語は英語の「I」「You」が完全に

脱落する「世間」に風穴を開けるため

にも曖昧さを放置しないことが重要だ

 


あとがき

世間学の面白いところは

今ある具体的な生き辛さや息苦しさ

と言った自分で気づかずに「世間」

に縛られている状況の根本理由が

わかり解放される「導きの糸」と

なる事である

 


●本書から得られた新しい知識

・社会と世間の比較

社会↔︎世間

契約関係↔︎贈与・互酬の関係

個人の平等↔︎長幼の序

個々の時間意識を持つ↔︎共通の時間意識を持つ

個人の集合体↔︎個人の不在

変革が可能↔︎変革は不可能

個人主義的↔︎集団主義

合理的な関係↔︎非合理的・呪術的な関係

聖/俗の分離↔︎聖/俗の融合

実質性の重視↔︎儀式性の重視

平等性↔︎排他性

非権力性↔︎権力性

紅白歌合戦

昔は視聴率70〜80%を超す最高視聴率は

1963年の81.4%

家族揃って見ることに誰も疑問

を感じなかった

・インディビジュアル

自分の周り76センチが個人の範囲

その中に入れるのは自分と恋人だけ

W・H・オーデン

・インターネット・トロール

ネットで誹謗中傷を繰り返す人たち

SNSで知り合った人は信頼できる

日本1割、ドイツ約5割、アメリカ約6割

イギリス約7割

・演劇界では2月26日から自粛が

はじまった

・日本では生活保護が受けれる

貧困ラインの内、実際は2割程度

しか利用者がいない

不正受給率は0.45%にすぎない

これを生活保護の捕捉率というが

ヨーロッパ諸国は8割に達する

・日本には「権利」という言葉は

江戸時代になく明治になってようやく

入ってきた

アメリカではSNSは実名が多い

日本のTwitter匿名率75.1%

アメリカ35.7%、イギリス31%

フランス45%、韓国31.5%

シンガポール39.5%日本以外は

匿名率3〜4割

・幼稚園の給食を全員一緒に

「たただきます」をいって食べるのは

外国人にとって軍隊とか刑務所の

食事のように見える

・日本で最も自殺率の低い

徳島県旧海部郡(海陽町

材木の集積地として古くからたくさん

の他者を受け入れてきたために

地縁血縁が薄い共同体になった

▼用語

・ハンモック・ナンバー

連合艦隊の空母とか戦艦とか

卒業の時の成績順に所属先が割り当て

られていく、その成績順は卒業した

あとも絶対で、成長して追い抜く

と言ったことは想定していない

・告解

「私はこんな悪いことをしました」

と司祭に告白する一年に一回

ヨーロッパ中の成人男女は教会で

告解が義務付けれれている

・恩返しのルール

ルカによる福音書には

奢ってもらったら、恩返し

するのではなく貧しい人や

傷ついている人に、その分を

お返しする

・Peer  Pressure

同調圧力を英語で訳すとこうなる

Peer(仲間、友人)

・世間原理主義

強い世間を復活させ、それによって

自我を保つ

・吹きこぼれ

今までの学校の授業に合わなかった生徒

・N高校

https://nnn.ed.jp

・Hikikomori

ひきこもりの英訳、英語圏に言葉自体がない

・Jisyuku

自粛、英語圏に言葉がない

・ALWAYS三丁目の夕日

昭和33年犯罪率が多かった時代から

一番素敵な時代になっていく映画

 


●本書に出てくる格言

 


●本書で得られた気づき

ヤクザの脅しは付託せあると言うのは

面白いと思った確かに人を脅す時、

そのように言う人は多い

犯罪率の低さや災害時のモラルの

良さなどは「世間」が大きく関係して

いるという話は納得がいった

近所迷惑になるからやめろという話も

良く聞く話である

やはり日本から「世間」を消すのは

難しいし、むしろ「世間」の良さを

どう活かすか考えた方がいいと思う

 


●今までの自分の考えと違ったところ

 


●本書の内容で実行してみたい事

本書をテーマとした読書会を実施する