書名:やり抜く人の9つの習慣
著者:ハイディ・グラント・ハルバーソン
●本書を読んだきっかけ
新刊で書店で平積みになっていて
読んですぐメルカリ出店すれば
そこそこの値段で売れることが
分かったため購入
●読者の想定
本書は自己啓発書としては
非常に読みやすく習慣も9つに
絞っている。
どれも理にかなった内容で
効果が出ると思う。
if–thenプランは是非使ってみたい
ノウハウである。
●本書の説明
目標を達成した人に
なぜあなたは目標を達成できたのですか?
なぜ、多くの人は目標を達成できないのでしょうか?
と聞いても明確な答えが得られない
彼らは「ある種の思考や行動によって
自らを成功に導いている」
本書では目標を達成する人の9つの習慣
について紹介している
第1章 目標に具体性を与える
例えば、「やせたい」と思うなら
目標は「やせる」ではなく「5キロやせる」
とするべきである
いつまでに何をするのか明確にする
のである。
私は質問します
「どうなったら目標を達成したと言えるのか?」
「目標を達成した時のイメージを思い描く
ことができますか?」
まずは具体的かつ詳細に自分の達成したい事を
考え抜く
「目標達成のために何をすべきか」と同時に
「目標達成の障害になるものは何か」
を明確にする
「私にとって成功とは何か」
「成功への障害は何か」
この2つを繰り返し心の中で考える
この心の中の作業を
「メンタル・コントラスト」と呼びます
①目標を達成し、達成した時の
「感情」をしっかりと味わう。
②心の中で、その時に起きている
事を明瞭にイメージする
–周囲の様子はどうなっているか?
–どんな声が聞こえてくるか?
③そこに至るまでの障害を考える
・本章まとめ
①目標を書き出す
②どうなったら達成したと言えるか考える
③目標を書き直す
④メンタルオントラストを活用
⑤メンタルコントラストを深める
第2章 目標達成の行動計画を作る
やるべき行動を着実に実行するために
「いつ何をやるか」をあらかじめ
予定に入れておく。
これをはっきり決めておくと実行できる
確率は2倍から3倍高くなる
if–thenプラニングを決めておくと
どんな目標を達成する場合も役立つ
if–thenプランをした被験者の
91%が運動を習慣化できて
普通の目標を設定した人は31%が
成功した。
乳がん検査受診:100%:53%
子宮癌検査受診:92%:60%
脳は「XならY」という文章を記憶しやすい
事前にするべき事を決めておけば
意識しなくても、行動すべきときに
自動的に行動できる。
・本章まとめ
①すべき事を明確にする
②「いつ」「どんなときに」行動に
移すのか考える
③if–thenプランに落とし込む
④何が障害になるか考える
第3章 目標までの距離を意識する
目標までの距離が把握できないなら
今の自分とのギャップを意識する事は
できない「やる気が出ない」「集中できない」
といった状況になってしまう
フィードバックによって向上しているのか
がはっきりする
短期的な目標の場合は頻繁に
フィードバックを受けられるように
設定して自分が目標に向かっているか
確かめる必要がある。
「初心者はあまり頻繁にチェックすべきだはない」
未熟な人は混乱してしまうコツを
掴むまで頻繁にやらない。
誤ったフィードバックはモチベーションを
削いでしまう(諸刃の剣)
・目標に対するとき
「これまで思考(to–datethinking)」
「これから思考(to–go thinking)」
がある。
–「これまで思考(to–datethinking)」
どこまでやり遂げたかに視点を向ける
モチベーションが下がる危険がある
早く気が緩んでしまう
ついつい他の目標に目がいってしまう
–「これから思考(to–go thinking)」
あとどれだけやらなければいけないか
に視点を向ける思考
目標までの距離を測るとモチベーション
は維持されます
・本章まとめ
①どの程度の頻度でフィードバックを
得るか決める
②誰からフィードバックを得るのか決める
③フィードバックの予定を決める
④「これから思考」で、目標までの
距離を考える。
第4章 現実的楽観主義者になる
目標に向かってポジティブに考えることは
大切で
「私には目標を達成する力がある」
「私は成功する能力を持っている」
そう信じることはモチベーションを高める
しかし、研究によると
「望むことは簡単にできる」
「欲しいものは簡単に手に入る」
と考えると失敗の確率が高まる。
「成功を信じよ、そうすれば成功は
あなたのものだ」というメッセージは
完全な間違いである。
「引き寄せの法則」は「失敗の法則」
と断言してもいい。
・ポジティブな人はある傾向がある
–病気になっても早く回復
–うつ状態になることが少ない
–優先順位をつけるのが上手で
多くのことに取り組むことができる
–逆境や困難にうまく対処できる
・目標は達成できると信じるのは
変わらず大切なことであるが
目標は簡単に達成できると考えて
はいけない
「現実的な楽観主義者」とは
「成功を望み、それに相応しい努力をする人」
です
「非現実的な楽観主義者」は
「ポジティブシンキングに励めば、
