思考と読書【お金・健康・人間関係 編】

お金、健康、人間関係に関する本の書評と説明 ビジネス書や自己啓発が多くなると思います なるべく毎週投稿できるように頑張ります

■2025年、人は「買い物」をしなくなる を読んで

 

2025年、人は「買い物」をしなくなる

2025年、人は「買い物」をしなくなる

 

 

書名:2025年、人は「買い物」をしなくなる

著者:望月智之

 


●本書を読んだきっかけ

電車の広告を見て、武漢肺炎ウイルスの

拡大もあるし興味を持った

 


●読者の想定

ECサイト運営の人のみならず多くの

サービス業の人にオススメである

本書の内容は著者の仮説ではあるが

データに基づいた仮説であるため

説得力はある

若者の行動について知りたい年輩の

方々にもオススメである

 


●本書の説明

はじめに

アメリカや中国では商品が届くのを

待ちたくないから多少高くてもEC

サイトを選ぶというのが当たり前に

なってきている

将来はウエアラブルデバイスが体調

の変化を感知して栄養のある食材を

届けてくれる

 


第1章 ショッピング体験の進化で、

人々は「買い物」をしなくなる

・人は買い物のプロセスの一部が好き

だ、しかも条件付きで

・日本において全ての商取引のうち

ECが占める割合、「EC化率」は

は、わずか6.22%しかない

・米国ではECの普及で2026年まで

に75000店舗が閉店すると予想され

ている

スマートフォンの普及で

「ネットにつながる」時代から

「情報につながる時代」にシフトした

将来、店舗は人々から忘れ去られ

日用品を除き消費者が本当に

欲しいものは店舗にはない

可能性も高い

・時代遅れになりやすいのは

都市部の百貨店や地方の大型スーパー

ショッピングモール、大型専門店

だと考えられる

・新たな役割を見つけて生き残る

店舗は「体験型の店舗」である

わざわざ行く価値があるという

店舗だけが生き残る時代になる

たとえば、自分で捕まえた魚

を料理して食べたり伝統職人が

作ったものを何ヶ月も待って

買ったりすることは一層増える

・最近の若い人たちが信用を寄せる

情報源は二つある

「AI」「口コミ」である

・商品の推薦をAIで行う事を開発

したのはAmazonで独自の

アルゴリズムを持っている

・同じ悩みを持ったインフルーエンサー

や友人が商品を勧めた方が

今の消費者の購買につながる

・中国ではアパレル店舗に

ライブ配信するブースがあり

インフルーエンサー(KOL=Key Opinionn Leader)

が自由にライブ配信できる

サブスクリプションのモデルも

買い物プロセスの省略から生まれた

メリットは好きなものをどれだけ

使っても料金は一定である

トヨタガリバーはサブスクで

自動車を貸し出すサービスを開始

している

ブランド品を貸出すサービスもある

・サブスクとレンタルは良く似ていて

境界線は曖昧だが

サブスクを利用するかどうかの選択は

所有するか所有せずにレンタルか

と同義になりつつある

・メルカリは近年、急速に利用者を

増やしてきている5004万人は

Amazon利用者の半分である

中古の洋服は最初から売るつもりで

所有すれば買っているのに所有して

いないという状態である

・割引されている商品を敬遠する

層もある、それは所有しない

事を選んだ層の人たちだ

モノの流動化が進むと店舗間の

激しい値下げ競争は時代遅れになる

アメリカでは価格比較サイトが

入り込む余地がないほど価格の

最適化が進んでいるAmazon

価格を追跡して最安値で販売して

いるのは有名だ

Amazonは「アップセル」「クロスセル」

に積極的ではない

・皆さんは買い物のプロセスで一番楽しい

瞬間はどのタイミングだろうか?

「封を開ける瞬間」ではないだろうか?

