思考と読書【お金・健康・人間関係 編】

お金、健康、人間関係に関する本の書評と説明 ビジネス書や自己啓発が多くなると思います なるべく毎週投稿できるように頑張ります

■パンデミック を読んで

 

 

書名:パンデミック

著者:ユヴァル・ノア・ハラリ

 


●本書を読んだきっかけ

話題の書であるため、次回の

読書会のネタとして購読

 


●読者の想定

新型コロナウイルス感染症の事が

心配で、権威ある学者の意見を聞き

安心したい人

アフターコロナの世界について

考察を深めたい人

 


●本書の説明

序文

これまでと同じでCOVID–19に関して

決して忘れてならない事がある

それは、ウイルスが歴史の行方を

決める事はない、それを決めるのは

人間である。

私たちが直面している最大の危機は

ウイルスではなく、人類がうちに抱えた

魔物たち、すなわち憎悪と強欲と無知だ

 


第1章 人類はコロナウイルスといかに闘うべきか

2020年3月15「タイム誌」

人類が感染症との戦いに勝ち続けて

きたのは病原体と医師との間の

軍拡競争で病原体がやみくもな

変異に頼っているのに対して

医師は情報の科学的分析を拠り所

としている

人類は見えない襲撃者より優位に立った

1967年には依然として1500万人が

天然痘にかかり、そのうち20万人

がなくなった。だが、その10年間に

天然痘の予防接種が世界中で推進され

この対抗策は大成功を収め1979年

根絶が確認されWHOが人類の勝利

を宣言した

・歴史は新型コロナウイルス感染症

第一に国境の恒久的な閉鎖で自国を

守るのは不可能である

第二に真の安全保障は信頼のおける

科学的情報の共有とグローバルな

団結によって達成されることを

語っている

・世界には基本的な医療サービスさえ

受けられない人が何億人もいる

このため、私たち全員が危うい状況

にある。

アメリカ政府に対する信頼が

はなはだしく損なわれてしまっている

進んで追随する国はほとんどないだろう

「自分が第一」がモットーの指導者に

みなさんは従うだろうか?

・人間同士が争えば、ウイルスは

倍増する対照的に、もしこの

大流行からより緊密な国際協力が

生じれば、それは新型コロナウイルス

に対する勝利だけでなく

将来現れるあらゆる病原体に

対しての勝利ともなることだろう

 


第2章 コロナ後の世界

2020年3月20日「ファイナンシャル・タイムズ」

・この危機に臨んで私たちは

二つのとりわけ重要な選択を

迫られている

第一の選択は全体主義的監視か

それとも国民の権力拡大か、

というものだ。

第二の選択はナショナリズム

基づく孤立か、それとも

グローバルな団結か、というものだ

新型コロナウイルスの場合

関心の対象が変わる、今や政府は

あなたの指の温度や皮下の血圧を

知りたがっている

・怒りや喜び、退屈、愛などは

発熱や咳と全く同じ生物学的な現象

咳を識別するのと同じ技術で

笑いも識別できる

私は自分の体温と血圧を

モニタリングすることには

大賛成だが、そのデータは

全能の政府を生み出すために

使われる事があってはならない

むしろ、そのデータのおかげで

より適切な基本情報に基づいた

個人的選択をしたり政府に

責任を持って決定を下せるように

したりできてしかるべきである

各国は隠し立てせず進んで情報を

提供し謙虚に助言を求めるべき

提供されたデータや見識を

信頼できてしかるべきだ

・私たちはグローバルな行動計画

を必要としている

それも、直ちに。

これまでのグローバルな危機では

アメリカがグローバルなリーダー

の役割を担った。だが現在のアメリ

政権はリーダーの仕事を放棄した

 


