思考と読書【お金・健康・人間関係 編】

お金、健康、人間関係に関する本の書評と説明 ビジネス書や自己啓発が多くなると思います なるべく毎週投稿できるように頑張ります

■レンタルなんもしない人というサービスをはじめますを読んで

 

 

書名:レンタルなんもしない人というサービスをはじめます

著者:レンタルなんもしない人

 


●本書を読んだきっかけ

YouTubeの動画を見て著者に関心を持つ

最近、日経新聞で何回か取り上げられた

 


●読者の想定

現代人のニーズについて知りたい人

他人に寄り添いたい人

レンタルなんもしない人のファン

 


●本書の説明

著者は心理カウセラーの心屋仁之助さん

の本を読んで「存在給」という概念に

気づきレンタルなんもしない人

というサービスを思いつく


著者はフリーのライターであるが

トレーダーとして、そこそこ稼いでいた

その時「ほぼなんもしなくて生きていけるのでは?」

という期待があった「なんもしない人」として

生きる道を模索

(トレーダーは勝ち逃げで卒業)


1なんもしない

他人の力を借りて受動的に刺激なり

変化なりを楽しむ「なんもしない人」

は非常に楽である

人は人間関係の薄い人にしか話せない

様な大事なこともある、しかも沢山

という事をサービスを通して知る

依頼は「話を聞いて欲しい」が多い

そういった人はアドバイス(もっと言えば説教)

をされるのが苦痛だそうだ

「いいね」「面白いね」というポジティブ

な評価もストレスになる場合もある

だから、依頼者の話は評価しないで

相槌を打つ、それだけで触媒になり

依頼者の気持ちに変化が起こる


ある依頼者は「レンタルなんもしない人」は

人生のある局面で一度だけ切れる便利な

カードみたいな存在、切る事がなくても

お守りみたいな存在である


あるイベント会場で司会が

皆さんの中には夢を持っていない人はいない

と思います、未来の事を考えていない人は

いないでしょう。と言ったが

「夢」というのは「世のためひとのため」

という事を前提にした感じがして

説教くさく感じる

著者の夢は現時点で成就していて

現状維持できるかが「夢」である


2個性を出さない

個性とは唯一無二の個性とも言われる様に

人と比べることで成り立つ集団の中での

相対的な評価にすぎない

帽子は業者感を出すのに都合がいい

野球の試合を一緒に見て欲しい

という依頼があり開始までの待ち時間で

数学の話をして欲しいと言われた

依頼者は著者の数学の話が面白くて

野球の試合が始まっているのを忘れてしまう

(カージオイドの話をする著者にとっては

簡単な受け答えの部類に入る)

就活の時、エントリーシートに自分の

売りを書くが著者は自分のことを褒めちぎる

様で気持ち悪いと感じた

「◯◯ができる」の様に、何かを可能にする

能力を個性とみなされたくない

失敗は原因そのものではなく

何かの勢いを加速させる、あるいは衰退

させる

著者のお姉さんは就活で望む結果が

得られず自らの命を絶った

著者にとっては存在しているだけで価値

があったが世間的ななんらかの目的に

よって歪められたり損なわれた

だから「◯◯ができるから価値がある」

というアピールはしない

いったい世の中でどれぐらいの人が

自分らしさから延長戦を引き、その先に

やりたい仕事を思い描き社会に貢献

できているのだろう


著者は大学の頃、大喜利が趣味だった

大学で物理学を学び大学院では

大阪大学理学研究科宇宙地球科学専攻

地震の研究する

人間らしい一面を見せたツイートは

リツイートやいいねが増える傾向がある

35歳、妻子持ちという情報が

安心感を与える

「レンタル◯◯する人」みたいな

アカウントが現れては消えているが

なんか、いいことしようみたいな

若干の偽善的な感じが押し付けがましい

自分の事を「聞き上手」などという人は

どうなんだろう?

