書名:天才を殺す凡人
著者:北野唯我
●本書を読んだきっかけ
やはりタイトルでしょう
本書を読んで納得した
●読者の想定
新卒採用者、比較的入社して新しい人
●本書の説明
著者は人の才能を「天才」「秀才」「凡人」と
分類それぞれの特徴から、世の中で起こっている
事象を元に擬人化した犬に語らせる
ストーリー形式になっている
面白いだけでなく腑に落ちた
最後のページから読めば著者の理論が簡単に
理解できる
天才:「創造性」で評価される
独創的な考えや着眼点を持ち、人々が
思いつかないプロセスで物事を進められる
秀才:「再現性」で評価される
論理的に物事を考え、システムや数字
秩序を大事にし、堅実に物事を進める
凡人:「共感性」で評価される
感情やその場の空気を敏感に読み
相手の反応を予測しながら動ける
凡人が持つ天才を殺すナイフは「多数決」
凡人は成果を出す前の天才には冷たいが
成果を出したとたんオセロの様に反転して
態度を変える
経営においてアートとサイエンスは両方重要だが
アートは評価する尺度がない
共感されるものは強いが
共感による意思決定は危うい
新しいことを始める時の意思決定の方法論は
「理屈」「共感」があるが
「共感」はみんながやっているという多数決で
理屈はないけど流行っている
それを、アホな人が騙されている様に見る人も
いるが、流行っているという事実が価値を
証明している
「皆んなが信じている」はそれだけで価値がある
狭くて深い支持:才能を持つものだけが支持している
広くて浅い反発:なんとなく嫌いとか共感ベース
共感を軸にしたコミニケーションは最強だが
「愚民政治」を招きやすい
人が人を判断する時「見える範囲」だけで
それを評価する、アラジン問題に見られる様に
切り取る場所で共感性は変わる
共感性の意思決定には危うさがある
良い飽き:自分で気づいてる飽き「退屈な授業」
悪い飽き:自分で気づいていない飽き
仕事に飽きてるけど趣味とかごまかして継続
才能の奥義を知るステージ
①自分の才能を生かし、活かす
②相反する才能の力学を理解し、活用する
③武器を選び抜き、リミッターを外す
三人のアンバサダー
①エリートスーパーマン
創造性、再現性、ビジネス大好
②最強の実行者
エース、どこでも大活躍、革新を生まない
③病める天才
天才と凡人の橋渡し、構造的に捉えるのが苦手
違うパターンの人と繋がるにはそれぞれの
アンバサダーに頼る
凡人が「最強の実行者」を巻き込む
キラークエスチョン
『あなたならどうしますか?』
さらに過去の事例を出してこの質問をすると
効果的
『主語』をどこに捉えるかで判別
①人メインで語る、凡人
Iタイプ:主語が自分、自分はどう思うか
Yタイプ:主語が相手、あの人はどう思うか
Wタイプ:家族や仲間、チームはどうあれば幸せか
Wタイプばっかり集めると宗教的な組織になる
②組織やルールの善悪で語る、秀才
③世界や真理、超越した何か、天才
コミニケーションは相手がどう受け取るか
「天才は物理の世界で生き、
秀才は法律の世界で生きる」
さらに天才は
Xタイプ:自然科学や「存在」に興味を持つ
Yタイプ:人は世界をどう認知するか「認知論」
秀才は
Kタイプ:自分が知ったり経験したことが軸
Rタイプ:善悪、利益やルール
に分けられる
コンプレックスを抱えた秀才は
『サイレントキラー』になる
制度やシステムを使い高い説明力で
組織の「創造性」「共感性」を壊す存在
「経営科学」は使うものの高い素養が
求められる使う側にも資格がいる
科学の本来の価値は何度も失敗ができる
サイエンスは失敗をどう捉えるかで
良質か悪質か決まる
失敗を許すためにサイエンスを使う
凡人の中に共感の神がいる
天才は共感の神によって創作活動ができる
凡人は最強の武器を手にするには
①他人の言葉をデトックスする
②白状する
そして『自らの言葉』を使って表現する
他人の言葉では人を動かせない
日本は高度成長時代から企業のトップは
天才から秀才の時代に
これらがイノベーションに悩む企業から
若者が抜け出し起業する理由なのかも
しれない
●本書から得られた新しい知識
人に愛される3要素
「小さくて、丸くて、ちょっとバカ」
人間がコントロールしたがるけれど
悩みの元になるもの
①自分の才能
②他人
コミニケーションの断絶は「軸と評価」で起こる
軸:その人が価値を判断する上で
前提となるもの、絶対的
評価:軸に基づいて「Good」や「Bad」を
評価すること、相対的
「評価」によるコミニケーションの断絶であれば
共感させるプレゼンをすれば相手の「評価」
を変えることができる
キャズム理論
イノベーター(2.5%)
アーリーアダプター(13.5%)
アーリーマジョリティー(34%)
レイトマジョリティー(34%)
ラガード(16%)
【アラジン問題】
アラジンは貧しさからパンを盗むみ
逃亡するが、お腹を空かせた子供に
盗んだパンを与える
本来ならばパン屋さんは被害者であるが
話の切り取り方でアラジンは良い人に見える
資本主義では再現性>共感性
家族主義では共感性>再現性
●本書に出てくる格言
芸術、科学、モノづくり、この3つが重なって
初めて「強い経営」はできる
●本書で得られた気づき
「天才」「秀才」「凡人」
人それぞれ配られたカードは違う
自分に配られたカードの特性を生かして生きる
現在の学校教育が「再現性」と「共感性」
について学ぶ場所になっている
ユーザー参加型のメディアが今後も
勢いを伸ばしている
●今までの自分の考えと違ったところ
天才は凡人の協力なしにことを成せないため
凡人に好かれたいと思っているが
凡人は天才を理解できないから排斥している
凡人は秀才を天才だと勘違いしていて
秀才は凡人を心の中で見下している
天才は秀才に興味がなく秀才は天才に
妬みと憧れがある
これらのパワーバランスが働くため
現社会は天才が締め出され秀才が
牛耳っている
●本書の内容で実行してみたい事
自分主催のイベントで「創造性」について
話せる場を設ける