現在は多くのハイブランド

Unboxing(アンボクシング)=届く

瞬間、箱を開けるユーザーの体験を

最も重要視している

 


第2章 ショッピングはどう発展してきたのか

・日本で百貨店が誕生したのは

1904年三越呉服店がデパートメント宣言

休日に百貨店に出かけることが

家族にとってレジャー体験でもあった

・日本で自家用車が普及し始めたのは

1960年代

1970年代に労働者の賃金が大きく上昇

1970年に約75000円が2年後10万

を超え1976年には20万を超えた

人々の移動手段が激変する中で

店舗数を増やしたのがスーパーマーケット

・ショッピングモールの登場は

買い物と同時に食事をしたり

子供を遊ばせたりできる百貨店の

レジャーの役割も担った

・今も高級百貨店の一階はコスメ

高級らしさを残しているフロアは

コスメのフロアだけ

Amazonの創業は1995年

楽天は1997年、ECサイトの登場で

消費棚は家にあるところまで

消費者に近づいた

20年ほど前に出てきたECサイトの棚

がリアルの商品棚を奪っている

日本のEC化率7.3%(2017)

世界小売市場のEC化は10%

アメリカ11%

スマートフォンの市場規模は

たった3年で倍近く伸びた

今どきの高校生はほとんどスマホ

を持っている95.9%(内閣府調査)

ブラウザから探さずスマホのアプリから探す

彼らはアプリから入らないと

わかりにくい

最新の情報はTwitterから検索している

これからはググらない世代が購買力を

持つようになる

・美容、化粧品業界はスモールマス戦略

を進めている大企業が勝てない

状況が続いている

・PB商品は確実にリアル棚を奪っている

実際PB商品は最も良い棚に大量に

置かれる事は珍しくない

SNSを活用しながらネットユーザーを

巻き込む

・デジタルを駆使したパーソナライゼーション

は同じものを大量に作ってきた

大企業にはなかなか手を出しにくい

ジャンルである

 


第3章 リーディングカンパニーたちが目指すもの

Amazonは当初無料配送であったが

委託先と折り合いがつかないとみると

全国無料配送を中止しprime会員のみ

無料配送としたprime会員は年額4900円

独自の配送システムを構築

中傷配送業者や個人事業主と契約する

Amazon FLEXを日本でスタート

今後、独自の配送システムを持たない

ECサイトはコンビニ受け取りか

配送センターでの受け取りが標準

となる

・今の消費者が便利さの代わりに求めている

のは時間である

検索エンジンの膨大な情報から知りたい

情報を見つけるのではなく、自分にマッチ

した情報が絞られて出てくるアプリや

SNSからさまざまな情報を得る時代に

シフトしている

・近年、食品会社がテーマにしているのが

先ほども述べた「消費者の時間を作る」

いわば「時間ソリューション」である

コンビニでは最近、冷凍食品が増えている

冷凍技術により美味しい食品が増えている

・時間ソリューションは食だけでなく

衣食住全てに波及するだろう

・情報量が増えることにより

便利になればなるほど忙しくなっている

便利なアプリが増えれば増えるほど

私たちが新たに確保した可処分時間

スマートフォンに奪われる

・今、時短に関する商品が売れている

寝癖がつかないシャンプーとか

日経MJヒット商品番付も7割から

8割が時短に関連している

ウォルマートは2019年にも3100店舗で

食料品のカーサイド・ピックアップを展開

・今や中国の前ではアメリカでさえも

IT後進国となる、中国は今まさに

情報革命に沸いている消費者は

AlipayやWechatpayでモバイル決済

Tiktokで新しい流行を生む

Googleは時間獲得競争に積極的なのは

ユーザーデータを獲得したい

YouTubeユーザーはテレビユーザー

と異なり何か別のことも同時にしやすい

環境でないと時間を費やしてくれない

・メーカーの間では商品のパーソナライズ

という動きが出ている

Amazonに勝つにはどうすればいいか

という大きなテーマを掲げている

NIKEはユーザーがオンラインで

カスタマイズして注文できる

NIKE By You をはじめた

AmazonはDiscoverというサービス

ユーザー自身の選択でレコメンド

商品が絞られていく

自分で自分好みの商品を見つけていく

・企業はマス広告から予算を

インフルーエンサーマーケティング

付け替えている

Instagramで1万フォローワがいれば

相当な影響力3万いけばスパンサーがつく

・人気YouTuberの多くは自分が

いいと思ったものしか紹介しない

Instagramのフォロワが3万が

一つの目安でアンバサダーの依頼

とかがくる

・著者の知り合いのうどんInstagramer

は契約金を蹴り、うどん1年分の無料券で

オファーを受けた

 