世の中のあらゆる仕事とサービスは

「何かをする」事が前提であるが

それを覆した「なんもしない人」に

新奇性があった


3距離を縮めない

自分語りを始める依頼者は舞台に上がり

スポットライトが当たっている様に

見える

回答や助言を求められた時は「なんもしない」

は適用外

人に言えない話を聞いて欲しい依頼者に

金銭を介して相談すると

「よし私がなんとかしてやろう」的

に何かしらの爪痕を残そうと余計な

事がされ相談者との間に上下関係が生まれ

いたたまれなくなる

なんもしない事によって

依頼者はイメージを補完し悲しい時に慰め

嬉しい時に一緒に喜び、同意されたかの

様に感じる

もし口を開いて意見を言えば想像の余地が

狭くなる

人は自分の偏愛を誰かに話したいものである

話をしたところで問題は解決しないが

話せたこと自体は良かったと感じる

普通の付き合いは共感や気持ちを慮れ

なければしんどいが「なんもしない人」

であるだけで、わずかながら相手は助かる

お見舞いは親密な人が来なくても

いいのかもしれない

傾聴は「批判や反論をしない」

「聞く側の考えを押し付けない」

というポイントがある

世の中には友達、親友、恋人といった

関係が固定されたものがあるが

関係に伴う息苦しさの様なものもある

しかし、どれにも属さない不思議な

関係性には面倒ごとがなく孤独感は

和らげてもらえる


4お金に縛られない

有料のサービスに人は払った額に見合う

リターンを求める、モトを取ろうとする

僕たちは普段、お金を使って見えないものを

買っている「目に見えないもの」とは

人間関係だ

お金が介在すると「なんもしない」こと

そのものの実際の価値が見えにくくなる

スポンサーになりたい人から物を提供

する申し出があったが

選択するのにストレスを感じ断る

サービスを提供する顧客を自分の想定する

顧客層に近づけたい

面白い事があればツイートできて嬉しい

狙いすぎて面白くない依頼は断る

友人関係の構築にはコストがかかるが

「なんもしない人」はコスパが良い

と言われる

精神的なコストは相手に合わせるコスト

でもあるからだ

何かに偏愛のある依頼者は

気軽に誘える友達がいないのではなく

それ専用の友達がいないだけ

付き合わせると借りができてしまう事

に躊躇しているのではないか

プライベートを充実させるための友達を

欲しがっている

貸し借りを意識しない関係性を人は

求めているのではないか

仮想通貨に手を出したこともあったが

お金=労働の対価

の価値観しかなかったところにお金が

発生するのがいっぱいある事に気づく


5AIに対抗しない

人間は完璧に物事をこなせなくても

ミスするから成功した時に嬉しい

「朝6時に体操服というメッセージ送って欲しい」

という依頼などまさに

人間はミスをする可能性があるという

不確定要素が需要につながったと

感じる

「散歩中の愛犬と遭遇して欲しい」

「ドタキャンしたいので約束がある相手

になって欲しい」

「ある会社の社長が、いつもと違う雰囲気

を出すため会議出席依頼」

人間が手動で行なっている事自体に

価値を見出すこともある

サービスを受ける時サービスをしすぎる

方面に差別化しがちと思う

自分の子供を授かった時

世の中みんなが赤ちゃんみたいに振る舞っても

生きていける様になればいいな

と思った


●本書から得られた新しい知識

「つまらない話」で始まる話が

本当につまらない話であることはあまりない


贈与論=返報性


リマインくん

LINE用パーソナルリマインダー

 


●本書に出てくる格言

「レンタルなんもしない人」というサービスを

始めます。一人で入りにくい店、ゲームの

人数合わせ、花見の場所取りなど、ただ一人分

の人間の存在だけが必要なシーンでご利用ください

国分寺駅からの交通費と飲食代だけ(かかれば)

もらいます。ごく簡単なうけこたえ以外なんも

できかねます

ー森本祥司ー

何が嫌いかより何が好きかで

自分を語れよ

モンキー・D・ルフィーー

 


●本書で得られた気づき

現代社会の人々の色々なニーズがわかった

日経新聞NHKで取り上げられるわけも

納得である

ただ、このアイデアを金儲けのネタ

にする人が必ず出てくると思うが

著者の意向をくんで欲しい


ちなみにノースペックと自分で言っている

著者は自分にしてみれば

ウルトラ・ハイスペック

 


●今までの自分の考えと違ったところ

なんもしない事が人に及ぼす精神的な

作用について

 


●本書の内容で実行してみたい事

なんもしない人をただ真似るのではなく

著者の思考プロセスを基に何かアイデア

を捻り出す努力をする