第3章 死に対する私たちの態度は変わるか

2020年4月20日「ザ・ガーディアン」

・歴史の大半を通じて最高の頭脳の

持ち主たちはしに意味を与える

ことにせっせと励み。死を打ち

負かそうなどしなかった

ところが科学革命が起こった

科学者にとって死は神の定めではなく

単なる技術的問題に過ぎない

人間が死ぬのは神がそういった

からではなく何らかの技術的

不具合のせいなのだ

最高の頭脳の持ち主たちは

もう、死に意味を与えようとして

時間を費やす事はない

代わりに彼らは寿命を延ばすための

研究に余念がない

・伝統的な宗教が死後の世界こそ

意味の主な源泉と考えていたが

18世紀以降はイデオロギー

死後の世界への関心を全て失った

ただし、相変わらず死に対して

中心的役割を与えている現代の

イデオロギーが一つある

ナショナリズムだ。

ナショナリズムは情に訴えかける

ときや切羽詰まった時には

国のために命を捧げるものは

誰でも国民の集合的記憶の中で

永遠に生き続けることを約束する

・現代のヒーローは聖職者ではなく

命を救ってくれる医療従事者であり

スーパーヒーローは研究室の

科学者だ

あらゆる場所で誰もが口にしている

疑問は

「いつワクチンが出来上がるのか?」

いつでき上がるのかであって

できるかどうかではない

・今日では聖典より科学に信頼を

置く、あらゆる種類の寺院や教派が

公の儀式を中止した

今では精神の安定を保つために

宗教の代わりに科学を頼り

医師がいつでも救ってくれる

大学の哲学科の予算が目立って

増えるとは思えない、だが

メディカルスクールや医療制度の

予算はきっと大幅に増えるだろう

 


第4章 緊急インタビュー「パンデミックが変える世界」

2020年4月25放送「NHK

・今後非常に危険な展開が二つ

第一はパンデミックがアフリカや

東南アジアや南米の発展途上国

に襲いかかったときです

援助がなければ壊滅状態になります

第二の大きな危険は新型コロナ

ウイルスの変異です、長い時間

人々の間に留まれば、その分だけ

ウイルスが変異する可能性が増えます

・私たちは歴史が加速する時期に

差し掛かっています

今後二、三ヶ月の間に途方もない規模の

社会的・政治的実験が行われ

それが世界を根底から変えるでしょう

例えば雇用市場の変化もあります

新型コロナウイルス危機は組織労働者を

弱体化させるでしょう

「ギグ・エコノミー」で働く人が

ますます増えるでしょうが彼らは

何の保証も受けられず組合もありません

政治家たちは今、絶好の機会を

迎えています経済や教育システム

や国際関係のルールブックをすっかり

書き直す事ができます

正しい選択をすることを願ってやみません

民主主義国家は平時には崩壊しません

非常時に崩壊するのです

ところが非常時にこそ民主主義が

最も必要とされます、しかし

非常時には国民は混乱より安定を

重視する傾向があるのでは?