自然と成功はやってくる」そして
「自分には都合の悪いこと、
ネガティブなことは起こらない」
と思っています。
・現実的な楽観主義者の方が
成功確率が格段に高い
彼らは問題が起こる事を予測し
対処方法を計画し、いざ問題が起きたら
粘り強くことに当たります、その結果
成功にたどり着く、これが事実です
不安に思って障害を探すことは
成功への大切なステップです
まずは自分の前に横たわる課題や
困難から逃げないで、しっかり
見つめること、そして
課題や問題がどの程度のものなのかを
検討すること。
・本章のまとめ
①モチベーションを維持する
②地に足のついた「現実的な楽観性」
を持つ。
第5章 「成長すること」に集中する
「今できなくても、できるようになる」
と信じることは
「自分には成功する力がある」
と信じると同じぐらい大切である
その結果、今のじぶんができると思う
範囲で目標を立てます
・能力は努力次第で伸ばせる
「私は自分が望むように変わることができる」
と思えば人生は自由でエキサイティング
・目標を達成するとき
「今、何ができるのか」ではなく
「これから、何ができるようになりたいか」
を考えるように。
目標は自分の能力を証明するために
あるのではなく、自分を向上させる
ためにこそある。
・新たなことに、自信と活力を持って
挑戦する方法、
「失敗してもいい、と開き直る」
ということです
「失敗してもいい」「失敗なんて何でもない」
と考えると、実際に失敗する確率
は大幅に低くなる。
・目標には2つのタイプ
①証明ゴール(Be–good Goals)
自分にはその能力がある、私は
やり方を知っているという事を
証明するための目標
能力を発揮する事を阻害する最大の
要因は不安感
②成長ゴール(Get–better Goals)
能力を伸ばして今できなかった事を
できるようにする事に焦点を当てる
・証明ゴールの学生はテストが
困難になると一様に成績が下がる
多くのミスを犯し、不本意な
パフォーマンスに終わる
成長ゴールの生徒は意地悪なテスト
に対しても全く動揺を見せない
成長を実感する充実感は「完璧」
を目指す緊張感とは、まったく
別もの
・やる気を奮い立たせてくれるのは
「興味を持って、仕事を楽しむという姿勢」
「自分の仕事には価値があるものだという信念」
興味があれば難しい課題であっても
興味がない容易な課題に取り組むより
良い結果が出せる
「機嫌の良し悪し」より「興味の有無」
の方が圧倒的に人の活力を高める
どんな事にも習得には時間がかかるものだ
と思う事である
・本章のまとめ
①焦らず、完璧主義にならない
②うまくいってる人に助けを求める
③人と自分を比べない
第6章 「やり抜く力」を持つ
グリット(Grit)とは困難にも屈せず
長期的な目標達成に向けて全力を
尽くす「やり抜く力」
心理学用語としては
「長期目標に向かうときの粘り強さ
とやる気」
・努力をすること、正しい戦略を立てる
詳細なプランを立てる、そして成功を
掴むまで諦めないこと
・固定的知能観、拡張的知能観
①固定的知能観
個々人の知能は持って生まれたものとして
固定されている(間違った考え)
人の知能は固定的ではありません
「うまくいかないのは自分に能力が
ないせいだ」と考える
自分の成長が不安を駆り立てる原因
になってしまう
②拡張的知能観
能力は経験や努力を重ねる事によって
高めることができる
うまくいかない時は
「努力不足だった」「戦略を間違えた」
「プランを練らなかった」と自分の
努力や行動のせいにする
・素晴らしい成長の機会に恵まれても
「成長することはできない」と
思い込んでいれば現実にも
成長することはない
・「私には無理だ」と言いたくなったら
「今の私にはまだ無理だ」と言い換える
・本章のまとめ
①苦手とする事を振り返る
②自分の思い込みを注意深く観察する
③固定的知能観に囚われていないかを
注意深く振り返る。
第7章 筋肉を鍛えるように意志力を鍛える
・意志力を定期的に正しい方向で
使えば、少しづつ強くすることが
できます。
意志力を強くするには、これまでに
やったことのない、気の進まないこと
を、自らの意思でやってみる。
何でもいい、大きな挑戦である必要
はない、取り組む価値があると思う
事を続ける。
・全ての朝鮮の共通点
それは「誘惑に打ち勝つ」必要がある
ということです。
日ごろのちょっとした誘惑に対処する
ために、その都度、意思力が必要
になる。
・ストレスにさらされたり
多くの意思決定が必要だったり
印象を良くしようと思ったりすると
意志力は少しづつすり減ってきます
・意志力が強い人を思い浮かべると
それだけで意志力をパワーアップ
させたり、回復を早めることができる
意思力が弱まったと感じたら
気分を盛り上げてくれることなら
何でも思い出してみる
・「意志力と筋力の共通点」は
どちらも定期的に刺激を与えることで
どんどん強くなる。
自分が達成したい目標に取り組むことで
同時に意志力も鍛えることができる
・本章のまとめ
①意志力は有限である事を意識する
②特効薬で意志力の回復を早める
③意志力を鍛える
第8章 自分を追い込まない
・どれほど意志力が強いとしても