第4章 さらなる進化、「デジタルシェフ」へ

・ミネラルウォーターはAmazon

楽天では最も売れているブランドが

全く異なる

・今後はウエラブルからの注文も考えられる

スマートグラスが普及すれば

私たちの目の前に映るもの全てが

商品棚になる

・アレクサは電源が入っていない時も

ユーザーの会話を拾い続けている

・消費者には次の変化が起こる

①データドリブンによりAIを活用して

自分に必要なものが自然に届くようになる

②他人の意見によって商品を購入する

ようになる

・多様な個人データが蓄積されることにより

「今まさに欲しいもの」

「本人は必要だと気づいていないが

本当はあったほうがいいもの」

をすぐに届けてもらうことができる

・商品レビューをAI解析する企業もある

著者は国内のECモール、口コミサイトの

商品レビュを分析している

・オンラインのみで販売する商品も

今後は増えてくるだろう

・「◯◯社の化粧水」と検索するユーザーと

「人気の化粧水」と検索するユーザーは

オンライン上で違った行動をする

「◯◯社の化粧水」は肌のタイプに合わせた

ピッタリの商品に誘導し

「人気の化粧水」はランキングや

販売実績数、高評価レビューでで

買いたくさせる

・PCアクセスは年齢層が高めで

何点も買い、スマホからアクセスは

若い人が多く1点のみ購入が多い

・日本にはデーターサイエンティスト

と呼ばれる職に就く人が少ない

・今後は企業内のCDO(チーフ・デジタル・オフィサー)

と呼ばれる役職が、より重要な

役割を担っていく

・今の若い人たちは広告よりも

口コミを信じている

検索が「自分で気づくマーケット」なら

口コミは「自分で気づかないマーケット」

と言える

・今後、インフルーエンサー自身が

商品を仕入れて、それを販売していく

というケースが増える

その主戦場となるプラットフォームこそ

ライブ配信とEコマースを掛け合わせた

「ライブコマース」

買う場所はリアル店舗からInstagram

YouTube、ライブコマースの

プラットフォームなど

「コミニケーションがある場所」に

移り変わる、つまり、そこに人が

いるのであれば、どこでも店舗に

なりうる

・より多くの人に売れるための要素

として欠かせないのが「共感」

・Awayは既存のキャリアケースには

高価なものか安価かの二極化していた

ためビジネスチャンスがあると考え

1000人に聞き取り調査、こんな物が

欲しかったという共感に近づく

それらを開発するまでのストーリー

とした

・商品をヒットさせるにはストーリー

が必要だが2つのセオリーがある

①WhatよりWhyとHow

何を作ったかは重要でない

なぜそれを作ったか、どのようにして

作ったか

②ストーリーは長い程よい

半日で作られるものより1週間、1ヶ月

と時間がかかる方が人々の共感は

強くなりやすい

Amazonに対抗するには

「比較したくても比較しづらい」

「大量生産できないもの」が有効

・5Gの普及で革新的なことが起こるが

専門家でも予想はできていない

 


第5章 「人々が『買い物』をしなくなる未来」

の先にあるもの

・買い物は自分で探して選ぶのではなく

AIが勝手に探してきてくれる

あるいは人から勧められたものだけ

欲しくなる

・身の回りがセンサーで囲まれた生活

センサーは環境や人間の様々な変化を

感知し、それをAIが分析、必要なものを

自動的に取り寄せる

・今流行りの「オムニチャンネル」も

なくなるだろう

消費者にとっては「何も考えていなくても

今、必要な物がピンポイントで届く」

ことの方が重要である

・マスメディアはなくなりメディアは

個人に最適化された情報を届けるように

なる

・負のスコアリングも進む

お客様に返品多いとか未払いとかは

ブラックリストに載せられる

負のスコアが蓄積されることで

新しいサービスが受けられなくなる

・今まで販売員で高収入を上げることは

難しかったが、これからは人気商売

となる、スター店員は億万長者も

夢ではない

・技術の進歩により新たに見直されるのが

「人とのつながり」だ

・メーカーと消費者が直接つながって

声を聞くことで、熱狂的なファンが

生まれる

・大切なのは次の10年を見据えて変化を

つかむことである

 