国民は過酷な措置さえ指示するのです

父親のように頼りになる人物に

権力を掌握してもらいたがって

います。万事を決め何もかも

面倒を見てもらいたいと願うのです

独裁者は効率的です、迅速に動けます

誰とも相談しないからです

ところが彼らは間違いを犯すと

それを認める事はまずありません

隠します、メディアコントロールします

そして、その独裁者は、ひたすら

同じ間違いを重ね他の誰かに

責任を転嫁します

・今回の新型コロナウイルス流行は

監視の歴史における重大な転換点

大きな変化の時になる可能性が

あります

生態情報の監視を行えば、私が

どう感じているかを知る事ができます

生態の監視を通して手に入れた情報が

人々を操作するためにケンブリッジ

アナリティカ社のような会社に

悪用される想像しても荒唐無稽な

話ではないのです

イスラエルパレスチナ人は治安機関

が管理している監視システムには

決して協力しないでしょう

もしそのシステムを管理している

のが独立した医療機関なら進んで

協力するでしょう

・緊急事態や緊急措置は一人歩きを

始めがちで当初の状況が変化して

から長い時間が経っても継続する

傾向にあります

緊急命令は必要です強力で迅速な

行動も必要です。しかし民主的で

バランスの取れた形で行われるべき

であり、誰であれ特定の一個人に

あまり大きな権力を与えてはなりません

基本的には監視は政府だけでなく

国民にも二つの形で力を与えるべき

です。したがってデータは透明で

データの流れは双方向のものである

べきです、これこそが人々の

エンパワーメントです

・もし人間同士の接触を断つことで

パンデミックを防げると考えて

いるのなら感染症がなかった

遠い石器時代に遡らなければ

なりません

パンデミックに対する現実的な

対策は遮断ではなく、協力と

情報共有です

今は隔離したり国境封鎖したり

人々の移動制限をする必要が

ありますが、そのためでさえ

協力と情報が欠かせません

・どんな人も敵とみなされる

事があってはなりません

戦争や闘いや勝利という比喩は

脇に置き世界中の人々が

適切なケアを受けられたら成功

となるでしょう

・コロナへの恐れを克服するため

二つのことをしています

第一にこの危機の間も毎日二時間

瞑想しています

ヴィバサナー瞑想をしています

どの方法を選択するかはその人次第

です

第二に科学に頼ることで恐れを

克服しています。

科学を信頼すれば、この危機を

容易に乗り越える事ができるでしょう

 


訳者あとがき

著者はいつもながら物事を単体で

捉えるよりも、むしろ広い視野を

保ちながら大きな歴史の文脈の

中で考察する

グローバリズムナショナリズム

決して矛盾するものではない

ナショナリズムは同国人を思いやる

ことであり外国人を憎んだり

恐れたりすることではないし

グローバルな団結が人類と地球環境

の安全や繁栄に不可欠な時代である

・死や自らの脆弱さ、はかなさと

向かい合い生の意義を考えること

 


●本書から得られた新しい知識

エボラウイルスが比較的稀な

病気から猛威を振るう感染症に変化

したのは西アフリカのマコナ地区の

どこかで、たった一人に感染した

エボラウイルスのたった一つの

遺伝子の中で起こった、たった

一つの変異のせいだった

イスラエルでは1948〜1949

独立戦争の間に緊急事態宣言

新聞の検閲や土地の没収から

プディング作りに対する

特別な規制まで、実に様々な

一時的措置が正当化された

アイスクリームやプディング

贅沢品と考えられていた

・石鹸で手を洗うのは私たちに

とって当たり前だが、その重要性

を科学者がようやく認識したのは

19世期だった

・20世紀までは子供の少なくとも

三分の一が成人する前に亡くなって

いた

・17世期のイングランドでは

新生児1000人あたり約150人が

最初の1年で亡くなり15歳まで

生き延びられるのは僅か700人

程だった、今日、誕生後1年以内に

亡くなる赤ん坊は1000人当たり

5人で993人が15歳の誕生日を祝う

事ができる世界全体では重要時死亡率

は5%を下回るまでになっている

イスラエルは治安機関に監視技術

の使用の権限を与えた

 


●本書に出てくる格言

私はむしろ、自分のアパートで

生きていたい

ウディ・アレン

 


●本書で得られた気づき

著者は現在のトランプ政権の

アメリカファーストの考えに異議を

となえる、今は自国のことだけを

考えていてはいけないと

生態データについては権力者のみ

監視できるのではなく多くの民衆も

監視できる権利を持たせた方が

良いと書いてあったが

具体的にはどんな機能を持たせれば

全員が納得するだろうか?

発展途上国にウイルスが蔓延すれば

ウイルス変異が起こる可能性があり

結局、先進国に対して不利益になる

ビル・ゲイツ発展途上国の人に

対してワクチンを支給活動している

理由のひとつだと思う

 


●今までの自分の考えと違ったところ

 


●本書の内容で実行してみたい事

本書について読書会を開き

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