限界はある、この事実を受け止める
・禁煙とダイエットと言った
二つの困難な目標に、同時に
取り組むのは避けるべき
どんな目標でも、出来るだけ簡単な
方法を見つけるようにする
成功できる人は、できるだけ目標を
達成しやすい環境を整える努力を
する。
意志力には限りがあるという事実を
受け入れて「意志力」を鍛える
禁煙を続ける自信がある人ほど
誘惑を避けようとせず、自分の
意志力に頼ろうとした
「タバコの誘惑のある状況を避ける」
と答えた被験者の方が禁煙を続け
られた。
・一つの事に集中すれば成功していたかも
しれないが2つの目標に挑戦した結果
両方とも失敗する
・何かをやめる時は段階的にやめず
一度にすっぱりとやめる。
・本章のまとめ
①誘惑と出会いやすい場所や時間を
把握する。
②大きな目標は一つに絞る
③やめるなら、一度に完全にやめる。
第9章 「やめるべきこと」より
「やるべきこと」に集中する
・マイナスになる行動や状況を
避けるだけでなく、それらを建設的で
効果的な行動に置き換える
・ある行動をしないように努力すると
逆に頭はその思考でいっぱいになる
行動を変えたいのなら
「やめたいこと」を考えるのではなく
「やりたいこと」「やるべきこと」
を考える
・目標を「どう表現するか」で
結果は変わる。
目標を見つけることと同じぐらい
それを「どう表現するか」が
重要である
・3パターンのif–then
①代替if–thenプラン
好ましくない行動を好ましい行動に変える
②無視if–thenプラン
好ましくない思いや衝動を無視する
③否定的if–thenプラン
今後やりたくない行動を、そのまま
「やらない」とする
・否定的if–thenプランは避けようと
思っていた行動を以前より多く取って
しまう結果になった(多くはこのプランを使う)
ある行動を否定すればするほど
逆にその行動のことを考えてしまい
その結果、否定したい行動を強化
してしまう。
・「やめたいこと」に焦点を合わせる
のではなく「自分が望む行動を起こす」
ように代替プランを立てる
・本章のまとめ
①「〜しない」という目標を「〜する」に変える
②「〜する」という目標をif–thenプランにする
代替if–thenプラン
–(if)もし次に〜したいと思ったら
–(then)代わりに〜するようにする
おわりに
・成功とは「正しい選択」「正しい戦略」
「正しい行動」によってつかむもの
生まれつきのDNAで決まるものではない
誰が成功するか予測しようと思ったら
知能指数を見るよりも、その人の戦略性
や持続性を見る方がよっぽど的確です。
●本書から得られた新しい知識
・if–thenプラニング:もしこうなったらこうする
If X happens,then I will do Y.
①もしXができなければ
②Yを実施する
という弱点がある。
・エッティンゲンの実験
「食べ物の誘惑に勝つのは大変だと思うか」
「ドーナツや食べ放題の誘惑に簡単に
打ち勝てると思うか」
という質問に対して
「簡単に食べ物の誘惑に勝てる」
と答えた人は
「そう簡単にいかない」
と答えた人に比べて13Kg重いままだった
・意志力を高めるのに効果があった研究成果
①好きなスイーツ食べるのをやめる
②汚い言葉を使うのをやめる
③利き手ではない方の手を使って生活
④「私は」で話す事をなるべく避ける
・ハッピーアワー:夕方早い時間に
アルコールが割引になる欧米の
ビジネススタイルで意思の弱い人
をターゲットにしている。
●本書に出てくる格言
ある人が成功できるかどうかの最も
信頼できる指標
それはその人が心から成功できると
信じているかどうかにある
ーアルバート・バンデュラーー
●本書で得られた気づき
目標を達成できる人の9つの習慣
①明確な目標を持っている
②if–thenプランの形で「いつになったらやる」
と計画している
③現状と目標までの距離に目を向けて
「目標に近づくために何をすべきか」
に焦点を当て、モチベーションを
維持している。
④成功できると信じている
同時に、成功は簡単に手に入らないと
考えて努力を怠らない
⑤最初から完璧を目指さない
失敗を恐れることなく
少しずつでも進歩することを考えている
⑥どんな能力でも努力で身につけられる
と信じている。どんな困難でも
「やり抜く力」を持って当たることができる
⑦意志力も鍛えれば強くなることを知っていて
習慣的に鍛えている。
筋力と同じように、意志力も使いすぎると
消耗することを知っている
⑧誘惑をできるだけ近づけないように
している。意志力で誘惑に打ち勝とうとは
しない。
⑨「やらないこと」ではなく「やること」
に焦点を置く。
●今までの自分の考えと違ったところ
・「引き寄せの法則」は「失敗の法則」
・「失敗してもいい」「失敗なんて何でもない」
と考えると、実際に失敗する確率
は大幅に低くなる。
・成功者というのは、あることで
成功した反面、普通の人以上に誘惑に
弱い面もある。
●本書の内容で実行してみたい事
ifーthenプランを試す
成功を簡単に手に入ると考えない
成長マインドセットで望む
意志力の研究成果を試す
誘惑を近づけない
やることに焦点を置く