書名:一番やさしいピケティ超入門
著者:中野明
●本書を読んだきっかけ
21世紀の資本について
概要が知りたかったため
●読者の想定
あの分厚い本を読むのはちょっと
という人向け
●本書の説明
1章:21世紀の資本はなんのために書かれたのか
r(資本収益率)>g(経済成長率)
上式が当てはまると経済格差が
自動的に拡大する
第一部 所得と資本
第二部 資本/所得比率の動学
第三部 格差の構造
第四部 21世紀の資本規制
2章:r>gとは、いったい何を意味しているのか
18~19世紀のヨーロッパは勤勉が割に合わない時代だった
ピケティの言う資本とは何かを作り出す
元の総体から、人的資本を差し引いたもの
つまり「非人的資本」である
・資本主義第1の法則
国民所得に占める資本所得率(α)=
資本収益率(γ)×資本/所得比率(β)
上式を導出する過程
国民所得に占める資本所得率(α)=
資本所得/資本(国富)×資本(国富)/国民所得
=資本所得×国民所得=資本収益率(γ)×資本/所得比率(β)
世界平均で上式に当てはめる
一人当たり平均国民所得:3万ユーロ(405万)
一人当たり平均資本:18万ユーロ(2430万)
資本/所得比率=18/3=6(600%)
年間平均資本収益率=5%
国民所得に占める資本所得率=5%(γ)×600%(β)
=30%
・資本主義第2法則
資本/所得比率(β)=貯蓄率(s)/経済成長率(g)
上式を第1法則に代入すると
国民所得に占める資本所得率(α)=
資本収益率(γ)×貯蓄率(s)/経済成長率(g)
歴史は資本収益率4~5%
経済成長率1%ぐらいで推移していた
経済成長率が停滞すると貯蓄された富の
優位性が急速に高まる
資本主義社会では資本収益率が
経済成長率よりも上回る状態
r>gとなるのが自然である
しかし、民主主義の理念が蝕まれる
異なる会社を資本主義第1法則で分析すると
効率的に利益を上げているかどうかがわかる
3章:歴史を通してみた不平等の真実とは
20世紀後半の経済成長率は歴史的にみても
高い水準だった
1910年から1950年にかけては大戦の
影響で資本/所得比率は急激に低下した
また1910ー2010年の間は
戦後復興、技術革新、人口増加で
r<gに反転していた
しかし
資本価値の向上×経済成長率の停滞 により
r>gの時代が到来している
クズネッツ曲線は不平等は解消するとしたのに対し
ピケティは拡大すると主張している
世襲資本主義とは遺産の相続が
重要な役割を果たす資本主義である
4章:経済格差は本当に拡大しているか
労働所得・資本所得・総所得の
上位10%を上流階級
続く40%を中流階級
残り50%を下流階級
所得分配について
①低格差②中格差③高格差④超高格差
に分類すると
④超高格差がシェアを増やし②中格差が
もっともシェアを減らす傾向にある
相続や贈与のかさみ
by=μ×m×β
by:相続と贈与の年間のフローの国民所得比
μ:生存者一人当たりの平均財産に対する死亡時の平均財産比率
m:死亡率
β:資本/所得比率
μは1より大きいのが一般的
1970年生まれの人は12%の人が
もっとも賃金の低い50%の労働者の
生涯所得以上の資産を相続する
その割合は2010ー2030年生まれの
コーホートで13~15%近くに上昇する
遺産を受け継いだものはプチ不労収入生活を送る
一国の資本(国富)
国民資本=農地+住宅+他の国内資本+純外国資本
5章:格差社会の進行は食い止められるのか
ピケティもサンデル教授も
平等な民主主義社会の実現を目指すところが
一致している
世界のあらゆる資産に対し
年次の累進的な課税を行う
資本税を提案
オールオラナッシングではなく
経済格差を抑制する政策を
できることから1つずつ実施する
●本書から得られた新しい知識
ワールド・トップ・インカムズ・データベース(WTID)
トップ10%の所得が全所得に占める割合
ハバード大学の学生の親の平均年収は
45万ドルである
化粧品会社ロレアルの相続人リリアン・ベタンクール
4兆500億の資産に対し6億7500万の申告
資本所得は2025億である
●本書に出てくる格言
●本書で得られた気づき
今のところは
r>gに乗っかり資本を増やすのが
良いのではないかと思った
また、自分の世代は相続でそんなに
資産がもらえるのかと思うと
少し期待が持てた
●今までの自分の考えと違ったところ
資産を相続に関して2010ー2030年生まれは
コーホートで13~15%近く
50%の労働者の生涯年収が相続される点
●本書の内容で実行してみたい事
資産を増やし
r>gのトレンドに乗っておく
プチ不労収入にもしなったら
さらに生きがいのために仕事をする
一番やさしい ピケティ「超」入門 『21世紀の資本』と「格差社会」を今日から語れる本
- 作者: 中野明
- 出版社/メーカー: 学研プラス
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