●本書から得られた新しい知識

Amazonは広告ビジネスでも躍進している

GoogleFacebookに次いで3番目

ユニクロは自分たちを「情報製造小売業

と呼んでいる

ZARAはデータ活用により

服を3週間で作る体制を敷いている

Netflixはユーザーの視聴データを

解析しオリジナル番組の制作に反映

アメリカでは無名のメーカーが

広告費を使わずに大手メーカーを

苦戦させているという現状がある

▼用語

・デジタルシェフ

物理的な棚がデジタル上に置き換わった

状態を指すが本書では

「世の中の電子化が進む中で、日常の

身の回りにある、ありとあらゆるものが

シェフ(商品棚)になること」

・ウェブルーミング

商品探しをネットで探し実際の

購入は実店舗で行う

ショールーミング

実店舗で商品探しをしてネットで

購入する

・ナイキハウスオブイノベーション

ニューヨーク5番街に2018年オープン

体験を取り入れた店舗

・チェーンストアー理論

統一された外観・ユニフォーム

商品・マニュアルなどを用いて

多店舗展開する経営手法

・ペガサスクラブ

チェーンストアー理論をアメリカから

渥美俊一が持ち込み作った団体

初期メンバーに伊藤雅俊岡田卓也

・ゴールデンゾーン

商品陳列棚の見やすく取りやすい位置

・スモールマス戦略

1000億の市場を作る場合

100億の市場を10個作る

・B toC(Business  to Consumer)

企業が消費者に商品を売るビジネス形態

・D toC(Direct  to  Consumer)

メーカーが小売に卸すことなく

消費者に直接販売する

Amazon GO

シアトルで1号店を出した無人コンビニ

NY、サンフランシスコ、シカゴにも

店舗を持ち2021年までに3000店舗を

展開する

・Bingo Box

中国の無人コンビニ2016年に1号店

・カーサイドピックアップ

インターネットで注文した商品を店舗で

受け取る、商品探しはスタッフが実施

・ラッキンコーヒー(luckin  coffee)

中国版のテイクアウトのみスタバ

行列ができない並ばず買える

注文はスマホアプリで実施する

Android Auto

Androidと車載カーナビを接続し

Googleのアプリを操作できる

▼企業・サービス名(有名なもの除)

Spotify

AWA

・Hulu

・BOTANIST(オリジナルシャンプー)

・Glossier

OISIX(おいしっくす)

・Color & CO(ヘアカラー)

・ModiFace(AR拡張技術)ロレアルが買収

・Fitbit(スマートウォッチ)

・Away(キャリアケース)開けずに充電

・Allbirds(スニーカー)

・Glossier(DtoCコスメブランド)

・VanMoof(オランダ新興電動自転車)

 


●本書に出てくる格言

 


●本書で得られた気づき

本書で述べられている「買い物」とは

物を買わないという意味ではなく

ショッピング的な娯楽や体験を伴う

買い物のことである

若い世代の考えに基づく考えだから

年配の人は理解できないかもしれない

しかし、現実を直視し変化に対応

することは重要である

 


●今までの自分の考えと違ったところ

今までも凄い企業だと思っていた

Amazonが予想以上に先を見据えて

活動している企業だということ

 


●本書の内容で実行してみたい事

今の武漢肺炎ウイルスが落ちつくと

著者の仮説は加速し現実化する気がする

今はテレワークがほとんどだから

この際、近未来について考えてみる

 

2025年、人は「買い物」をしなくなる

2025年、人は「買い物」をしなくなる